嫉妬
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「全然濡れてこねーな」
「突っこんじまえば嫌でも濡れんだろ」
雀
『やめてッ、離して、嫌ーッ』
「静かにしろっ」
黙られようと、雀の前髪を引っ張り顔を上げさせ殴ろうとした時。
「その薄汚ねぇ手を今すぐ離せ」
皆の視線が一カ所に集まる。
高杉
『離せと言ってンだ。斬り落とされてぇか?』
瞬きをする間に、そこにいる男達が全員地に伏せた。
それでも刀を納めようとしない姿を見て雀は掠れた声で制止する。
高杉は仕方無く刀を鞘に納めた。
高杉
『雀、、、』
着物を肩にかけてやり、体が痛まないようにそっと抱きしめる。
激しく抵抗したのだろう。
唇の端に、真っ白な肌に、痣や血が滲んでいる。
痛々しい体は尋常じゃないほど震えていた。
髪は乱れ、顔は涙と汗でグシャグシャだ。
それでも堪らなく愛おしい。
雀
『高杉さん、ありがとう。でも、どうして此処に?あの手紙は、嘘だったのでは?』
高杉の体温に触れ、雀は少しずつ落ち着きを取り戻す。
それを感じ取り、高杉は低い声で言った。
高杉
『出て来い。俺が気づいてないとでも思ってンのか?』
雀
『え?』
恐る恐る、物陰から女性が出て来る。
高杉
『一体どういうつもりだ?』
また子
『その女が、晋助様に近付くのが許せなくて。ちょっと痛い目を見せてやろうって思っただけだったっス。でも、散々イジメても、心折れなくて。悔しくて、エスカレートしていって、、、』
ここ最近の嫌がらせはまた子がけしかけた事だった。
高杉
『雀、辛い思いさせて悪かった』
身内がしでかした事に早々に気付いてやれなかった自分を悔いる。
高杉
『また子、唆した奴等の後始末を今直ぐつけて来い。それから、相応の覚悟をしておくんだな』
雀
『た、高杉さん』
恐ろしく殺気立った眼でまた子を見る高杉の着物の袖を強く握り、瞳で強く訴えた。
高杉
『…ハァ。わかった。雀に感謝しろよ』
また子
(ベーッ)
高杉に見えないように、雀にあっかんべーをしてまた子は去って行く。
高杉
『立てるか?』
本当はこのまま抱いてしまいたい。
雀
『はい、大丈夫です』
本当はこのまま抱かれてしまいたい。
高杉
『送る』
雀
『ありがとうございます』
どちらからともなく繋がれる手。
帰り道、二人は終始無言だった。
口を開いたら求めてしまいそうで、それを飲み込む為に黙っていた。
もう、万事屋が見える。
銀時
(お、やっと帰ってきたか)
窓から雀の姿を見つけ、銀時は喜び勇んで飛び出した。
銀時
(あ?隣にいるのって、、、)
何故高杉と一緒に?
高杉は銀時に気付いたからか、雀に何やら耳打ちしたと思ったら直ぐ様姿を消した。
銀時
『雀ー』
玄関の前で大きく手を振ると、すぐ様雀も同じように振り返してくる。
雀
『銀さん!おかえりなさい!』
銀時
『ああ、ただいま』
早くこの笑顔が見たかっ…
銀時
『その傷、どうした?』
雀の顔が曇る。
銀時
『まさか高杉に―――』
雀
『ち、違うよっ。実は、、、』
運悪くガラの悪い輩に絡まれてしまった所を、運良く高杉に助けて貰ったと言葉少なに説明した。