想い −銀時−
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銀時は雀に目を瞑らせ、手を引きながらとある場所に連れて来た。
銀時
『目、開けていいぞ』
雀
『うん』
そっと瞼を開く。
雀
(………………)
長い沈黙。
雀は静かに涙を流していた。
止めどなく溢れてくる。
理由はわからない。
でも。
これは温かい涙。
雀
『銀さん、此処は?』
銀時
『二人の秘密の場所だ』
・・・
迷った時、不安な時、その度に来ていたこの場所。
江戸中が見渡せる場所。
数多くの護りたい物が見える。
護ってみせる。
決意を新たにすることができるこの場所。
此処は、俺だけの秘密の場所だった。
今は二人の、秘密の場所。
前にも雀を連れて此処に来た。
長い間、檻とも言える部屋に閉じ込められていた雀にこの景色を見せたくて。
今は此処から見える所になんか簡単に行ける。
雀が望むなら、もっと遠く、もっと広い世界にだって行ける。
でも、離したくない。
身勝手な想いが、雀を無理に引き留めているのではないかと不安になった。
以前はそれを確かめる為に此処に連れて来た。
・・・
銀時
『お前さ、俺とお前はどういう関係なのか聞いたよな』
雀を真正面から見つめる。
雀
『うん。すごく良くしてくれるし、その、もしかしてって思って、、、』
銀時
『何つーか、その質問に俺が答えるのは難しい』
雀は涙を払いながら、どういうことだろうと首を傾げた。
銀時
『これからのお前の気持ち次第ってこと』
ふっと笑い、雀を抱き竦める。
銀時
『お前は俺の大事な女だ。記憶が失くたって変わらねぇから。だからあんま思い詰めンな』
雀
『うん、、、』
再び溢れてくる涙。
銀時
『記憶取り戻すのも大事かもしンねぇけど。同時にでもいいからさ、新しく思い出作ろうぜ』
雀
『うん、うんっ、、、』
皆が見てるのは過去の自分で、今の自分じゃダメなんだと、だから早く思い出さなければと、必死だった。
でも、このままでも大丈夫だって。
凄く、嬉しかった。