例えどんな姿になったとしても。
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「…ね、ねぇ下ろしてってば。」
「駄目だ。またすっころんで足引っ張られるのがオチでぃ。テメェみたいなガキは、大人しくおにーさんのいう事聞いてりゃいいんだ。」
頑なに譲らない沖田に、刹那は深くため息を零す。
さっき転んだせいによって膝はケガを負い、それを見兼ねた沖田はひょいと軽く持ち上げて、肩車をしてくれた。彼なりのつんけんした優しさだろう。
とは言っても中身はいい歳、たぶん二十代後半くらい。
そんな歳にもなって年下の男に肩車なんぞされては、さすがの羞恥心も容易に頂点だ。
だが沖田は自分である事を知らない。
むしろこんな状況になってしまい、更に真実を明かしにくくなる一方だった。
ーー恨むぜ源外のじいさん…。
心の中でそう嘆いていると、少し後ろを歩いている土方が沖田の名を呼んだ。
「おいそいつ、嫌がってんじゃねーのか。いっちょ前にその歳で色気づいてんだろーよ。」
「へぇ、土方さん。案外女心を理解してるんですねェ。知ってますよそんくらい。こいつが恥ずかしくて死にそうっていうツラしてんのも見なくてもわかりまさァ」
「んじゃなんで…」
「だってこいつ、刹那にそっくりじゃねぇですか。アイツをもしこんな羞恥にさらした状態なら、きっと同じ顔するでしょうよ。それを見るのが何だか楽しくなっちまって…」
「このサディストォォォォッ!」
土方と刹那の声が重なる。
刹那は思わず叫んだが、ハッと我に返ってしまった、と口を塞ぐ。
「…おい紗奈。大人の言葉よく知ってるじゃねぇか。なんだ、父ちゃんにでも教わったか?」
「なんで父ちゃんなんだよ!どんな父ちゃんだよ!娘にサディストの意味なんて教える父ちゃんがどこにいるッ!」
隣より土方が突っ込みを入れる。
沖田はそれに目もくれず、頭上にある刹那の顔をじっと見た。
「…私の両親なんてもうとっくにいないよ。随分前に死んじゃった。教えてくれたのは…えっと、刹那さん!」
「…アイツ何子供に変な言葉教えてやがんだ。」
「刹那も案外ロクな大人じゃねぇな。」
咄嗟に見苦しいウソを吐き、自分の株を急降下させた事に落胆した。
そうしている間に、二人の男の足が止まる。
大通りをひたすら歩いていたが、ようやくお目にかかれた銀髪の男の姿を見つけたのだ。
パチンコの自動ドアを潜り抜け、腰を曲げてふらつきながら歩いている。
あの脱力感からして、今日もやはり負けたのであろう。
刹那はそれを察しながらも、じっと彼を見つめた。
「…おい万事屋。」
「…あ?」
脱力感を満載にした銀時が、土方の呼びかけにより顔をあげる。
銀時はその光を失ったかのような絶望感の中で必死に目を凝らし、前方にいる連中を見つめた。
「…おい税金泥棒。今度は少女誘拐事件でも起こそうってのか。」
「んなまさか、俺たち腐っても警察ですぜぃ。…旦那ァ、よく見てくだせぇ。このガキ、誰かに似てるとは思いやせんか?」
「あー…?」
千鳥足で傍へ寄り、沖田の肩に乗っている子供をまじまじと見る。
その視線が妙に痛くて、刹那は思わず銀時から体を反らした。
だが銀時の光を無くした目は、自分の姿を見るなりゆらゆらと燃えるように輝きを戻し、驚きのあまりくわっと見開いて大声をあげた。
「ええええええっ!?何こいつ、刹那そっくりじゃねーかッ!あれか!?もしかしてアイツの隠し子って事か?!」
なんでそーなんだよっ!!
