例えどんな姿になったとしても。
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銀時に手を引かれて到着したのは、もうすっかり我が家になった〝万事屋銀ちゃん〟。
こんな小さな体になってもう数時間たつが、いつもと違う目線のせいか、何かと新鮮な気がしてならない。
首をのばしてぼんやりとそれを見つめていると、早く入れと銀時にせかされる。
慌てて彼の大きな背中を追いかけようとすればーーーーー
「ふべっ!!」
転んだ。
「ただいまー」
銀時が勢いよく玄関の扉を開けると、中には二人の帰りを今か今かと待ちわびていた定春が尻尾を振って座っていた。
「ワンッ!」
喜びのあまり飛びつこうと、定春が前足を浮かせると銀時がそれを必死に止めた。
「待て待て定春ッ!こいつ今ここで転んでけがしてっから、飛びつくのはこいつ手当した後にしてくれ!」
「クゥン」
銀時がおぶさっている刹那の小さな姿を見て、定春は鼻を鳴らした。
おんぶしたまま居間へと連れて行くと、ソファに神楽と新八がくつろいでいる姿を目にし、刹那をゆっくりと下ろした。
「おかえり銀さ…」
「早かったネ銀ちゃ…」
二人の声が、刹那の小さな姿を見て止まる。
そしてしばらく置物のように固まっていたかと思えば、物凄い勢いで質問を始めた。
「どどどどど、どういう事ですか銀さん!この子、刹那さんにそっくりじゃないですか!もしかしてあの人、子供とかいたんですか?!でも、この子どう見ても十歳も満たないですよね?あれ、でも刹那さん自分の歳わかんないって言ってたし、たぶん20代後半だって言ってたから、理屈としてはいけるのか?いや、いけるとかそういう問題じゃねぇぇぇッ!」
「銀ちゃんどういう事アルか!定春だけ帰ってきたかと思えば、何で刹那姉ちゃんがいなくなって刹那姉ちゃんもどきみたいな子がいるアルか!どういう事ネ!分かりやすく簡潔に三十文字以内で述べよ!」
「あーもうごちゃごちゃうるせぇな!今から説明してやるからちったぁ落ち着けッ!」
「…」
いつもなら同じ目線で彼らの話に参加するわけではあるが、今日はどうもこうも勝手が違う。というより、この姿のせいなのか彼らの勢いにすらついてけそうにない。
目を点にしてしばらく三人のやりとりを眺めていると、銀時が喝を入れてようやくその場がおさまった。
「おいぱっつぁん。救急箱持ってきてやってくれ。」
「え、この子、ケガしてるんですか?」
「今そこで転んだんだよ。ったく、なんで見た目どころか運動音痴なとこまで似てやがるかねぇ、全く。」
ちょっと手を離したらすぐこれだ、と吐き捨て銀時はソファに深く腰を下ろした。
神楽は未だじーっと刹那を見つめ、刹那自身もそれから逃げられるわけもなく、ただ茫然と立っていた。
そうこうしているうちに、新八が再び戻ってきて銀時の横に座るように優しい声で誘導する。
刹那は言われるがままに銀時の隣に腰を下ろし、新八の慣れた手つきで手当てを受けた。
「で、この子一体どうしたんですか?銀さん。さすがに刹那さんの隠し子なんて冗談はやめてくださいよ。」
「んなワケねぇだろ。逆算したところであいつは天人達に捕まって絶望な人生送ってた頃にとても子供ができる訳ねぇ。つーか、アイツと似てるだけでこいつは赤の他人だよ。」
そうはっきりと断言する銀時の言葉が、グサリと胸に刺さる。
本人です。
この一言が言えたらどんなに楽だろうか。
目を瞑って気持ちを押し殺していると、今度は神楽が銀時に質問した。
「じゃあ、なんで刹那姉ちゃんは帰ってこないアルか?この時間なら、いつも夕食の支度を始めてくれるのに。」
「アイツがこのガキに託してった手紙だ。これみりゃすぐわかんだろ。」
胸元にしまっておいた刹那からの手紙を差し出し、二人に手渡す。
顔を近づけて一枚の手紙を読む二人は、事情がようやく分かったのかほっと胸を撫でおろした。
「よかったぁ。本当に刹那さんの親族だったらどうしようかと思いました。」
「まぁ刹那姉ちゃんがもしマミーだったとしても、私は驚かないアル。あんあマミーだったら、私も娘として誇りに思うネ。」
「ご理解いただけたようでよかったよ。」
銀時はようやく肩の力が抜けたようで、今以上に寝そべり返った。
「僕は志村新八。銀さんと一緒に万事屋をやってるんだ。」
「私は神楽アル。刹那姉ちゃんの妹分ね。よろしくアル。」
「わ、私は…紗奈って言います。よろしくお願いします」
どういう距離感で話せばいいのか分からないので、ひとまず礼儀正しくお辞儀をする。
それから顔をあげると、二人とも優しいお兄さんとお姉さんの表情をしていた。
「でも刹那姉ちゃんが帰ってこないとなると、今日の晩飯はどうなるアルか。私の胃袋はもう銀ちゃんのご飯は受け付けないネ」
「テメェ、作ってもらってんな事言うんじゃねぇよ。んじゃ今日はババァんとこで飯食うか。」
