三.共に生きる覚悟
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攘夷志士たちも当然現れたオレンジ色の丸腰の男を見ては、その足を止めた。
真選組たちもようやくその場にたどり着いたはいいが、驚くべき光景を目の当たりにして、開いた口が塞がらなかった。
そして緋真自身も、当てがってしまった木刀を少しずつ横へずらしては、神威の笑顔を目の当たりにし、さっと血の気が引いていった。
「…あははっ、痛いじゃないか。」
「ごっ、ごめんってば!だって殺意放ってるから攘夷志士の連中かと思って、顔まで見てなくて……」
「ふぅん。ご主人様に楯突くなんて、まだまだ躾が足りないようだね。」
「い、いや!だから事故だって!っていうかいつ神威が私のご主人様になったのよ!」
「あり、違うの?俺が拾ったんだから俺がご主人様でしょ?」
「人を捨てられた動物みたいに扱わないでくれる?!」
敵に囲まれた戦場のど真ん中で言い合いを始める二人を前にし、沖田と土方は呆れて目を細める。
「なにやってんでぃ、アイツらは。」
「……あれが噂の女か?なんかお前が話すような強いヤツにゃ見えねぇんだけど。」
そんな会話をしている二人を余所に、緋真と神威のやりとりはエスカレートしていった。
「まぁでも、俺を仲間だと認識してないってことはよぉく分かったよ、緋真。船に戻った時が楽しみだなぁ」
「いやいやいや、待ってよ!じゃあその仲間に殺意向けてくる方が間違ってない?!だいたい何の殺意よ!私が何かした?!」
「俺を置いて一人で楽しそうな事してるからだろ?探すのに随分苦労したんだ。落とし前つけてくれるよね?」
「…お、落とし前って何を……ッッ!」
緋真の傍へと含みのある笑みを浮かべ、至近距離まで顔を詰める。
不可抗力とはいえど木刀で殴ってしまった建前、あまり神威に強くは出れない緋真は、その恐ろしい笑みに恐怖心を覚え、無意識に一本足を後ろへとやる。
「何焦ってんの?俺から逃げたら、殺しちゃうぞ。」
「ちょっ……!今はそれどころじゃ……!」
緋真がそう言いかけると、両サイドから弓矢が放たれた音を耳にし、素早く木刀を振り上げた。
神威も同じように反応しては、手刀でそれを何本も折っていく。
「チッ!外れやがったか!」
「畜生、なんて反応がはえぇんだッッ!」
隙あらばと攘夷志士達が二人に襲撃をかけると、まんまとそれも失敗に終わり、再び睨み合い始める。
「…俺の邪魔するなよ。殺すよ?」
「ひぃッッ…!な、なんなんだよあの男はッッ!」
「よくわかんねぇけど、両方やっちまえッッ!」
一人一人が声を荒げて、神威と緋真に向かって走り出す。
沖田と土方は助けに入ろうとしたが、足を一歩踏み出したところでそれは終わった。
前方で闘う二人の姿を見て、下手に手を出せば自分たちが巻き添いを食らうと思ったからだ。
もとより神威の強さは過去に見てきて知っているが、その男の闘いに遅れを取らない緋真は
木刀一本で顔色ひとつ変えず何人もの相手を薙ぎ倒し、息一つ乱れていない。
真選組はひとまず、攘夷志士の連中が全員やられるのを待つべく、姿勢を楽にしてその闘いを見守ったのだった。
真選組たちもようやくその場にたどり着いたはいいが、驚くべき光景を目の当たりにして、開いた口が塞がらなかった。
そして緋真自身も、当てがってしまった木刀を少しずつ横へずらしては、神威の笑顔を目の当たりにし、さっと血の気が引いていった。
「…あははっ、痛いじゃないか。」
「ごっ、ごめんってば!だって殺意放ってるから攘夷志士の連中かと思って、顔まで見てなくて……」
「ふぅん。ご主人様に楯突くなんて、まだまだ躾が足りないようだね。」
「い、いや!だから事故だって!っていうかいつ神威が私のご主人様になったのよ!」
「あり、違うの?俺が拾ったんだから俺がご主人様でしょ?」
「人を捨てられた動物みたいに扱わないでくれる?!」
敵に囲まれた戦場のど真ん中で言い合いを始める二人を前にし、沖田と土方は呆れて目を細める。
「なにやってんでぃ、アイツらは。」
「……あれが噂の女か?なんかお前が話すような強いヤツにゃ見えねぇんだけど。」
そんな会話をしている二人を余所に、緋真と神威のやりとりはエスカレートしていった。
「まぁでも、俺を仲間だと認識してないってことはよぉく分かったよ、緋真。船に戻った時が楽しみだなぁ」
「いやいやいや、待ってよ!じゃあその仲間に殺意向けてくる方が間違ってない?!だいたい何の殺意よ!私が何かした?!」
「俺を置いて一人で楽しそうな事してるからだろ?探すのに随分苦労したんだ。落とし前つけてくれるよね?」
「…お、落とし前って何を……ッッ!」
緋真の傍へと含みのある笑みを浮かべ、至近距離まで顔を詰める。
不可抗力とはいえど木刀で殴ってしまった建前、あまり神威に強くは出れない緋真は、その恐ろしい笑みに恐怖心を覚え、無意識に一本足を後ろへとやる。
「何焦ってんの?俺から逃げたら、殺しちゃうぞ。」
「ちょっ……!今はそれどころじゃ……!」
緋真がそう言いかけると、両サイドから弓矢が放たれた音を耳にし、素早く木刀を振り上げた。
神威も同じように反応しては、手刀でそれを何本も折っていく。
「チッ!外れやがったか!」
「畜生、なんて反応がはえぇんだッッ!」
隙あらばと攘夷志士達が二人に襲撃をかけると、まんまとそれも失敗に終わり、再び睨み合い始める。
「…俺の邪魔するなよ。殺すよ?」
「ひぃッッ…!な、なんなんだよあの男はッッ!」
「よくわかんねぇけど、両方やっちまえッッ!」
一人一人が声を荒げて、神威と緋真に向かって走り出す。
沖田と土方は助けに入ろうとしたが、足を一歩踏み出したところでそれは終わった。
前方で闘う二人の姿を見て、下手に手を出せば自分たちが巻き添いを食らうと思ったからだ。
もとより神威の強さは過去に見てきて知っているが、その男の闘いに遅れを取らない緋真は
木刀一本で顔色ひとつ変えず何人もの相手を薙ぎ倒し、息一つ乱れていない。
真選組はひとまず、攘夷志士の連中が全員やられるのを待つべく、姿勢を楽にしてその闘いを見守ったのだった。