想い −高杉−
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高杉
(どうかしてる)
こんな時に雀の事を考えている。
いや、こんな時だからこそか。
高杉
『逢いてぇな、、、』
「高杉‥さん?」
高杉は半信半疑でゆっくりと振り向いた。
・・・
雀
『あ、雨。もー、予報では降らないって言ってたのに』
小走りで雨宿りできそうな場所を探す。
行く宛があるわけではないが、雀は時々一人で出歩くようになっていた。
記憶の欠片を探しに。
それから、あの人に逢えることを願って。
病室で会って以来、気になって仕方なかった。
外に出ればきっとそう遠くないうちに会える。
そう思っていた。
でも、こんな形は望んでない。
雀
『や‥だ…』
目の前に全身血だらけの高杉がいる。
雨が一層激しさを増していった。
高杉
『静かに』
今にも泣き叫び出しそうな雀の口を塞ぐ。
雀が震えながらコクコクと頷くのを見て、今度は手を引いた。
人目を避けながら足早に駆ける。
着いた場所は高杉の数ある隠れ家の中の一つ。
雀
『高杉さん、その血、、、』
震える唇で言葉を紡ぐ。
高杉
『これは、俺の血じゃない。俺の血は一滴だってついちゃいねぇ』
お前は俺を嫌いになるだろうか。
雀
『そ‥か。よかった…』
ハンカチを取り出し、血と雨に濡れた高杉の顔を拭う。
高杉
『わかってンのか?俺の血じゃねぇってことはこの血は…』
雀
『誰のだっていい』
酷い奴って、冷たい女だって思われてもいい。
雀
『貴方に怪我がないってわかって、ほっとした』
これが今の率直な気持ち、そう言って雀は微笑んだ。
高杉
『変わらねぇな』
雀
『え?』
高杉
『前にも、同じことを言われた』
懐かしむように目を閉じ、ハンカチを持つ雀の手を握る。
雀
『そうなんですね。ごめんなさい、まだ思い出せてなくて』
高杉
『いや、事故に合うずっと前の話だから。お前も覚えていたかどうか』
雀
『聞かせてくれませんか?その時の話』
高杉は暫く考えた後、ゆっくりと目を開けた。
高杉
『その前に、お前は銀時たちからどこまで聞いている?』
座るように促し、二人で身を寄せ合う。
雀
『銀さんからは―――』