そう突っ込みたい思いを必死に飲み込んで、精一杯のリアクションで呆れた視線を彼に向ける。
土方はそんな銀時を見て声を押し殺して笑ったが、沖田は真剣な表情で銀時を見ては、まじめな声でこう返した。
「実は俺とアイツの子でさァ。ほら、目元なんか俺にそっくりでしょう。」
「テメェ、何どさくさに紛れて何意味わかんねぇウソついてやがんだッ!このガキの目元のどこがテメェに似てんだよ!ハナクソたりともにてねぇわ!」
「テメェの歳でそんなでけぇガキがいるわけねぇだろ!つくんならもーちっとマシなウソつけバカヤロウッ!」
沖田の一言に、銀時と土方が思わず突っ込む。
刹那はもう既にそのやりとりに半ばあきれ果てて突っ込む気力さえ失っていた。
「チッ。どいつもこいつも夢がねえな。」
「てめぇは夢がありすぎだ。ちったー現実みやがれボケ」
「んで?このガキがなんだってんだ?」
「ほら、降りて自分で渡しな」
ようやく沖田の肩の上から解放された刹那は、久方ぶりについた地に居心地の良さを覚える。
そしてそのまま銀時の手に渡るよう、背伸びをして懐にしまっていた手紙を差し出した。
「これ、刹那さんから預かりました。」
「はあ?なんでアイツにくりそつなガキから、あいつの手紙を受け取んだ。全然意味わかんねーんだけど…。なになに?」
一枚の四つ折りにした紙を開け、彼は声に出して読み始めた。
「道中で困っている子供を拾いました。やくざ者に追われていたらしいので、少し懲らしめに行こうと思います。敵本拠地が少し遠いので、それまでその子の身を守ってください。観光がてら旅に出てほとぼりが冷めたら帰ります。よろしく銀時。…はぁッ?!」
読み終えたタイミングで驚きのあまり声が裏返る。
刹那は内心無茶な内容がばれるのではないかと、ひやひやしていたが、どうやらそれは考えすぎのようだった。
「アイツ何勝手に一人で観光しに行ってんだよ!行くなら俺も連れていけっつーの!一人だけ楽しい思いして、俺だけガキの御守りしろってか!あのヤローふざけやがって!」
(どこに怒ってんだよ!こいつは!)
心の中でそう叫ぶも、表面上に出せるのは苦笑い程度。
どうやら快く子供の御守りを引き受けてくれる気はなさそうだ。
どうしよう、と次の作戦を考えようとしたその時。助け船(と言っていいかは疑問でもあるが)を出してくれたのは沖田だった。
「旦那が嫌なら、このガキうちで預かりましょうか。」
「え?」
「身寄りもいねぇってんじゃ、帰るところもねぇでしょーし…。」
「おいおいどうしちまったんだ、お前ガキにそんな優しいキャラだっけ?」
「っつーかうちで預かる方が危険なんじゃねぇのか、そのガキ。」
「…」
「紗奈は特別でさァ。だってこんなに刹那に似てるし…。アイツだと思って、たっぷり可愛がってやるのも悪くねぇかと思いやして」
「おい、それもそれでどーなんだ。お前一市民を守る真選組様だろーが。何ロリコン意識芽生えてんだ。」
「芽生えてねぇし、そういう意味じゃないです。それにこいつ預かって刹那が喜ぶんなら、俺ァ別に構いませんよ。なんせこれで貸しを一つ作れるわけで…」
「わーっ!!たんまたんまっ!!」
刹那も沖田の薄気味悪い笑みに怯えていると、銀時もさっと顔を青ざめて沖田の言葉を遮る。
「そもそも刹那は俺に託したんだ。ガキの御守りでも何でもしてやらァ。それが万事屋ってもんでぃ。」
「…チッ。」
「じゃあ確かに会わせたからな。俺たちはこれでズラかるぞ。おい、行くぞ総悟。」
「あーー」
襟元を掴まれてずるずると引きずられて土方に無理やり連れられて行く、沖田の姿を二人で見送る。
