一.法度破り
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刀を肩に担ぎ、一息零す。そうして沖田の方を見ては、ゆっくり歩み始めた。
「……那智」
「分かりましたか、ご自分が如何に間違った選択を取ったのか。これが敵に回ったとしたら、相当厄介ですよ。それでも私を強制解雇しようってんなら……あなたの目が覚めるまで、あなたが納得いくまで私は闘い続けましょう。あなたの隣で、あなたの背中を守りながら。」
「ーーッ!」
隊員らしき口調で言いたいことを言って目の前までくると、刀についた血を振り払い、鞘に収めて沖田に手を伸ばした。
その手とともに、彼女に優しい笑みを向けられる。
沖田は彼女の手を取るも、その場に勢いよく那智を押し倒した。
「……んっとにつくづくあんたもバラガキだな……。いいのかよ、真選組に戻ってくるどころか、そんな露骨に女の姿で俺の前に現れるなんて。」
「隠しきれなくなるのを恐れて捨てられるくらいなら、隠すのなんて辞めます。もし真選組で良からぬ事を考える奴がいたのなら、切腹してもらえば済む話でしょう?」
「ははっ、てぇした挑発だ。じゃあ、試しに俺を振りほどいてみろよ。まさしく今、よからぬ事を考えてる輩がここにいるぜ。」
「な、なにを……ーーんんッッ!!」
いきなり口を塞がれ、那智は咄嗟に彼の胸元に手を当てて押しどけようとする。
だが、この傷だらけのどこにそんな力が残っているのだろうと不思議なくらい力強く、振りほどくどころか両腕を捕まれ床に当て付けられた。
そうこうしている間に、沖田の舌が那智の口内を這い回り、食しているかのように何度も何度も味わわれたような感覚が伝わってくる。
「ちょっ…そう、ご、まっ……て!」
吐息混じりの甘い声が那智から漏れる。更に理性を掻き立てられた沖田は、力強く那智の腕を握りしめ、荒い感情を彼女にぶつけるかのように、食らいついた。
口を離し、那智を見つめるとぼんやりと意識が朦朧とし、火照った顔と潤った瞳で自分を見つめる。
「ーーッ、なんつー顔してやがんだ、チキショウ」
欲していた女の顔が今自分の腕の中にあり、沖田の勢いは止まらなくなる。口元から首筋へ、制服にある胸元のホックを外し優しく口付けをしていった。
はっと我に返った那智は、なんとか力を振り絞って声を上げた。
「ちょ、ちょっと待って総悟ッ!」
「……なんでぃ。これからだろーが。邪魔すんじゃねぇ。」
「おおおお願いします、ちょっと止まってください!さすがに死体の瓦礫を真横に発情されても、こ、困ります!」
「……」
「と、とにかく血もただ漏れですし、一旦治療しに戻りましょう。続きしたいんなら、それからにしてください。」
「……あ?」
思わぬ那智の発言に、沖田は首を傾ける。
「今良からぬことされても、私が堂々と仕返しできません。その体じゃ、つついただけで激痛でしょ。」
「ほぉ……テメェもしかして、俺の傷をいたわって控えめに抵抗してたって言いてぇのか。」
「当たり前です。ほら、先に帰りますよ。発情するならその後。いいですね。」
無理やり身体を起こし、沖田の腕を掴んでは自分の肩に回して立ち上がる。
女に担がれるとなれば、沖田のプライドもズタボロだ。
それでもなぜか、横で真剣な顔付きで歩み始める那智を見てしまっては、その手を払い除ける気にはどうしてもなれなかった。
「なぁ、那智。」
「なに、総悟」
「やっぱりテメェは女だ。さっき味見して、よく分かったわ。」
「……」
「でも、だからこそ余計に思ったんでぃ。コイツを俺以外の奴らに隙を見せられるわけにはいかねぇって。」
目を細めてこちらを見ていた那智の顔つきが、その一言で変わる。
沖田は彼女に体を預けつつも、静かに笑みを浮かべ、彼女の耳元でこう囁いた。
「俺が、俺以外の狼からテメェを守り抜いてやらァ。あんな誘惑じみた顔、他の連中に見せたら切腹だからな。」
「……ふっ、ふふっ。」
「……なに笑ってんでぃ。」
「……十年早いわ、マセガキ。」
「てってめッッーー!!」
「あははっ!あーあ、ほんと。年下のくせに、平気で人の心ん中ズカズカ入って引っ掻き回して…」
「…」
「ほんっと、目が離せない隊長殿ですよ。」
