想い −総悟−
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総悟
(どいつもこいつも振り向きやがる)
少し優越感に浸る。
まぁ振り向く女達の目には当然総悟が映っているのだが。
屈託なく笑う雀。
男達の視線が自分に向いているとは知る由もない。
雀
『みてみてっ!あれ美味しそう!』
りんごあめを見て子供のように目を輝かせている。
雀
『大きいの二つ下さい』
店主
『二つね。嬢ちゃん可愛いからこれはオマケだ』
小さなりんごあめを一つオマケしてくれた。
雀
『わぁ、お兄さんありがとう。はい、総ちゃん』
お礼を言い総悟に一つ渡すと、要らねーと言いながらも渋々食べてくれる。
雀
『ふふ、ありがとう。私の好きな物、一緒に食べてくれるの嬉しい』
総悟
『好きと言えば、雀アレ好きだろ』
射的だ。
雀
『もう一回!』
総悟
『何回やるつもりでィ』
店主
「他にもお客さん来たし、次で最後にしてもらえるかな」
店主が苦笑いで言う。
雀
『次が最後、、、』
総悟はポンポンと雀の頭を撫で、店主に金を渡した。
パンッ
・・・
二人は人気の少ない横道に入り少し休憩する。
雀
『総ちゃんカッコイイ』
興奮醒めやらぬ雀は瞳をキラッキラに輝かせ、尊敬の眼差しで総悟を見つめていた。
手には悪趣味なカエルの人形が愛おしげに抱えられている。
雀
『結局最後はいつも総ちゃんに取って貰っちゃうんだよね』
総悟
『雀、お前、、、』
雀
『ん?』
自然と思い出すまで、自分からは何も言わないでおこうと思っていた。
だけど言葉の端々にそれを匂わす雀を見ていたら言わずにはいられなくなってしまう。
雀
『―――そっか』
通りで初めての祭って感じがしてなかった訳だ。
上手く言えないけど、頭で覚えていなくても、心に、体に沁み込んでいるみたいな感覚は今までも度々あった。
雀はそれが嬉しくて頬が弛む。
しかしそれ以上に嬉しいのは総悟だ。
総悟
『ちょっと此処で待ってな』
来た方向に走って行く。
雀
『えっ。 総ちゃん?』
あっという間にその場に一人残されてしまった。