逢
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土方
『この傷はどうした』
手当てをしながら問うが応えはない。
土方
『言いたくないのなら言わなくていい』
髪を撫でられながら女は澄んだ瞳で土方を見ていた。
土方
『お前、名は?』
女は戸惑った様な表情になり、一度目を伏せた後、躊躇いながら小さく答える。
「…白雪です」
土方
『白雪か、良い名だ』
土方は髪に触れていた手で今度は頬に触れ、静かに流れる涙を拭った。
白雪
(温かい)
今まで、こんなにも優しく人に触れられた事があっただろうか。
名を尋ね、呼んでくれた人がいただろうか。
土方
『俺にはお前の苦しみや悲しみを除いてやる事は出来ねぇ。だが、他のモンを与えてやる事ならできる』
苦痛以外の何かを与えて貰った事があっただろうか。
土方は深く深く白雪に口付けをし、ゆっくりと一つになる。
これまで白雪にとっては苦痛でしかなかったその行為。
土方に抱かれたその夜、初雪舞い堕ちる冬の夜、白雪は初めて女の悦びを知った。
”白雪、全身で俺を感じろ。心も体も俺で満たせ。余計な事は考えるな。何もかも忘れ、俺と共に来い”
頬を伝う涙が温かいと、初めて知った。