そう言った那智は、確かに心の底から笑っていた。
そうして陽は昇り、二人仲良く屯所へと帰っていったのであった。
「……那智」
「分かりましたか、ご自分が如何に間違った選択を取ったのか。これが敵に回ったとしたら、相当厄介ですよ。それでも私を強制解雇しようってんなら……あなたの目が覚めるまで、あなたが納得いくまで私は闘い続けましょう。あなたの隣で、あなたの背中を守りながら。」
「ーーッ!」
隊員らしき口調で言いたいことを言って目の前までくると、刀についた血を振り払い、鞘に収めて沖田に手を伸ばした。
その手とともに、彼女に優しい笑みを向けられる。
沖田は彼女の手を取るも、その場に勢いよく那智を押し倒した。
「……んっとにつくづくあんたもバラガキだな……。いいのかよ、真選組に戻ってくるどころか、そんな露骨に女の姿で俺の前に現れるなんて。」
「隠しきれなくなるのを恐れて捨てられるくらいなら、隠すのなんて辞めます。もし真選組で良からぬ事を考える奴がいたのなら、切腹してもらえば済む話でしょう?」
「ははっ、てぇした挑発だ。じゃあ、試しに俺を振りほどいてみろよ。まさしく今、よからぬ事を考えてる輩がここにいるぜ。」
「な、なにを……ーーんんッッ!!」
いきなり口を塞がれ、那智は咄嗟に彼の胸元に手を当てて押しどけようとする。
だが、この傷だらけのどこにそんな力が残っているのだろうと不思議なくらい力強く、振りほどくどころか両腕を捕まれ床に当て付けられた。
そうこうしている間に、沖田の舌が那智の口内を這い回り、食しているかのように何度も何度も味わわれたような感覚が伝わってくる。
「ちょっ…そう、ご、まっ……て!」
吐息混じりの甘い声が那智から漏れる。更に理性を掻き立てられた沖田は、力強く那智の腕を握りしめ、荒い感情を彼女にぶつけるかのように、食らいついた。
口を離し、那智を見つめるとぼんやりと意識が朦朧とし、火照った顔と潤った瞳で自分を見つめる。
「ーーッ、なんつー顔してやがんだ、チキショウ」
欲していた女の顔が今自分の腕の中にあり、沖田の勢いは止まらなくなる。口元から首筋へ、制服にある胸元のホックを外し優しく口付けをしていった。
はっと我に返った那智は、なんとか力を振り絞って声を上げた。
「ちょ、ちょっと待って総悟ッ!」
「……なんでぃ。これからだろーが。邪魔すんじゃねぇ。」
「おおおお願いします、ちょっと止まってください!さすがに死体の瓦礫を真横に発情されても、こ、困ります!」
「……」
「と、とにかく血もただ漏れですし、一旦治療しに戻りましょう。続きしたいんなら、それからにしてください。」
「……あ?」
思わぬ那智の発言に、沖田は首を傾ける。
「今良からぬことされても、私が堂々と仕返しできません。その体じゃ、つついただけで激痛でしょ。」
「ほぉ……テメェもしかして、俺の傷をいたわって控えめに抵抗してたって言いてぇのか。」
「当たり前です。ほら、先に帰りますよ。発情するならその後。いいですね。」
無理やり身体を起こし、沖田の腕を掴んでは自分の肩に回して立ち上がる。
女に担がれるとなれば、沖田のプライドもズタボロだ。
それでもなぜか、横で真剣な顔付きで歩み始める那智を見てしまっては、その手を払い除ける気にはどうしてもなれなかった。
「なぁ、那智。」
「なに、総悟」
「やっぱりテメェは女だ。さっき味見して、よく分かったわ。」
「……」
「でも、だからこそ余計に思ったんでぃ。コイツを俺以外の奴らに隙を見せられるわけにはいかねぇって。」
目を細めてこちらを見ていた那智の顔つきが、その一言で変わる。
沖田は彼女に体を預けつつも、静かに笑みを浮かべ、彼女の耳元でこう囁いた。
「俺が、俺以外の狼からテメェを守り抜いてやらァ。あんな誘惑じみた顔、他の連中に見せたら切腹だからな。」
「……ふっ、ふふっ。」
「……なに笑ってんでぃ。」
「……十年早いわ、マセガキ。」
「てってめッッーー!!」
「あははっ!あーあ、ほんと。年下のくせに、平気で人の心ん中ズカズカ入って引っ掻き回して…」
「…」
「ほんっと、目が離せない隊長殿ですよ。」
そう言った那智は、確かに心の底から笑っていた。
そうして陽は昇り、二人仲良く屯所へと帰っていったのであった。