プロポーズ
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総悟
『鍔迫り合いじゃなきゃその身の軽さも武器になる。受けるな、躱せ。隙ついて殺れ。俊敏さならお前の右に出る奴ァいね…』
土方
『成長したな、総悟』
いつの間にか道場の戸に土方と近藤が寄りかかっていた。
近藤
『夜間稽古とは精が出るな』
土方
『お前が助言してやってるとこなんか初めて見たぜ』
感心感心と上機嫌で頷く近藤に茶化す様な笑みを零す土方。
総悟
『わざわざ冷やかしに来たんですか。暇なんですねェ』
土方
『んなわけあるか、お前らと同じだ。稽古だよ、稽古』
総悟
『そうですか。じゃ、俺らはもう戻るんで』
興味無さそうに土方を去なし、緋那に帰るよう促す。
緋那
『あ、待てよ』
総悟が真面目に助言してくれた事が嬉しくて、ヒョイっと勢い良く反動をつけ起き上がった。
緋那
『痛っ‥』
その場に蹲り悶絶する。
背中と肋骨が痛い。
近藤
『どうした、怪我したのか?』
近藤が心配になり駆け寄ると、緋那は慌てて立ち上がり爽やかに微笑んだ。
緋那
『いえ、全然大した事ないです。じゃ、お先に失礼しますね』
総悟の背をグイグイ押し、道場を後にする。
緋那
『もう、少しは加減しろよな』
総悟
(手加減したらしたでキレるくせに)
緋那
『あれ、また身長伸びた?』
後ろ姿を見つめながらふと思った。
背中も肩もこんなに広かったかな。
総悟と比べてちっぽけな自分の身体が疎ましい。
!!!
総悟
『緋那?どうした?』
背中に縋る緋那が震えている。
総悟
『あれか』
電灯に集っている無数の蛾。
この時期に珍しい。
総悟
『散歩がてら回り道しよーぜ』
緋那
『ごめん』
くるりと方向を変える総悟の腕に強くしがみつく。
もう見えないにも拘わらず震えが止まらない。
総悟
『俺がきっちり処分しとくから心配すんな』
緋那の蛾に対する苦手意識は異常だ。
昔は見ただけで過呼吸になり大変だった。