そしてようやく二人きりになったと思えば、銀時は刹那の低い目線に合わせるようにしゃがみ込み、フッと優しい笑みを浮かべた。
「散々な奴らに道案内頼んじまったな…。俺ァ坂田銀時。万事屋の銀ちゃんだ。オメェの名前は?」
「え、えっと、紗奈です」
「…そっか。んじゃとりあえず、俺ん家に帰るか。刹那の頼みとあっちゃ、しょーがねぇしな。」
「あ、あの…ごめんなさい。迷惑かけるような事になってしまって…」
源外を守るためのウソだとは言え、心から優しくしてくれる銀時にチクリと胸を痛めた刹那は、小さな声で謝罪した。
だがそれを見た銀時は、その大きな手のひらを彼女の頭の上にそっとのせ、ポンポンと優しく撫でた。
「ガキが気にするような事じゃねぇ。アイツが助けたっつー事は、俺もテメェを助けなきゃいけねぇ。俺たちはそういう仲なんだ。文句を言うとしたら、観光がてら帰ってくるアイツに直接文句言ってやらァ。だからテメェはガキらしく、素直に甘えとけ。」
「…ありがとう。銀時…さん。」
「なんだそのかたっ苦しい呼び方は…。銀さん、とか銀ちゃん。とか可愛らしく呼べねーのか。」
「…ぎ、銀ちゃん。」
ぎこち無い呼び方に少々焦りを抱いたが、彼がそれを気にすることは無かった。むしろはにかんだ満足そうな笑みを浮かべて立ち上がった。
「よくできました。さ、帰るぞ。あぁ一応言っとくが、家はやべぇくらい騒がしいかんな。おめぇの他に面倒見てる奴が二人いる。ま、すぐ仲良くなるだろーけどな。あー、なんて説明すっかな。容姿があいつに似てるせいでややこしいことになりそうだぜ、こりゃあ。」
そう言って優しく手を差し伸べて刹那の手を掴み、二人は歩き始めたのだった。
「駄目だ。またすっころんで足引っ張られるのがオチでぃ。テメェみたいなガキは、大人しくおにーさんのいう事聞いてりゃいいんだ。」
頑なに譲らない沖田に、刹那は深くため息を零す。
さっき転んだせいによって膝はケガを負い、それを見兼ねた沖田はひょいと軽く持ち上げて、肩車をしてくれた。彼なりのつんけんした優しさだろう。
とは言っても中身はいい歳、たぶん二十代後半くらい。
そんな歳にもなって年下の男に肩車なんぞされては、さすがの羞恥心も容易に頂点だ。
だが沖田は自分である事を知らない。
むしろこんな状況になってしまい、更に真実を明かしにくくなる一方だった。
ーー恨むぜ源外のじいさん…。
心の中でそう嘆いていると、少し後ろを歩いている土方が沖田の名を呼んだ。
「おいそいつ、嫌がってんじゃねーのか。いっちょ前にその歳で色気づいてんだろーよ。」
「へぇ、土方さん。案外女心を理解してるんですねェ。知ってますよそんくらい。こいつが恥ずかしくて死にそうっていうツラしてんのも見なくてもわかりまさァ」
「んじゃなんで…」
「だってこいつ、刹那にそっくりじゃねぇですか。アイツをもしこんな羞恥にさらした状態なら、きっと同じ顔するでしょうよ。それを見るのが何だか楽しくなっちまって…」
「このサディストォォォォッ!」
土方と刹那の声が重なる。
刹那は思わず叫んだが、ハッと我に返ってしまった、と口を塞ぐ。
「…おい紗奈。大人の言葉よく知ってるじゃねぇか。なんだ、父ちゃんにでも教わったか?」
「なんで父ちゃんなんだよ!どんな父ちゃんだよ!娘にサディストの意味なんて教える父ちゃんがどこにいるッ!」
隣より土方が突っ込みを入れる。
沖田はそれに目もくれず、頭上にある刹那の顔をじっと見た。
「…私の両親なんてもうとっくにいないよ。随分前に死んじゃった。教えてくれたのは…えっと、刹那さん!」
