逢瀬
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高杉
『これ』
桜の漆塗りの簪。
翡翠や瑪瑙が散りばめられ、珊瑚の装飾が施されていてとても美しい。
高杉
『受け取ってくれるか』
雀は驚いて高杉を見る。
雀
『こんなに素敵な物、いいんですか?』
高杉
『あぁ。お前に似合うと思って買ったんだ』
雀
『…嬉しい』
震える小さな両手でそっと簪を受け取った。
じっと見つめた後、愛おしそうに胸元に抱く。
雀
『ありがとう。ずっと、一生大切にします』
高杉は堪えきれず、簪を持つ雀の両手を包み込むように握った。
高杉
『俺も、お前を一生―――』
「晋助様!」
高杉
『何でお前が此処にいる』
雀を背に庇う。
また子
『あー!晋助様にくっつくなっス!』
雀
『高杉さん、この方は?』
高杉
『こいつは、鬼兵隊の…』
また子
『はぁ!?私のこと忘れたんスか!?ありえねぇんスけど』
呆れた。
あんなことした相手を忘れるなんて。
お人好しとかそんなんじゃない。
ただの馬鹿だ。
また子
『あ!』
雀が持っている簪に気付いた。
また子
『なーんだ、雀も貰ったんスか』
意味あり気に含み笑いをする。
また子
『私もそれと同じ物を晋助様から貰ったっス』
雀
『そうなんだ。じゃあお揃いだね』
高杉が違うと首を振ると雀は小首を傾げた。
また子
『そうじゃなくて!そんな大事そうに抱えてるけど、まさか自分が特別だなんて勘違いしてないっスよね?』
雀
『うん。特別なのは私じゃなくて、この簪』
他に同じ物を貰った人が何人いようと、嬉しいのも大切にするのも変わらない。
高杉
(‥ったく、簪一つでコイツは)
こうも嬉しそうな顔をされるとつられてしまう。
それはそれとして早く本題に入らなければ。
また子に聞こえないように耳打ちする。
高杉
『今度、普通に出掛けてみねぇか』
雀
『え。それって―――』