転機
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・・・
総悟
『おーい、入るぞー』
掛布団を頭まですっぽり被って寝ている緋那の横に座る。
緋那
『どうした?』
総悟
『めずらしく弱ってるって聞いたから情けねェ面見に来たんでィ』
緋那
『仕事中だろ。また土方さんにどやされるぞ』
総悟
『お前の面見たらすぐ戻る』
長い静寂の後、緋那はゆっくりと布団から顔を出した。
緋那
『これで満足か?』
総悟
『いや、、、』
思っていたよりずっと顔色が悪い。
総悟
『お前、大丈夫なのか?』
緋那
『全然平気だよ』
そうは見えない。
総悟
『何かあったらすぐ呼べよ。飛んできてやるから』
緋那
『なんだよそれ。でも総悟、来てくれてありがとな』
また元気が出た。
・・・
バタバタバタバタ…
遠くから聴こえるいくつもの荒々しい足音。
段々と近付いてきている。
緋那
(何だろう、、、)
何かあったのかと思い枕元の刀に手を伸ばす。
と同時に山崎と他数名の隊士達が転がり込んで来た。
「緋那!匿ってくれ!」
山崎が人差し指を唇に当てる。
月明かりに照らされて障子に映る影。
土方
『クソッ、アイツら何処行きやがったッ』
影の主は刀と何かを手に持って徘徊する土方だった。
緋那
『今度は何やらかしたんだ』
うんざりと皆を見回す。
土方から逃げる時は大抵緋那の部屋にやってくる奴らだ。
「何もしてねーって。犬のエサ食わされそうになったから逃げてきただけだ」
緋那
『あ、そっか。土方さんが代わりに、、、。ごめん、俺のせいで』
山崎
『いやいや、緋那くんが謝る必要ないよ』
「そそ。副長の味覚音痴が全て悪い!」
「ま、緋那のありがたみが再確認できたって意味では犬のエサも無駄にならなかったな」
あははははーっと皆で笑う。
ガラッ
土方
『随分楽しそうだなオイ。俺も混ぜてくれよ』
蜘蛛の子を散らすように皆逃げて行った。
土方
『‥ったくアイツら。食べ物粗末にした罰で全員減給だな』
緋那
『毎回毎回俺の部屋で暴れないで下さいよ』
散々追いかけ回し疲れたのか、土方は腰を降ろす。
土方
『毎回毎回お前が匿うからだろ。あ、そうだこれ』
差し出したのは粥、、、のようなモノ。
土方
『土方スペシャル粥verだ』
申し訳ないが全く食欲をそそられない。
煙草に火を付ける土方に灰皿を差し出し、緋那は「いただきます」と言ってソレを食べ始めた。
土方
『何普通に食ってんだ、らしくねぇな。いつもなら、食べ物を粗末にしてるのは貴方ですよ、とか言って小言始めるとこだろ』
緋那
『今日は食べたい気分なんです』
土方
『確か、三月前にもこんな時があったよな』
緋那のメンタルは強い方じゃない。
緋那
『そうでしたか?』
本当はしっかりと覚えている。
あの日は攘夷志士共のアジトに討ち入りすることが決まった日。
緋那は屯所で待機と近藤に直々に命じられた時だ。