始まり
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リナ
『きゃあ。や、やだ』
両手首が頭上で纏められ、驚いて抵抗してみるもののピクリともしない。
アラシヤマはさも不思議そうに首を傾げた。
アラシヤマ
『何で抵抗しますのん?リナはんかてこうなる事を望んではるんやろ?』
何でそうなるのだろう。
アラシヤマ
『わてらは以心伝心どす。わての望みはあんさんの望みでもあるはずや』
話が飛躍し過ぎていてどう対応していいかわからない。
リナは瞳を潤ませ訴える。
アラシヤマ
『あぁ。なる程』
アラシヤマが唇の端だけあげて笑った。
その笑みを見てゾクリとする。
アラシヤマ
『そういうプレイがお好みとは意外でしたわ』
リナ
『何言ってるの?ねぇ、やだよ。もう離して?』
アラシヤマ
『まぁわても嫌いやないさかい、お付き合いしまひょ』
そう言うが早いかリナの首筋に熱く火照った唇を押し当てた。
リナ
『お願い、待って』
アラシヤマ
『ふふふ。何やノリノリどすなぁ。わても気合い入れてせぇへんと』
空いてる方の手でリナの顎を固定し強引に唇を奪う。
アラシヤマ
『ゔっ』
リナ
『え。あ、アラシヤマくん?』
鈍い音と共に小さな呻き声を発し、それっきりアラシヤマは動かなくなった。
重たい体の下から何とか這い出て目にしたのは、巨大な岩を証拠隠滅とばかりに外の茂みに放り投げる―
リナ
『リキッドくん?』
リキッドは一仕事終えた後のように晴れ晴れとした笑顔で振り返った。
リキッド
『さ、行こうぜ。みんな待ってる』
リナ
『うん、ありがとう。あ、アラシヤマくん起こさないと』
リキッド
『お、おう。そうだな』
そんな聖母のような微笑みを魅せられてしまっては、放っておけだなんてとてもじゃないが言えない。
アラシヤマを揺り起こすリナには悟られないように、どうか永遠の眠りに就いていてくれと強く思ったが、願い叶わずアラシヤマは目を覚ました。
アラシヤマ
『ん。わて、いつのまにか眠って、、、?って、何でリキッドがリナはんとおるんどすか!?』
頭を強打されたせいか前後の記憶がないようだ。
リナは取りあえずホッと胸を撫で下ろし、いがみ合う二人と一緒に広場へ向かう。
今回、アラシヤマの思い込みの激しさは超一流という事を身を以て知った。
が、アラシヤマと同等、もしくはそれ以上に危険な男達がこの島にはゴロゴロいる。
リナがそれを知る日は近い―――。