鎖
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緋那
(人を呼びつけておいて)
言われた通り昼前に万事屋を訪れたが、呼鈴を何度鳴らしても誰も出て来ない。
玄関の鍵は掛かっていなかったので仕方なく家の中に入っていくと、銀時はソファーでジャンプを顔に乗せ横になっていた。
緋那
『寝てンのか?』
銀時
『………………』
緋那
『起きないなら帰るけど』
銀時
『………………』
緋那
『じゃあな』
踵を返し出て行こうとするが着流しの裾をしっかりと握られていて離れられない。
緋那
(わけわかんねー)
深い溜め息を吐き、ひょいとジャンプを取り上げた。
!!!
銀時の手がペタペタと胸を触る。
銀時
『すげーな晒って。こん中にあのでけーおっぱ…』
緋那は即座にジャンプで銀時の口を塞いだ。
緋那
『馬鹿かテメェはッ。誰が聞いてるかわかんねぇのにそういうこと軽々しく口にすンなよ』
銀時はムクリと起き上がり、わなわな震える手を緋那の両肩に置く。
銀時
『お前、態度も言葉遣いもガサツ過ぎ。黙ってりゃけっこーイイ線いってンだから、せめて俺の前ではもう少し淑やかにしてくんないかな』
緋那
『…わかりました』
不愉快でも気持ちを殺して頷くしかない。
緋那
『でもお前も気をつけてくれよ』
銀時
『だーいじょーぶだって、その辺は上手くやっから。お前が従順なうちはな』
不安気に表情を曇らせる緋那とは対照的に晴れやかに笑う。
銀時
『ん、もう昼か。腹減ったし何か食い行こうぜ』
・・・
緋那
(コイツの目的は何なんだ?)
何がしたいのかさっぱりわからない。
銀時
『あー、いいよ。昨日勝ったから今日は奢ってやる』
たかるでもなく。
銀時
『お前どっか行きたい所ねぇの?』
荷物持ちにさせるでもなく。
緋那
(なんつーか、ただの暇潰し?)
銀時
『…お前さぁ』
緋那
『ん?』
銀時
『少しは楽しめよ、せっかくの休みなんだろ』
さっきからずっと仏頂面というか険しい表情をしている。
緋那
『別に楽しむ為に来たわけじゃねーから。俺のことは気にすンな』
こんな休日を過ごすくらいなら仕事をしていた方がよっぽど楽しい。
銀時
『そうだ、あそこならお前のテンションもちっとは上がンじゃねぇ?』
そう言って銀時は路地裏にひっそりと佇んでいる古ぼけた店に入って行く。
看板は出ていない。
何の店だろうと思いながら緋那も続く。
緋那
『わぁ、すげー』
そこには太刀、脇差し、短刀から包丁や鋏まで、様々な刃物が並んでいた。
緋那
『確かにこれはテンション上がるなっ?』
銀時
『そうか?俺は別にだけどな』
とは言うものの、瞳をキラキラさせながらやっと笑顔になった緋那を前に少し気持ちが高揚する。
「こんな所で会うとは珍しい。やっとその気になったのだな、銀時。どれ、俺がお前に一番合う物を見立ててやろう。やはり真の侍たる者、通販などではなく…」