二.渇きを満たすもの
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太陽は残酷だ。焼き尽くされて跡形もなくなった寺子屋に、再び朝を迎えさせた。
薄暗い視界の中で緋真は子供たちの墓を作ってやり、一人ずつ綺麗に花を添え、そっと手を合わせて長い間その墓を見続けた。
神威は手を出すことは無かったが、その少し後ろで彼女の背中を口を挟むことも無く見守っていた。
そして日が完全に上り、朝日が二人を照らし始めた頃。
神威は陽射しを避けるように傘をさした。
緋真はその音を聞いてパチリと目を開き、スっと立ち上がっては踵を返して神威の方を見た。
「ごめん、お待たせ。もうこれでここにいる理由はなくなったから、何処へでもついて行くよ。」
「そうだなぁ。まずは一緒に近くまで来ていた部下を探すところから始めるかなぁ。さっきまで忘れてたけど。」
「驚いた。部下なんていたんだ。神威の下につくなんて結構大変そうなのに、物好きがいるんだね。」
「緋真もその物好きに入るんだよ。人のこと言えないでしょ。」
「ははっ!それもそうか。じゃあその部下を探しに行こう。」
「でもその前に、その服なんとかしなよ。血なまぐさいんだけど。」
「そうだった、忘れてた!なんか意識するとすんごい気持ち悪い。吐きそう。」
「俺の前で吐かないでよ?…もう、何やってんだ。とりあえず街におりて服を調達しに行くよ。」
「……え。この格好で?」
「俺が買いにいくから。その臭いので隣歩かれるのは嫌だしね。」
「酷いッ!そこまで言うことないのに!!…まぁいいか。よし、それでいこう。」
「とりあえずこれ貸してやるから、羽織だけ脱ぎなよ。」
「えぇっ?!私これ脱いだらサラシしかのこらないんですけど!露出狂じゃん!ヤダァ」
「臭いから無理。早く今すぐそれ脱いで。」
「ちょ、ちょっと神威~~ッッ!」
嫌がって自分の体を抱え込むようにする緋真に対し、神威は必死にその服を脱がそうと引っ張る。
当然神威の強い力に勝つことも無く、緋真は服を脱がせられ、神威羽織っていたマントを被せられた。
ひとまず下は短い下着用のパンツを履いていただけ良かったが、これでは羞恥もいいとこだ。
「何この、裸エプロンみたいな仕打ち……」
「ほんと、裸マントだ。お望みなら、エプロン買ってきてやるよ?」
「やだよッッ!神威のどS!」
「それは褒め言葉だよ。さ、行こうか。」
緋真はマントの裾をギュット握り、全身に覆って先を歩いていく神威の後を追いかけたのだった。
薄暗い視界の中で緋真は子供たちの墓を作ってやり、一人ずつ綺麗に花を添え、そっと手を合わせて長い間その墓を見続けた。
神威は手を出すことは無かったが、その少し後ろで彼女の背中を口を挟むことも無く見守っていた。
そして日が完全に上り、朝日が二人を照らし始めた頃。
神威は陽射しを避けるように傘をさした。
緋真はその音を聞いてパチリと目を開き、スっと立ち上がっては踵を返して神威の方を見た。
「ごめん、お待たせ。もうこれでここにいる理由はなくなったから、何処へでもついて行くよ。」
「そうだなぁ。まずは一緒に近くまで来ていた部下を探すところから始めるかなぁ。さっきまで忘れてたけど。」
「驚いた。部下なんていたんだ。神威の下につくなんて結構大変そうなのに、物好きがいるんだね。」
「緋真もその物好きに入るんだよ。人のこと言えないでしょ。」
「ははっ!それもそうか。じゃあその部下を探しに行こう。」
「でもその前に、その服なんとかしなよ。血なまぐさいんだけど。」
「そうだった、忘れてた!なんか意識するとすんごい気持ち悪い。吐きそう。」
「俺の前で吐かないでよ?…もう、何やってんだ。とりあえず街におりて服を調達しに行くよ。」
「……え。この格好で?」
「俺が買いにいくから。その臭いので隣歩かれるのは嫌だしね。」
「酷いッ!そこまで言うことないのに!!…まぁいいか。よし、それでいこう。」
「とりあえずこれ貸してやるから、羽織だけ脱ぎなよ。」
「えぇっ?!私これ脱いだらサラシしかのこらないんですけど!露出狂じゃん!ヤダァ」
「臭いから無理。早く今すぐそれ脱いで。」
「ちょ、ちょっと神威~~ッッ!」
嫌がって自分の体を抱え込むようにする緋真に対し、神威は必死にその服を脱がそうと引っ張る。
当然神威の強い力に勝つことも無く、緋真は服を脱がせられ、神威羽織っていたマントを被せられた。
ひとまず下は短い下着用のパンツを履いていただけ良かったが、これでは羞恥もいいとこだ。
「何この、裸エプロンみたいな仕打ち……」
「ほんと、裸マントだ。お望みなら、エプロン買ってきてやるよ?」
「やだよッッ!神威のどS!」
「それは褒め言葉だよ。さ、行こうか。」
緋真はマントの裾をギュット握り、全身に覆って先を歩いていく神威の後を追いかけたのだった。