色恋
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その日の夜―。
緋那
(アイツ、力任せに掴みやがって)
布団に寝転がりながら手首についた痕を見つめていた。
その痕にそっと口付けてみる。
何度も何度も。
その度に走る甘い痛み。
今はそれが心地良い。
緋那
(俺は…)
泣きそうな顔をしていたのか?
何故?
銀時の言葉に動揺したから?
緋那
(いや、それはねぇ)
最初からわかっていた事だし、銀時にどう思われていようが関係ない。
寧ろ好かれる方が迷惑だった筈だ。
緋那
(あー、眠れねー)
自問自答をしながら何度も寝返りをうつ。
・・・
ウロウロ…
緋那は山崎の部屋の前を往復していた。
緋那
(起こしちゃ悪ィよな)
どうしようかと悩んでいると…
山崎
『緋那くん?入っておいでよ』
緋那
『う、うん』
おずおずと戸を開けると山崎がにっこり笑って布団に招き入れてくれた。
山崎
『眠れなかったの?』
向き合う様に横になる。
緋那
『何か色々考えちゃって。起こしてごめんね。でも何でわかったの?』
不思議がる緋那の髪をくしゃくしゃと撫でながら山崎はクスクス笑った。
山崎
『俺で良ければ話聞くよ』
緋那は言葉を選びながらポツリポツリと話し始める。
緋那
『あのさ、退くんにしかこんなこと聞けないンだけど』
山崎
『うん、何?』
こういう時の緋那が愛しい。
総悟にも土方にも、慕っている近藤にも言わない事を時折こうして打ち明けてくれるのだ。
緋那
『例えばね、例えば』
堅く念を推す。
緋那
『全然好きでもないヤツと、ていうか寧ろ嫌いなタイプ。それが、その、、、』
なかなか続きが言えない。
山崎は何も言わず待っている。
緋那
『シ、シた途端に、気になるってあるのかな?シたくてシたわけじゃない場合でも』
山崎
『ナニをシた途端?』
顔を赤らめる緋那が可愛いくて少し苛めたくなった。
緋那
『だ、だからぁ…』
布団に顔を埋め小声で言う。
緋那
『えっち』
山崎
『ん?聴こえないよ、ちゃんと言って』
緋那が顔を出すと山崎が楽しそうにニコニコ笑っていた。
それを見てからかわれているのだと気付く。