想い −高杉−
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高杉
(やっぱ言ってねぇか、、、)
雀
『何か、隠されてることがある気がして』
高杉
『不安なんだな』
ほんの少しの疎外感。
縋るように見つめてくる雀の髪を撫でる。
高杉
『安心しろ。アイツらは隠してるわけじゃない。本当に知らないだけだ』
雀
『そう‥なんですか?』
高杉
『お前たちは知り合ってそう経ってない。そうは見えねぇけどな』
毎日一緒にいるのだからそうなるのは自然だが、高杉にとっては良い事ではない。
雀
『高杉さんは、銀さんたちよりもっと前から私を?』
高杉
『ああ、そうだ』
雀
『その頃のこと、教えて貰えませんか?』
高杉
『俺が、お前に初めて逢ったのは、、、』
言ってしまいたい。
想いを全て伝えたい―。
だが、、、
雀
(高杉さん、辛そう)
高杉は今にも泣き出しそうな子供みたいな瞳で押し黙ってしまった。
言うのを躊躇っているのが見て取れる。
言いたいのに言えない、そんな表情。
雀
(私の為、かな)
簡単に壊れてしまう硝子細工を愛でるように、そっと触れてくる高杉の手に自分の手を重ねる。
雀
『私、自分のことも知りたいけど、それよりもっと、貴方のことが知りたくなりました』
高杉
『雀、、、』
雀
『高杉さんのこと、これからいっぱい教えて下さい』
悲哀を打ち消す慈愛に満ちた笑顔。
高杉
『…ああ、いいぜ。時間かけて教え込んでやる』
もう、どうしようもなく愛しい。
高杉
『ただ覚悟しておけ』
雀
『覚悟?』
先程まで見せていた弱い部分を忘れさせるような不適な笑みを浮かべる。
高杉
『身も心も、一生俺から離れられなくなるからな』
強気な言葉とは裏腹に、高杉は優しく優しく口づけをする。
何度唇を重ねたかわからない。
どの位の時間が経ったのか、気付けば雨は止んでいた。
きっと、雨宿りももう終わり。
雀
『雨、あがったね』
高杉
『寂しいか?』
雀は返答に困ってしまう。
もっと一緒に居たい気持ちもあったから。
高杉
『そんな困った顔すンな』
微笑し、最後に一度、深くキスをした。
高杉
『じゃあ、またな』
胸が締め付けられるこの痛みを雀は何度も味わった事がある。
切ない気持ちを噛み締めながら高杉の背中を見送った。
雀
(私の想いはどこに、誰にあったんだろう)