三.共に生きる覚悟
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
両手に刀を持って神威と鍛冶屋に戻ると、神楽に抱きつかれるわ新八に怒られるわ、阿伏兎に責められるわで散々な目にあった。
銀時は緋真の小さな頭を撫でては、優しい声で「あんま心配かけさせんじゃねぇよ。」と兄のように呟いた。
重傷を負っていた鉄子という鍛冶屋の主も帰ってくる少し前に意識を取り戻し、刀を取り戻したことに酷く喜んでは、何度も頭を下げた。
「本当に、なんとお礼を言ったらいいのか…私に出来ることがあったら、なんでも言ってくれ。できる限りの事はさせてもらうつもりだ。」
義理堅い鉄子は、真っ直ぐ緋真を見てそう言う。
緋真はその目を見て、穏やかな笑みを浮かべた。
「そんな風に思わなくていい。ただ私は、魂を込めて打った刀を、その刀を造り上げた刀工の意思を無視して殺生を図っていた連中が許せなかっただけ。それと、人を守りたいと願って込めた刀をこの小さな体で守ろうとしたあんたに心動かされただけだ。」
「ど、どうしてそれを……?」
「刀を見れば分かるよ。今まで何人もの人を斬ってきただけあって、色んな刀を手にしてきたから何となく分かるの。刀工がどんな気持ちを込めて造り上げたのか、とかね。」
「緋真は俺とは違って、昔から刀に拘る奴だったからなァ。」
彼女達の会話を聞いていた銀時が口を挟むと、神威はへぇ、と声を漏らした。
「どれも同じじゃないんだ。侍って奥が深いね。」
「大半の奴はそう言うさ。気にしてる奴がいたとしても、そいつァだいたい斬れ味くれぇだろうけどな。」
「…あんた、刀を打って欲しくて私のとこにきたんだろ?だったら私があんたの刀造るよ。……いや、造らせてほしい。」
緋真は鉄子のその言葉を聞いて、一瞬驚いたがとても嬉しそうな表情を浮かべて、小さく笑った。
「本当?じゃあ、お願いしようかな。私の刀…結構難しい注文だけどいい?」
「…あぁ。どんなだって打ってやるさ。あんたの欲しい刀なら。」
「そう、じゃあその怪我が治った後にでもまた注文しに来るよ。」
緋真はそう言って、静かに立ち上がり壁にもたれかかっている神威と阿伏兎に目をやった。
「そろそろ帰ろうか、神威。阿伏兎。」
「もういいのかい?」
「私の刀は急ぎじゃないし、しばらくは木刀があるし大丈夫だよ。それに…長い時間をかけて手に入れた物の方がずっと感動と喜びを味わえるでしょう?」
「…違ぇねぇ。」
「じゃあ私たちは一足先に帰りますね。銀兄、新八くん、神楽ちゃん。またね。」
彼女はそう言って、神威達と太陽が登り始める前に早々と姿を消していった。
銀時達はそんな彼女の背中を見送っては、小さくため息をはいて腰を下ろした。
「はぁーっ。全くいつまで経ってもハラハラさせる奴だぜあいつァ。」
「結局神威と一緒に行っちゃったアル…緋真姉ちゃん、そんなに神威の事がいいアルか。」
「あの宇宙一凶悪な神威が、なぜかちゃんと緋真さんの言う事聞いてる感じもしますし、一体どうなっちゃってるんでしょうね、彼らの関係値は。」
緋真がいなくなって寂しくなる神楽と、小言を漏らす新八の言葉を耳にした銀時は、小さく笑って阿伏兎が話していた事を思い出し、独り言のように言葉を吐いた。
「……アイツら意外とお互いを必要としてんのかもしんねぇな。俺達には理解できねぇ、互いの傷を癒せる強い絆がよ。」
窓の外を見つめると、キラキラと輝く金色の光と夜明けの空が同時に視界に入り、緋真の瞳の色と重なった気がした。
銀時は緋真の小さな頭を撫でては、優しい声で「あんま心配かけさせんじゃねぇよ。」と兄のように呟いた。
重傷を負っていた鉄子という鍛冶屋の主も帰ってくる少し前に意識を取り戻し、刀を取り戻したことに酷く喜んでは、何度も頭を下げた。
「本当に、なんとお礼を言ったらいいのか…私に出来ることがあったら、なんでも言ってくれ。できる限りの事はさせてもらうつもりだ。」
義理堅い鉄子は、真っ直ぐ緋真を見てそう言う。
緋真はその目を見て、穏やかな笑みを浮かべた。
「そんな風に思わなくていい。ただ私は、魂を込めて打った刀を、その刀を造り上げた刀工の意思を無視して殺生を図っていた連中が許せなかっただけ。それと、人を守りたいと願って込めた刀をこの小さな体で守ろうとしたあんたに心動かされただけだ。」
「ど、どうしてそれを……?」
「刀を見れば分かるよ。今まで何人もの人を斬ってきただけあって、色んな刀を手にしてきたから何となく分かるの。刀工がどんな気持ちを込めて造り上げたのか、とかね。」
「緋真は俺とは違って、昔から刀に拘る奴だったからなァ。」
彼女達の会話を聞いていた銀時が口を挟むと、神威はへぇ、と声を漏らした。
「どれも同じじゃないんだ。侍って奥が深いね。」
「大半の奴はそう言うさ。気にしてる奴がいたとしても、そいつァだいたい斬れ味くれぇだろうけどな。」
「…あんた、刀を打って欲しくて私のとこにきたんだろ?だったら私があんたの刀造るよ。……いや、造らせてほしい。」
緋真は鉄子のその言葉を聞いて、一瞬驚いたがとても嬉しそうな表情を浮かべて、小さく笑った。
「本当?じゃあ、お願いしようかな。私の刀…結構難しい注文だけどいい?」
「…あぁ。どんなだって打ってやるさ。あんたの欲しい刀なら。」
「そう、じゃあその怪我が治った後にでもまた注文しに来るよ。」
緋真はそう言って、静かに立ち上がり壁にもたれかかっている神威と阿伏兎に目をやった。
「そろそろ帰ろうか、神威。阿伏兎。」
「もういいのかい?」
「私の刀は急ぎじゃないし、しばらくは木刀があるし大丈夫だよ。それに…長い時間をかけて手に入れた物の方がずっと感動と喜びを味わえるでしょう?」
「…違ぇねぇ。」
「じゃあ私たちは一足先に帰りますね。銀兄、新八くん、神楽ちゃん。またね。」
彼女はそう言って、神威達と太陽が登り始める前に早々と姿を消していった。
銀時達はそんな彼女の背中を見送っては、小さくため息をはいて腰を下ろした。
「はぁーっ。全くいつまで経ってもハラハラさせる奴だぜあいつァ。」
「結局神威と一緒に行っちゃったアル…緋真姉ちゃん、そんなに神威の事がいいアルか。」
「あの宇宙一凶悪な神威が、なぜかちゃんと緋真さんの言う事聞いてる感じもしますし、一体どうなっちゃってるんでしょうね、彼らの関係値は。」
緋真がいなくなって寂しくなる神楽と、小言を漏らす新八の言葉を耳にした銀時は、小さく笑って阿伏兎が話していた事を思い出し、独り言のように言葉を吐いた。
「……アイツら意外とお互いを必要としてんのかもしんねぇな。俺達には理解できねぇ、互いの傷を癒せる強い絆がよ。」
窓の外を見つめると、キラキラと輝く金色の光と夜明けの空が同時に視界に入り、緋真の瞳の色と重なった気がした。