素
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トットリ
『あ、コージ。出かけるんだらァか?』
昼食を食べ終え、すぐに席を立ったコージ。
普段なら三時のおやつまで昼寝だが今日は―。
ミヤギ
『またリナん所だべ』
トットリ
『コージはリナちゃんに会う口実があって羨ましいっちゃねぇ』
恨みがましい目つきで見やる。
ウマ子の様子を聞く為、コージはリナと頻繁に会っているのだ。
コージ
『そ、そがァ言うなや』
チクチクした口撃に圧され、近い内にリナを連れてくるからと何とか宥めて家を出た。
心戦組屯所と伊達衆宅の丁度中程、木々に囲まれた静かな場所。
高い木の枝に座って話をするのがお決まりのパターン。
コージ
『ほれ、手ぇ貸せィ』
リナ
『うん、ありがとう』
いつものようにコージが先に登り、リナを引っ張りあげた。
コージ
『ウマ子は元気か?』
リナ
『すっごく元気だよ!この前もね』
兄と名乗り出せず、堂々と会いに行けないコージにウマ子の話をする。
聞いている時のコージの表情はとても温かく、妹への愛情の深さが窺えた。
リナ
『ウマ子ちゃんは幸せだね。コージくんみたいなお兄さんがいて』
コージは一瞬キョトンとなって、それから照れ臭そうに頬を掻く。
コージ
『ほんにそう思うか?』
聞き直したのは不安だったから。
リナは笑みで応える。
それだけで十分安心できた。
二人は時間も忘れ次から次へと話をする。
日が暮れ始め、ようやく腰を上げる。
コージ
『いい眺めじゃのォ』
リナ
『いい眺め?』
慎重に木から降りながらチラリと下を見ると、先に降りたコージが上を見上げていた。
コージ
『今日は白のレースか』
リナ
『もう、コージくんのエッチ』
!!!
ズルッ
気を取られ足を踏み外す。
気味の悪い浮遊感。
その先に待つのは体を打ちつける衝撃。
ではなかった。
リナを抱えてコージは安堵の溜め息を吐く。
コージ
『余所見しちょったら危ないじゃろォ』
リナ
『ご、ごめんなさい』
元はと言えばコージが悪い気がするが、落ちた時の驚きでそんな事は忘れてしまった。