猫
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雀で一通り遊び終えると、総悟は雀の顔を両手で掴み、瞳の奥ををじーっと覗く。
総悟
『暗示をかけられてますねェ』
銀時
『暗示?』
総悟
『催眠術みてぇなモンです』
銀時
『催眠術って、、、』
一体誰が、何の為に?
神楽
『変なウイルスとかじゃなかったネ。よかったアル』
新八
『沖田さん、すぐ解いてあげて下さい』
総悟
『できることならそうしてやりてェが、どうやらこれはかけた本人にしか解けないようでさァ』
銀時
『おいおい、ヤバいじゃねぇか。そいつが見つかんねーと雀はこのまま… って、あれ?』
雀が見当たらない。
銀時
『おい、雀は?』
神楽
『さっきまでここに…』
新八
『あ』
雀はベランダの手すりの上を器用に歩いていた。
土方
『馬鹿ッ、危ねぇ、こっち来い!』
雀
『にゃっ!?』
驚いてバランスを崩し落ちてしまう。
『『『『 あーーーーっ 』』』』
新八は急いで下を覗いた。
新八
『よかっ‥た…。あ、ああぁぁーッ』
銀時
『どうした!?』
新八
『逃げました』
銀時
『馬ッ鹿野郎!追いかけろ!』
神楽は逸早く窓から飛び出し、屋根から屋根へと走り飛んで行く。
神楽
『雀、心配したヨ。急にいなくなったらだめアル』
雀はさっきの公園に戻っていた。
銀時が紐の付いた首輪を雀に付ける。
銀時
『とりあえずこれで逃げる心配はねぇな。そういうプレイにも見えるし大丈夫だろ』
新八
『銀さーん、神楽ちゃーん』
遅れてやってくる新八。
その後ろには桂が。
新八
『桂さんがティラミスちゃんと一緒に』
首輪を雀からティラミスに付け替え預かる。
銀時
『何でお前が猫と?』
桂はベンチに座り、持っていたスーパーの袋からにぼしを取り出した。
雀はその膝の上に乗って桂の手から煮干しを貰い嬉しそうに食べる。
桂
『昼間の事だ。俺は世直しの途中、この公園に立ち寄りここで煮干しを食べていた―――』
すると匂いに釣られたのかどこからかティラミスが現れた。
煮干しを分けてやると美味そうに食べ、そのうち膝の上で眠ってしまった。
この後どうしようかと思っていた時に今度は雀がやって来た。
雀
『こんにちは、隣いいですか?』
桂
『ああ。雀も散歩か?』
雀
『私はその猫ちゃんを探してたんです』
桂
『そうか。連れて帰るか?』
雀
『うん。でも猫ちゃん眠ってるから』
愛おしそうに猫を見つめる。
雀
『起こすのは可哀想だから少し待ってようかな』
桂
『うむ、それがいい』
雀
『本当に気持ち良さそう。私も猫になってひなたぼっこしたいな』
桂
『ならば良い方法がある』
雀
『え?』
桂
『―――と、まぁこういう訳だ』
銀時
『‥っとにお前は余計な事ばっかしやがって』
新八
『まぁまぁ、これで雀ちゃんも元に戻るしティラミスちゃんも見つかったし、良かったじゃないですか』
桂が何やら唱え、指をパチンと鳴らす。
雀
『…え。ええ!?ご、ごめんなさい、何で私…きゃあっ』
ドタッ
気付くと桂の膝の上に居たので動転し、後ろに転んでしまった。
銀時
『ほら、手ぇ貸せ』
雀
『ありがとうございます。ってあれ、みんないつの間に?』
この日雀は、素人の催眠術にも簡単にかかってしまうほど単純、ということが周知された。