一.法度破り
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深夜零時を回った頃。
沖田は一人で山崎の情報から得た場所へと向かっていた。
かぶき町の外れにある、廃墟となったビルの中で、奴ら攘夷志士の同盟は結成される。
沖田の片手にはバズーカー、腰には刀をさして一歩ずつその戦場へと進んでいった。
今夜は誰一人、彼の隣を歩く隊員はいない。彼の後ろを守る隊員もいない。
あの勇ましい副隊長はどこを見渡したって、もういない。
これでいい。あいつがいなくても俺はやっていけることを証明するために、一人で勝って生き残るしか道はない。
そう何度も自分に言い聞かせているのに、何故か頭の中では最後に彼女の顔を見た時の、切なげな表情を浮かべていた那智の顔が離れなかった。
「……クソッ、らしくねぇこと考えんのはやめだ。」
頭をブンブンと振り、気を取り直す。
そうしてようやく到着したかと思えば、あちこち散らばる瓦礫の影に、何人もが姿をくらましていることにようやく気がついたのだ。
「へへっ、一番隊隊長の沖田総悟だ。」
「一人でこの場所にのりこむなんざ、俺達も随分舐められたもんだな。」
徐々に姿を現す奴らを見て、沖田は自分が囲まれているのだと悟る。
「おいおい、俺がここに来ることは筒抜けかよ。山崎の奴、しくりやがったな。」
「山崎ぃ?誰だそりゃ。誰かは知らねぇが、あんたがここに乗り込んでくることを教えてくれた奴がいてよぉ。真選組も随分と嫌われたもんだなぁ。」
「へぇ、そりゃ酷な事をする奴がいたもんだァ。」
攘夷志士の奴らに棒読みで返す沖田を見て、奴らの苛立ちはヒートアップしていく。
「て、テメェ!この数にのこのこ一人で来て、生き残れると思ってんのかよ!」
「さぁて、どうかな。俺からしちゃ、テメェら倒して帰らねぇと俺が今日決意したことも無駄になっちまうんでね。」
「言ってる意味がわかんねぇよッッ!たためぇッッ!!」
頭らしき男がそう叫ぶと、周りにいた攘夷志士共は一斉に沖田に刀を振りかざした。
沖田はニヤリと口元に弧を描き、引き付けた敵を目掛けてバズーカーの引き金を引く。
爆発音とともに何人かが散ったのを確認し、奴らに見せた彼の顔はーーー
笑っていた。
「こ、こいつ……ッ!」
「丁度いい。俺は今相当腹が立ってんだ。テメェら全員、死んじまいなァ」
まるでそこに立っているのは新撰組でもなんでもない、血に飢えた狼が、闘いを求め、血を求め牙を向いている姿にすら見えた。
そうして沖田は刀を抜き、幕府に刃向かう反逆者達を一人一人斬り裂いていくのであった。
沖田は一人で山崎の情報から得た場所へと向かっていた。
かぶき町の外れにある、廃墟となったビルの中で、奴ら攘夷志士の同盟は結成される。
沖田の片手にはバズーカー、腰には刀をさして一歩ずつその戦場へと進んでいった。
今夜は誰一人、彼の隣を歩く隊員はいない。彼の後ろを守る隊員もいない。
あの勇ましい副隊長はどこを見渡したって、もういない。
これでいい。あいつがいなくても俺はやっていけることを証明するために、一人で勝って生き残るしか道はない。
そう何度も自分に言い聞かせているのに、何故か頭の中では最後に彼女の顔を見た時の、切なげな表情を浮かべていた那智の顔が離れなかった。
「……クソッ、らしくねぇこと考えんのはやめだ。」
頭をブンブンと振り、気を取り直す。
そうしてようやく到着したかと思えば、あちこち散らばる瓦礫の影に、何人もが姿をくらましていることにようやく気がついたのだ。
「へへっ、一番隊隊長の沖田総悟だ。」
「一人でこの場所にのりこむなんざ、俺達も随分舐められたもんだな。」
徐々に姿を現す奴らを見て、沖田は自分が囲まれているのだと悟る。
「おいおい、俺がここに来ることは筒抜けかよ。山崎の奴、しくりやがったな。」
「山崎ぃ?誰だそりゃ。誰かは知らねぇが、あんたがここに乗り込んでくることを教えてくれた奴がいてよぉ。真選組も随分と嫌われたもんだなぁ。」
「へぇ、そりゃ酷な事をする奴がいたもんだァ。」
攘夷志士の奴らに棒読みで返す沖田を見て、奴らの苛立ちはヒートアップしていく。
「て、テメェ!この数にのこのこ一人で来て、生き残れると思ってんのかよ!」
「さぁて、どうかな。俺からしちゃ、テメェら倒して帰らねぇと俺が今日決意したことも無駄になっちまうんでね。」
「言ってる意味がわかんねぇよッッ!たためぇッッ!!」
頭らしき男がそう叫ぶと、周りにいた攘夷志士共は一斉に沖田に刀を振りかざした。
沖田はニヤリと口元に弧を描き、引き付けた敵を目掛けてバズーカーの引き金を引く。
爆発音とともに何人かが散ったのを確認し、奴らに見せた彼の顔はーーー
笑っていた。
「こ、こいつ……ッ!」
「丁度いい。俺は今相当腹が立ってんだ。テメェら全員、死んじまいなァ」
まるでそこに立っているのは新撰組でもなんでもない、血に飢えた狼が、闘いを求め、血を求め牙を向いている姿にすら見えた。
そうして沖田は刀を抜き、幕府に刃向かう反逆者達を一人一人斬り裂いていくのであった。