記憶喪失
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・・・
銀時は毎日雀の元へ通い、色んな話をした。
新八、神楽と万事屋で働いていること。
真選組、桂や高杉のこと。
今まで熟してきた仕事や巻き込まれた事件のこと。
銀時
『アイツら早く雀に会わせろってうるせーのなんの』
うるさいから病院には来るなと言ってある。
だから退院までは雀を独占できる。
銀時
(俺と雀は恋人設定で―――)
なんとか都合の良いように記憶を刷り込みたいが、良心の呵責からなかなか実行できずにいた。
そして退院―。
銀時
『じゃ、行くか』
雀
『は、はい』
玄関の前で緊張気味の雀。
雀
『お、お邪魔します』
銀時
『ただいま、だろ?』
雀
『ただいま、、、。うん、ただいま!』
ただいま。
口に出すと、胸にじんわり温かい物が込み上げてきた。
神楽
『雀!お帰りーっ!』
雀
『わあっ!?』
抱きつかれ、尻餅をついてしまう。
神楽
『バカバカッ、心配かけてっ』
新八
『お帰りなさい、雀ちゃん』
雀
『神楽ちゃん、新八くん、ただいま。二人とも、心配かけてごめんなさい』
皆に温かく迎えられ緊張が解けたのか、その日雀は横になるとすぐに眠ってしまった。
新八
『銀さん、雀ちゃんの記憶って、戻った方がいいんですかね』
銀時
『ん?』
新八
『僕たちと一緒に過ごしてきた時間を忘れちゃったのは寂しいですけど、でも、辛い記憶が忘れられたのは雀ちゃんにとって良いことなのかもって』
失くしたままの方が良い記憶。
その辺りは皆で意見が分かれている所だった。
銀時
『ま、俺らがどう思おうが記憶が戻る時は戻るし、戻らねぇ時は戻らねぇし。考えたって仕方ねーよ』
新八
『そうですけど、、、』
銀時
『大丈夫だよ。アイツは俺らが思ってるよりずっと強ぇから。心配すんな』
出逢った時の強い光を宿した瞳。
きっと何か、大事なモノがあった筈。
銀時
(俺はどうしたいンだろうな)
取り戻してやりたい。
けど、取り戻して欲しくないような。