二.渇きを満たすもの
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※※※
仕事を終えた万事屋一行は、帰りに団子を食べに行こうと商店街に寄り道をした。
だがなぜか団子屋に向かう途中の大通りに、ゾロゾロと人盛りができており、何やら騒ぎが起きているようだった。
銀時たちは互いに顔を見合わせて首をかしげ、何事かと興味本位で近づいてみると、そこには額から血を流した真選組の沖田の姿と、向かいには彼と同じように額から血を流したオレンジ頭の男、神威の姿をその目で捉えた。
「かっ、神威?!」
「なっ、何やってんだよアイツら!この人の多い町中で!」
「よりによってなんであの二人がこんな町の中心で争ってるんですか!このままじゃ決着つく前に、先に町が崩壊するんですけど!」
銀時達はそう声を漏らすが、辺りの光景を見ては顔が青ざめていった。既に闘いに巻き込まれて破壊された建物が目につき、いざ間に入って行けば紛れもなくとばっちりがくるのは目に見えている。
どうしたものかと考えれば、血走った目で互いに睨み合っている二人が口を開いたのだった。
「おいテメェ、そろそろ諦めてさっさと真選組に捕まんなァ。なぁに、一人で寂しいってんなら、あの女も一緒に連れてってやんぜぃ。」
「やだなぁ。俺は今回捕まるような事何もしてないんだけど?そもそも以前にこの地球救う手助けしてあげたじゃん。」
「うるせぇよ。テメェだけはこの手で殺さねぇと気がすまねぇ。」
「物騒なお巡りさんだ。ま、あんたには無理だよ。俺も、緋真も殺せない。」
「どうかなァ。なんならあの女から先に血祭りにあげてやってもいいんだぜぃ。そしたらテメェもいよいよ本気で俺と殺り合って、その結果俺に負けりゃ心残りなく死ねんだろ。」
「……」
その言葉を聞いた瞬間、神威の纏う空気が凍るように冷たくなったような気がした。
「言ったろ、あいつはお前には殺せないって。あいつを殺すのは……俺だから。」
「……!」
ほんの少し前までニコニコと余裕を見せていた神威は、目をカッと見開き沖田を捉えた。
沖田はそれを目の当たりにし、武者震いをしては柄を両手で握って構えた。
ーーまずい。
どちらも本気だと分かるのは本人と、彼らと面識も闘った経験もある銀時たちだけだった。
銀時の頬に、一雫の汗が額から流れ落ちる。
あの二人の力がぶつかり合えば、間違いなく周囲の人間は巻き込まれるか、この町が跡形もなく消える可能性だって充分に考えられた。
銀時は仕方なく、腰にさした木刀に手を伸ばそうと覚悟を決めた。
だがその時、突然万事屋の前に一人のマントを羽織った人影が姿を現しては、今しがた抜こうとしていた木刀の柄をぎゅっと握りしめたのだった。
「あ、あの、すみません御二方!これ、少し貸してください!」
顔は見えないが声からするに、女だと言うことは分かる。
その女はあっという間に銀時の洞爺湖と、仕事で使うために珍しく常備していた新八の木刀計二本を抜き取り、くるりと踵を返して、睨み合う二人の元へと走り始めていた。
「ばっ、バカそっちはあぶね…………!」
銀時が止めようと手を伸ばした時には、もう既に彼女に届くことはなく、神威と沖田の双方が踏み足を前に出していた。
「ーーッッ!!」
二つの力が衝突する瞬間、新八と神楽は反射的に目を瞑る。
銀時だけがその瞬間を一部始終見ては、空いた口が塞がらず、ただその信じられない光景を見つめることしかできなかったのだった。
仕事を終えた万事屋一行は、帰りに団子を食べに行こうと商店街に寄り道をした。
だがなぜか団子屋に向かう途中の大通りに、ゾロゾロと人盛りができており、何やら騒ぎが起きているようだった。
銀時たちは互いに顔を見合わせて首をかしげ、何事かと興味本位で近づいてみると、そこには額から血を流した真選組の沖田の姿と、向かいには彼と同じように額から血を流したオレンジ頭の男、神威の姿をその目で捉えた。
「かっ、神威?!」
「なっ、何やってんだよアイツら!この人の多い町中で!」
「よりによってなんであの二人がこんな町の中心で争ってるんですか!このままじゃ決着つく前に、先に町が崩壊するんですけど!」
銀時達はそう声を漏らすが、辺りの光景を見ては顔が青ざめていった。既に闘いに巻き込まれて破壊された建物が目につき、いざ間に入って行けば紛れもなくとばっちりがくるのは目に見えている。
どうしたものかと考えれば、血走った目で互いに睨み合っている二人が口を開いたのだった。
「おいテメェ、そろそろ諦めてさっさと真選組に捕まんなァ。なぁに、一人で寂しいってんなら、あの女も一緒に連れてってやんぜぃ。」
「やだなぁ。俺は今回捕まるような事何もしてないんだけど?そもそも以前にこの地球救う手助けしてあげたじゃん。」
「うるせぇよ。テメェだけはこの手で殺さねぇと気がすまねぇ。」
「物騒なお巡りさんだ。ま、あんたには無理だよ。俺も、緋真も殺せない。」
「どうかなァ。なんならあの女から先に血祭りにあげてやってもいいんだぜぃ。そしたらテメェもいよいよ本気で俺と殺り合って、その結果俺に負けりゃ心残りなく死ねんだろ。」
「……」
その言葉を聞いた瞬間、神威の纏う空気が凍るように冷たくなったような気がした。
「言ったろ、あいつはお前には殺せないって。あいつを殺すのは……俺だから。」
「……!」
ほんの少し前までニコニコと余裕を見せていた神威は、目をカッと見開き沖田を捉えた。
沖田はそれを目の当たりにし、武者震いをしては柄を両手で握って構えた。
ーーまずい。
どちらも本気だと分かるのは本人と、彼らと面識も闘った経験もある銀時たちだけだった。
銀時の頬に、一雫の汗が額から流れ落ちる。
あの二人の力がぶつかり合えば、間違いなく周囲の人間は巻き込まれるか、この町が跡形もなく消える可能性だって充分に考えられた。
銀時は仕方なく、腰にさした木刀に手を伸ばそうと覚悟を決めた。
だがその時、突然万事屋の前に一人のマントを羽織った人影が姿を現しては、今しがた抜こうとしていた木刀の柄をぎゅっと握りしめたのだった。
「あ、あの、すみません御二方!これ、少し貸してください!」
顔は見えないが声からするに、女だと言うことは分かる。
その女はあっという間に銀時の洞爺湖と、仕事で使うために珍しく常備していた新八の木刀計二本を抜き取り、くるりと踵を返して、睨み合う二人の元へと走り始めていた。
「ばっ、バカそっちはあぶね…………!」
銀時が止めようと手を伸ばした時には、もう既に彼女に届くことはなく、神威と沖田の双方が踏み足を前に出していた。
「ーーッッ!!」
二つの力が衝突する瞬間、新八と神楽は反射的に目を瞑る。
銀時だけがその瞬間を一部始終見ては、空いた口が塞がらず、ただその信じられない光景を見つめることしかできなかったのだった。