逢
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静かな夜だった。
辺りは静寂に包まれ、聴こえる音といえば自分の衣擦れの音と足音くらい。
しかしその音すらも何かに吸い込まれるように消えていく。
そんな、不思議な夜だった。
風邪を拗らせ寝込んでいる近藤の代理で出席した会合の帰り道。
土方
『ん?』
髪に舞い降りたほんの僅かな重みに気付き、橋の半ばで土方は天を見上げた。
土方
『雪か、、、』
年が明けてから初めての雪に思わず一人呟く。
肌に触れては消える儚い雪に風情を感じ、一句詠もうとした時。
チャプ‥ン
微かだが水音が聴こえた気がした。
川の流れる音とは少し違う。
パシャ‥パシャッ…
今度は確かに聴こえた。
静寂の中で、その音だけが妙にくっきりと。
音に誘われるように土方の足は橋の下を流れる川の縁へと向かって行く。
そして川の中央で空を見上げ佇む女の姿を見て息を飲んだ。
土方
(妖‥の、類じゃねぇよな)
そんな事を思っている間に白衣に身を包んだ女は亜麻色の髪を靡かせ下流へと進んでいく。
土方
(チッ、面倒臭ぇモン見ちまった)
見過ごす訳にはいかず仕方無く着衣したまま水中へと足を踏み入れた時、女の体は既に腰の辺りまで入水していた。