「…アイツ何子供に変な言葉教えてやがんだ。」
「刹那も案外ロクな大人じゃねぇな。」
咄嗟に見苦しいウソを吐き、自分の株を急降下させた事に落胆した。
そうしている間に、二人の男の足が止まる。
大通りをひたすら歩いていたが、ようやくお目にかかれた銀髪の男の姿を見つけたのだ。
パチンコの自動ドアを潜り抜け、腰を曲げてふらつきながら歩いている。
あの脱力感からして、今日もやはり負けたのであろう。
刹那はそれを察しながらも、じっと彼を見つめた。
「…おい万事屋。」
「…あ?」
脱力感を満載にした銀時が、土方の呼びかけにより顔をあげる。
銀時はその光を失ったかのような絶望感の中で必死に目を凝らし、前方にいる連中を見つめた。
「…おい税金泥棒。今度は少女誘拐事件でも起こそうってのか。」
「んなまさか、俺たち腐っても警察ですぜぃ。…旦那ァ、よく見てくだせぇ。このガキ、誰かに似てるとは思いやせんか?」
「あー…?」
千鳥足で傍へ寄り、沖田の肩に乗っている子供をまじまじと見る。
その視線が妙に痛くて、刹那は思わず銀時から体を反らした。
だが銀時の光を無くした目は、自分の姿を見るなりゆらゆらと燃えるように輝きを戻し、驚きのあまりくわっと見開いて大声をあげた。
「ええええええっ!?何こいつ、刹那そっくりじゃねーかッ!あれか!?もしかしてアイツの隠し子って事か?!」
なんでそーなんだよっ!!
そう突っ込みたい思いを必死に飲み込んで、精一杯のリアクションで呆れた視線を彼に向ける。
土方はそんな銀時を見て声を押し殺して笑ったが、沖田は真剣な表情で銀時を見ては、まじめな声でこう返した。
「実は俺とアイツの子でさァ。ほら、目元なんか俺にそっくりでしょう。」
「テメェ、何どさくさに紛れて何意味わかんねぇウソついてやがんだッ!このガキの目元のどこがテメェに似てんだよ!ハナクソたりともにてねぇわ!」
「テメェの歳でそんなでけぇガキがいるわけねぇだろ!つくんならもーちっとマシなウソつけバカヤロウッ!」
沖田の一言に、銀時と土方が思わず突っ込む。
刹那はもう既にそのやりとりに半ばあきれ果てて突っ込む気力さえ失っていた。
「チッ。どいつもこいつも夢がねえな。」
「てめぇは夢がありすぎだ。ちったー現実みやがれボケ」
「んで?このガキがなんだってんだ?」
「ほら、降りて自分で渡しな」
ようやく沖田の肩の上から解放された刹那は、久方ぶりについた地に居心地の良さを覚える。
そしてそのまま銀時の手に渡るよう、背伸びをして懐にしまっていた手紙を差し出した。
「これ、刹那さんから預かりました。」
「はあ?なんでアイツにくりそつなガキから、あいつの手紙を受け取んだ。全然意味わかんねーんだけど…。なになに?」
一枚の四つ折りにした紙を開け、彼は声に出して読み始めた。
「道中で困っている子供を拾いました。やくざ者に追われていたらしいので、少し懲らしめに行こうと思います。敵本拠地が少し遠いので、それまでその子の身を守ってください。観光がてら旅に出てほとぼりが冷めたら帰ります。よろしく銀時。…はぁッ?!」
読み終えたタイミングで驚きのあまり声が裏返る。
刹那は内心無茶な内容がばれるのではないかと、ひやひやしていたが、どうやらそれは考えすぎのようだった。
「アイツ何勝手に一人で観光しに行ってんだよ!行くなら俺も連れていけっつーの!一人だけ楽しい思いして、俺だけガキの御守りしろってか!あのヤローふざけやがって!」
(どこに怒ってんだよ!こいつは!)
