想い −総悟−
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総悟
『寂しかったか?』
雀
『うん。寂しくて、怖かった。私の為にたくさんすごく嬉しいけど、お願い、もう置いてかないで』
キュン…
総悟
『本当に悪かった。もう二度とお前を独りにしねェ』
雀の顎を軽く持ち上げる。
雀
『総ちゃん?』
総悟
『チョコ、付いてる』
唇の端に付いたチョコを人差し指で拭い、その指を雀の口に軽く入れた。
雀
『ん、甘い』
総悟
『甘いの好きだろ』
ぷっくりした唇を指でなぞりながら聞く。
雀
『うん、大好き』
総悟
『そりゃよかった』
にっこりと微笑み、懐から小さな硝子のビンを取り出した。
雀
『わぁ、綺麗』
中にはキラキラしたピンク色のものが入っている。
総悟
『水飴だ』
雀は水飴が一番好きだと言っていた。
総悟
『チッ。あのオヤジ、匙入れるの忘れやがった。…まぁ、いいか』
気を取り直して蓋を開け、雀に差し出す。
総悟
『ほら』
雀は遠慮がちに人差し指に水飴を絡ませた。
雀
『いただきます』
おずおずと指を口に含む。
!!!!!!
雀
『す‥っごく美味しいっ♡』
総悟
『そうか、そんなに美味いなら俺も』
雀
『………………//』
雀がもう一口舐めようとするより先に、総悟が雀の手を取り指を舐めた。
総悟
『ん。案外美味いな』
チュッ
チュル…
雀
(くすぐったい…//)
総悟
『欲しそうな顔して、どうした?』
総悟の舐めるような視線に雀の顔がみるみる紅潮していく。
ヒュルルルル…
ドドーーーーン
雀
『あ、花火』
総悟
(もうそんな時間か)
雀といると時間が経つのが凄く早い。
総悟
『このまま、時間が止まっちまえばいいのに』
思わず素直な気持ちが零れた。
祭りの終わりを告げる花火の音が切ない。
雀
『また一緒に来ようよ。ね?』
総悟
『あぁ、約束だ』
花火を見つめる雀の横顔は可憐だが儚くも見える。
この場にいる皆の視線が夜空に咲く大輪の華に釘付けになっている間。
ただ一人、総悟だけはいつまでも雀を見つめていた。