師弟
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マーカー
(めでたい奴だ)
隣を弾むように歩くリナをチラリと盗み見る。
警戒している素振りがまるで感じられない。
あんな宣言をした男と共にいて良く平然としていられるな、と呆れる。
それとも言葉の意味を理解していないのか。
マーカー
(いや、あの状況で言ったんだ)
“遊び” と言ったら間違いなく “淫らな遊び” だとわかる筈。
マーカー
(ハッ!まさかこの女!!!)
マーカーはくわっと細い眼を見開いた。
「ふん、マーカーにそんなことする度胸ある訳ないわ。悔しかったらヤッてみなさいよこのヘタレインポ野郎!」
言ってない。
マーカー
『‥ックックッ、ハーッハッハッハッハッ』
リナ
『マーカー様?』
突然高笑いを始めたかと思えば、今度はキッと睨んでくる。
マーカー
(二度とそんな台詞が吐けないようたっぷり辱めてやる)
アラシヤマの思い込みの激しさは師匠譲りかもしれない。
マーカー
『邪魔するぞ』
家主の許可を得ず、ツカツカと洞内に入って行く。
そう、此処はアラシヤマハウス。
昼間だというのに薄暗い。
マーカー
『いないのか、アラシヤマ』
ぽぉっと手に小さな炎を灯し、奥の方まで照らす。
マーカー
(馬鹿弟子め)
一瞬、黒い影が岩陰に隠れるのが見えた。
マーカー
『灰になりたくなければ三つ数える間に出て来い。一つ、…遅い』
観念してとぼとぼ出て来たアラシヤマを蛇の形をした火炎が襲う。
マーカー
『手間をかけさせるな』
アラシヤマ
『す、すみまへん』
家に誰か訪ねてくるなど今まで一度もなかった為、動揺してしまった。
アラシヤマ
(せやけど何で師匠とリナはんが揃って家に来るんでっしゃろ)
お客様用にと買っていた湯呑みで茶を振る舞いながら二人の顔を交互に見つめる。
普段はGがいるから余り目立たないかもしれないが、マーカーもそれなりに寡黙な方だ。
どんな会話をするか気になる。