二.生殺し(※一部性的描写あり。)
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パチリと目を覚まし、はっと起き上がる。
視界はぼんやりしていたが、気を失う前までの記憶ははっきりと残っていた。
目の前にない沖田の姿を探そうと左右を確認すると、壁に背中を預け、ぼんやり天井を見上げていた座っている彼が目に止まった。
「総、悟……」
「…気ぃついたか。」
沖田の声を聞き、心臓がドキリと跳ねる。
彼のあの声に、あの大きな手に抱かれていたかと思うと、死にたくなるほどの羞恥心が込み上げてくる。
頬が焼けるほどの熱を灯し、手で覆って顔を隠していると、沖田が立ち上がり、隣へと座り込んだ。
「安心しなァ。ちゃんと未遂で止めといた。」
「え……」
「なんでぃ。もしかして最後までやって欲しかったとでも言うんですかぃ?」
「い、いや違うけど、でも、どうして……」
あんなに自分が煽ってしまっていたのに、と言いたげな顔で見る那智に、沖田は深くため息を零し、目を逸らした。
「あそこで最後まで抱いちまったら、それこそ俺がガキだって立証しちまいまさァ。俺はあんたを無理やり抱きてぇんじゃねぇ。俺以外誰も眼中に入らねぇくらい、溺れさせて、身体に俺を覚えさせてやりながら抱きてぇんだ。」
「……なんつー事をサラッと言うかな君は。」
思わず呆れて顔をひきつらせる那智。
それでも沖田は下唇を尖らせたまま、彼女に言った。
「……すまねぇ。知らなかったとはいえ、結果的にあんたに媚薬を持っちまったのは、俺でぃ。煮るやり焼くなりなんでもしなせぇ。」
「……総悟。」
「…?」
「私、確かに覚えてるよ。総悟が、欲のままじゃない。ちゃんと、触れる度に心を込めていてくれたこと。」
「ーー那智。」
「無理矢理じゃない。ちゃんと心があった。あんな状況でそんな風に触れてくれた人を、咎める資格なんて私には無いよ。」
「……はっ。バカが就くれぇのお人好しでさァ。さて、これで薬の内容も割れて出どころも掴んだんだ。さっさと乗り込んでしょっぴいて、帰りまさァ。」
「…そうだね。」
ゆっくりと起き上がろうとする那智に、そっと手を差し伸べる。
那智はそんな彼の顔を見て、思わず息を呑んだ。
すかさず彼は彼女をからかうべく、そのニヤけた顔の口を開いた。
「……もしかして、あんなちっとの愛撫で体が重いなんてこたァ、ねぇですよね?」
「ああああるわけないでしょ。ちょっと変な体勢で倒れてたから体が硬直してるだけ!」
那智は彼の手をとって起き上がり、プイと顔をそっぽ向けた。
沖田はそんな子供らしい彼女を見て、あんな事が起きてもいつも通り接してくれる事に、密かに安堵の笑みを浮かべる。
那智はそんな彼の笑みを見る事もなく、一口飲んだコップを見て、ふぅと小さくため息を零した。
「証拠はこの飲料か。分析結果すればすぐ分かる事だし、これは貴重な物的証拠だな。」
「そういう事でぃ。…飲んだ感想、聞いてもいいですかぃ。報告書に匿名で記入しまさァ。」
「聞くな。そして書くな。参謀の特権で切腹の指令出しますよ。」
「…」
さっきまでただの一女のような表情をしていたのに、仕事の話になると彼女はすぐさまいつもの那智の雰囲気へと変わり果てた。
そうして携帯を取り出し、屯所の特攻部隊を要請し、彼女は部屋をでようと扉へと歩みだす。
そんな彼女の背中を見て、この一時の出来事を思い出した沖田は、那智の勇ましい姿の裏には女らしい一面が隠れていたという事を改めて知り、優越感に浸った。そうしてその背中を守るように後ろをついていくのであった。
視界はぼんやりしていたが、気を失う前までの記憶ははっきりと残っていた。
目の前にない沖田の姿を探そうと左右を確認すると、壁に背中を預け、ぼんやり天井を見上げていた座っている彼が目に止まった。
「総、悟……」
「…気ぃついたか。」
沖田の声を聞き、心臓がドキリと跳ねる。
彼のあの声に、あの大きな手に抱かれていたかと思うと、死にたくなるほどの羞恥心が込み上げてくる。
頬が焼けるほどの熱を灯し、手で覆って顔を隠していると、沖田が立ち上がり、隣へと座り込んだ。
「安心しなァ。ちゃんと未遂で止めといた。」
「え……」
「なんでぃ。もしかして最後までやって欲しかったとでも言うんですかぃ?」
「い、いや違うけど、でも、どうして……」
あんなに自分が煽ってしまっていたのに、と言いたげな顔で見る那智に、沖田は深くため息を零し、目を逸らした。
「あそこで最後まで抱いちまったら、それこそ俺がガキだって立証しちまいまさァ。俺はあんたを無理やり抱きてぇんじゃねぇ。俺以外誰も眼中に入らねぇくらい、溺れさせて、身体に俺を覚えさせてやりながら抱きてぇんだ。」
「……なんつー事をサラッと言うかな君は。」
思わず呆れて顔をひきつらせる那智。
それでも沖田は下唇を尖らせたまま、彼女に言った。
「……すまねぇ。知らなかったとはいえ、結果的にあんたに媚薬を持っちまったのは、俺でぃ。煮るやり焼くなりなんでもしなせぇ。」
「……総悟。」
「…?」
「私、確かに覚えてるよ。総悟が、欲のままじゃない。ちゃんと、触れる度に心を込めていてくれたこと。」
「ーー那智。」
「無理矢理じゃない。ちゃんと心があった。あんな状況でそんな風に触れてくれた人を、咎める資格なんて私には無いよ。」
「……はっ。バカが就くれぇのお人好しでさァ。さて、これで薬の内容も割れて出どころも掴んだんだ。さっさと乗り込んでしょっぴいて、帰りまさァ。」
「…そうだね。」
ゆっくりと起き上がろうとする那智に、そっと手を差し伸べる。
那智はそんな彼の顔を見て、思わず息を呑んだ。
すかさず彼は彼女をからかうべく、そのニヤけた顔の口を開いた。
「……もしかして、あんなちっとの愛撫で体が重いなんてこたァ、ねぇですよね?」
「ああああるわけないでしょ。ちょっと変な体勢で倒れてたから体が硬直してるだけ!」
那智は彼の手をとって起き上がり、プイと顔をそっぽ向けた。
沖田はそんな子供らしい彼女を見て、あんな事が起きてもいつも通り接してくれる事に、密かに安堵の笑みを浮かべる。
那智はそんな彼の笑みを見る事もなく、一口飲んだコップを見て、ふぅと小さくため息を零した。
「証拠はこの飲料か。分析結果すればすぐ分かる事だし、これは貴重な物的証拠だな。」
「そういう事でぃ。…飲んだ感想、聞いてもいいですかぃ。報告書に匿名で記入しまさァ。」
「聞くな。そして書くな。参謀の特権で切腹の指令出しますよ。」
「…」
さっきまでただの一女のような表情をしていたのに、仕事の話になると彼女はすぐさまいつもの那智の雰囲気へと変わり果てた。
そうして携帯を取り出し、屯所の特攻部隊を要請し、彼女は部屋をでようと扉へと歩みだす。
そんな彼女の背中を見て、この一時の出来事を思い出した沖田は、那智の勇ましい姿の裏には女らしい一面が隠れていたという事を改めて知り、優越感に浸った。そうしてその背中を守るように後ろをついていくのであった。