心の中でそう叫ぶも、表面上に出せるのは苦笑い程度。
どうやら快く子供の御守りを引き受けてくれる気はなさそうだ。
どうしよう、と次の作戦を考えようとしたその時。助け船(と言っていいかは疑問でもあるが)を出してくれたのは沖田だった。
「旦那が嫌なら、このガキうちで預かりましょうか。」
「え?」
「身寄りもいねぇってんじゃ、帰るところもねぇでしょーし…。」
「おいおいどうしちまったんだ、お前ガキにそんな優しいキャラだっけ?」
「っつーかうちで預かる方が危険なんじゃねぇのか、そのガキ。」
「…」
「紗奈は特別でさァ。だってこんなに刹那に似てるし…。アイツだと思って、たっぷり可愛がってやるのも悪くねぇかと思いやして」
「おい、それもそれでどーなんだ。お前一市民を守る真選組様だろーが。何ロリコン意識芽生えてんだ。」
「芽生えてねぇし、そういう意味じゃないです。それにこいつ預かって刹那が喜ぶんなら、俺ァ別に構いませんよ。なんせこれで貸しを一つ作れるわけで…」
「わーっ!!たんまたんまっ!!」
刹那も沖田の薄気味悪い笑みに怯えていると、銀時もさっと顔を青ざめて沖田の言葉を遮る。
「そもそも刹那は俺に託したんだ。ガキの御守りでも何でもしてやらァ。それが万事屋ってもんでぃ。」
「…チッ。」
「じゃあ確かに会わせたからな。俺たちはこれでズラかるぞ。おい、行くぞ総悟。」
「あーー」
襟元を掴まれてずるずると引きずられて土方に無理やり連れられて行く、沖田の姿を二人で見送る。
そしてようやく二人きりになったと思えば、銀時は刹那の低い目線に合わせるようにしゃがみ込み、フッと優しい笑みを浮かべた。
「散々な奴らに道案内頼んじまったな…。俺ァ坂田銀時。万事屋の銀ちゃんだ。オメェの名前は?」
「え、えっと、紗奈です」
「…そっか。んじゃとりあえず、俺ん家に帰るか。刹那の頼みとあっちゃ、しょーがねぇしな。」
「あ、あの…ごめんなさい。迷惑かけるような事になってしまって…」
源外を守るためのウソだとは言え、心から優しくしてくれる銀時にチクリと胸を痛めた刹那は、小さな声で謝罪した。
だがそれを見た銀時は、その大きな手のひらを彼女の頭の上にそっとのせ、ポンポンと優しく撫でた。
「ガキが気にするような事じゃねぇ。アイツが助けたっつー事は、俺もテメェを助けなきゃいけねぇ。俺たちはそういう仲なんだ。文句を言うとしたら、観光がてら帰ってくるアイツに直接文句言ってやらァ。だからテメェはガキらしく、素直に甘えとけ。」
「…ありがとう。銀時…さん。」
「なんだそのかたっ苦しい呼び方は…。銀さん、とか銀ちゃん。とか可愛らしく呼べねーのか。」
「…ぎ、銀ちゃん。」
ぎこち無い呼び方に少々焦りを抱いたが、彼がそれを気にすることは無かった。むしろはにかんだ満足そうな笑みを浮かべて立ち上がった。
「よくできました。さ、帰るぞ。あぁ一応言っとくが、家はやべぇくらい騒がしいかんな。おめぇの他に面倒見てる奴が二人いる。ま、すぐ仲良くなるだろーけどな。あー、なんて説明すっかな。容姿があいつに似てるせいでややこしいことになりそうだぜ、こりゃあ。」
そう言って優しく手を差し伸べて刹那の手を掴み、二人は歩き始めたのだった。