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ててご夢

*固定夢主であるサバイバー視点
*自荘園の設定満載
*サバイバー達の性格も自荘園のもの





奇妙な縁に導かれ訪れた「荘園」で、「女学生」の自分に出来ることはあまりにも少ない。
「荘園」のゲーム中、仲間の能力を限られた時間だけでも上げれるというのは有難いようだが、私が上げれるのは「行動を共にしている時のみ」であり、基本的にゲーム中仲間の誰かと会うことすら少ないのだ。
実際、これまでも救助場面くらいのものであり、救助して頂く側が圧倒的に私であることから、中々お役に立ててはいない。
その上治療を受ける時間も人一倍かかってしまう癖に、自身の能力が上昇するのは最後の1人になった場合のみ。
ーちなみに、最後の1人になったことは未だかつてないわけで。

それでも「荘園」の仲間は優しい方々ばかりで、私が来てくれて助かっている、と笑ってくれるのだ。
何度足を引っ張ってしまっても、必ず救助に来てくれ、根気強く治療までしてくれ、一緒に脱出しようと励まして下さるのだ。

申し訳ない。
不甲斐ない。
お役に立ちたい。
そう思って、何日経っただろう。
今だに私は変われてはいない。

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「失礼致します、よろしくお願いします」

深く息を吸って、「荘園」の一室へ入る。
どういう訳か、ゲーム毎に選ばれた4人の元に手紙が届き、この部屋に選ばれた4人が揃うとゲームが開始され、色々な場所に飛ばされる。

「あ、ユイ!宜しくね」
「おー!宜しくな〜!」

今日の仲間は賑やかな面々らしい。
トレイシーちゃんとウィリアムくんが、眩しい程の笑顔で挨拶を返してくれる。
2人とも中々泥にまみれていて、2戦目だろうと察したと同時に、無言で会釈するもう1人に気づいてしまった。

(嗚呼ー何故今日も一緒なんだろう!)

もう1人の仲間ーイソップさんはすぐに視線を自身の化粧箱へと戻す。
彼とは昨日も、一昨日も、ゲームを共にしたはず。
「荘園」に来て長いラックくんやエミリー先生から、3日連続特定の相手とゲームを共にすることはない、と聞いていたのに。

(今日こそ、足を引っ張ってしまわないようにしないと。特に、彼のー)

もう一度、深く息を吸って、吐く。
大丈夫、大丈夫。
トレイシーちゃんの隣の椅子に座り、場所が変わるのを待つ。
マーサちゃんに申し訳ない程チェイス練習に付き合って貰ったし、ナワーブくんに救助について色々と教えて貰った。
大丈夫、大丈夫。
足元がぐんにゃりと歪む感触。トレイシーちゃんとウィリアムくんの会話が段々遠ざかる。次に目を開けた時には、どこかの見慣れた場所に立っているんだろうー。

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「ー先程振りですね」

この「荘園」で私だけが良く聞いている、心地の良い低い声がして、目眩がした。
またやったのだ、私は。
目を開けば、やはり自分は今日も納棺されていて、目の前には既に視線を外したイソップさんがいる。

「今日も、お手数お掛けしてしまいすみませんー……」

誰の役にも立っていない中で、特に迷惑を掛けてしまっている相手とは、彼でしかないだろう。
納棺させてしまった数が圧倒的に1番多いこと、比例して彼の声を聞く機会が圧倒的に1番多いことを聞いてから、気をつけているのに。

「ありがとうございます、イソップさん」
「………………いえ」

お礼と共に下げた頭を上げる時には、やはりもう立ち去った後。
私ももう吊られてしまわないようにと気を引き締め、移動する。

体が軽い。どうやら、治療までしてくれたらしい。納棺と合わせてどれだけの迷惑をかけてしまったことか。ー嗚呼、目眩が酷くなる。

暗号機は残り1台だとアナウンスを聞いたと同時に、ばくばくと心臓と鳴った。
先程聞いたばかりの鼻歌が近づいてくる。
折角吊られた場所から遠い位置に納棺して頂いたのに、また私は失敗したらしい。

(嗚呼……強くなりたいなぁ……)
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