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店長
『ウチで働きたい?』
ジロジロと二人を品定めするオールバックに顎髭の厳つい男。
店長
『じゃあとりあえず仕事ぶり見る為に体験入店して貰おうか。採用か不採用かはそれから決めるって事で』
緋那はホッと胸を撫で下ろす。
先ずは第一関門突破だ。
遡ること数時間前―。
山崎
『緋那くんちょっといい?折り入って頼みがあるんだけど』
山崎と近藤が緋那の部屋を訪れた。
緋那
『どうしたの?そんなに改まって』
山崎
『実は…』
近藤
『これッ』
山崎の言葉を遮り、近藤が紙袋を差し出す。
近藤
『着てみたいか?』
緋那
『???何ですかこれ』
渡されたのはぶりっぶりのメイド服。
緋那
『着たくないです』
近藤
『だよなッ。じゃーこの話は終わりッ』
山崎
『ちょっと局長、過保護卒業するんじゃなかったんですか?』
近藤
『緋那が着たくないって言ってンだ。俺は緋那の意思を尊重する』
山崎
『いや、だから順を追って説明しないと』
緋那
『どういうことですか?』
話が見えない。
カララッ
「ン?まだ着替えてないの?」
いきなり戸を開けて入ってきたのは、メイド服に身を包んだ長身の美少女だった。
緋那
『もしかして、総悟?』
総悟
『サド子って呼んで♡』
チッチッチッと指を振りウインクをする。
総悟
『お前もさっさと着替えな』
近藤
『あー、総悟、その件なら…』
総悟
『さてはお前、俺に負けるのが悔しくて着られねェんだろ』
近藤
『おい、緋那を煽…』
緋那
『近藤さん、部屋借ります』
勝ち誇った笑みを浮かべる総悟にまんまと挑発され、緋那は紙袋を片手に出て行った。
緋那
『うーん、どうなんだコレ』
違和感が有り過ぎて似合っているのかよくわからない。
緋那
『髪は下ろした方がいいのか?』
結紐を解く。
はらりと背中に落ちる緋色の髪。
緋那
『髪、ちょっと伸びたな』
何となく桂の顔が浮かぶ。
鏡の前に立ち全身をチェックしていると、いつまでも戻って来ない緋那に痺れを切らした一同が隣の近藤の部屋に雪崩れ込んできた。
総悟
『ザキ、どっちが抱きたい?』
山崎
『どっちも抱きたいです』
近藤
『やっぱりダメだっ。こんな格好で外に出たら危ないだろ。帯刀もしないで襲われでもしたらどーするッ』
緋那
『心配しなくても外なんか出ませんから。ていうか離れて下さい』
抱き付いてくる近藤を押し返す。
土方
『しかし本物の女みてぇだな。これ、中に何履いてンだ?』
緋那
『!!!』
ピラッとスカートを捲りあげられ、反射的に出る回し蹴り。
緋那
『あ…』
綺麗に顎に決まってしまった。
緋那
『す、すみません』
土方はグラグラする頭を抑え上半身を起こす。
土方
『見たろ、近藤さん。大丈夫だ、緋那なら』
桂に軽くあしらわれてからというもの、剣術だけでなく体術にも磨きを掛けていた。
近藤
『…わかったよ。緋那が適任だろうし、比較的簡単な任務だしな』
緋那
『任務?』
こうして今に至る―。