銀時のその提案に、二人はパッと目を輝かせて急いで出かける仕度をするのだった。
こんな小さな体になってもう数時間たつが、いつもと違う目線のせいか、何かと新鮮な気がしてならない。
首をのばしてぼんやりとそれを見つめていると、早く入れと銀時にせかされる。
慌てて彼の大きな背中を追いかけようとすればーーーーー
「ふべっ!!」
転んだ。
「ただいまー」
銀時が勢いよく玄関の扉を開けると、中には二人の帰りを今か今かと待ちわびていた定春が尻尾を振って座っていた。
「ワンッ!」
喜びのあまり飛びつこうと、定春が前足を浮かせると銀時がそれを必死に止めた。
「待て待て定春ッ!こいつ今ここで転んでけがしてっから、飛びつくのはこいつ手当した後にしてくれ!」
「クゥン」
銀時がおぶさっている刹那の小さな姿を見て、定春は鼻を鳴らした。
おんぶしたまま居間へと連れて行くと、ソファに神楽と新八がくつろいでいる姿を目にし、刹那をゆっくりと下ろした。
「おかえり銀さ…」
「早かったネ銀ちゃ…」
二人の声が、刹那の小さな姿を見て止まる。
そしてしばらく置物のように固まっていたかと思えば、物凄い勢いで質問を始めた。
「どどどどど、どういう事ですか銀さん!この子、刹那さんにそっくりじゃないですか!もしかしてあの人、子供とかいたんですか?!でも、この子どう見ても十歳も満たないですよね?あれ、でも刹那さん自分の歳わかんないって言ってたし、たぶん20代後半だって言ってたから、理屈としてはいけるのか?いや、いけるとかそういう問題じゃねぇぇぇッ!」
「銀ちゃんどういう事アルか!定春だけ帰ってきたかと思えば、何で刹那姉ちゃんがいなくなって刹那姉ちゃんもどきみたいな子がいるアルか!どういう事ネ!分かりやすく簡潔に三十文字以内で述べよ!」
「あーもうごちゃごちゃうるせぇな!今から説明してやるからちったぁ落ち着けッ!」
「…」
いつもなら同じ目線で彼らの話に参加するわけではあるが、今日はどうもこうも勝手が違う。というより、この姿のせいなのか彼らの勢いにすらついてけそうにない。
目を点にしてしばらく三人のやりとりを眺めていると、銀時が喝を入れてようやくその場がおさまった。
「おいぱっつぁん。救急箱持ってきてやってくれ。」
「え、この子、ケガしてるんですか?」
「今そこで転んだんだよ。ったく、なんで見た目どころか運動音痴なとこまで似てやがるかねぇ、全く。」
ちょっと手を離したらすぐこれだ、と吐き捨て銀時はソファに深く腰を下ろした。
神楽は未だじーっと刹那を見つめ、刹那自身もそれから逃げられるわけもなく、ただ茫然と立っていた。
そうこうしているうちに、新八が再び戻ってきて銀時の横に座るように優しい声で誘導する。
刹那は言われるがままに銀時の隣に腰を下ろし、新八の慣れた手つきで手当てを受けた。
「で、この子一体どうしたんですか?銀さん。さすがに刹那さんの隠し子なんて冗談はやめてくださいよ。」
「んなワケねぇだろ。逆算したところであいつは天人達に捕まって絶望な人生送ってた頃にとても子供ができる訳ねぇ。つーか、アイツと似てるだけでこいつは赤の他人だよ。」
そうはっきりと断言する銀時の言葉が、グサリと胸に刺さる。
本人です。
この一言が言えたらどんなに楽だろうか。
目を瞑って気持ちを押し殺していると、今度は神楽が銀時に質問した。
「じゃあ、なんで刹那姉ちゃんは帰ってこないアルか?この時間なら、いつも夕食の支度を始めてくれるのに。」
「アイツがこのガキに託してった手紙だ。これみりゃすぐわかんだろ。」
胸元にしまっておいた刹那からの手紙を差し出し、二人に手渡す。
顔を近づけて一枚の手紙を読む二人は、事情がようやく分かったのかほっと胸を撫でおろした。
「よかったぁ。本当に刹那さんの親族だったらどうしようかと思いました。」
「まぁ刹那姉ちゃんがもしマミーだったとしても、私は驚かないアル。あんあマミーだったら、私も娘として誇りに思うネ。」
「ご理解いただけたようでよかったよ。」
銀時はようやく肩の力が抜けたようで、今以上に寝そべり返った。
「僕は志村新八。銀さんと一緒に万事屋をやってるんだ。」
「私は神楽アル。刹那姉ちゃんの妹分ね。よろしくアル。」
「わ、私は…紗奈って言います。よろしくお願いします」
どういう距離感で話せばいいのか分からないので、ひとまず礼儀正しくお辞儀をする。
それから顔をあげると、二人とも優しいお兄さんとお姉さんの表情をしていた。
「でも刹那姉ちゃんが帰ってこないとなると、今日の晩飯はどうなるアルか。私の胃袋はもう銀ちゃんのご飯は受け付けないネ」
「テメェ、作ってもらってんな事言うんじゃねぇよ。んじゃ今日はババァんとこで飯食うか。」
銀時のその提案に、二人はパッと目を輝かせて急いで出かける仕度をするのだった。