Happy birthday
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深夜を回り、飲み潰れた銀時を連れて、万事屋へと向かっていた。
神楽は既に爆睡状態で、妙が気を利かせて自分も泊まっていかないなと言ってくれたが、そう大人数の布団が用意してあるわけもないと、刹那は遠慮して帰ってきた。
「あーもう飲めねぇ。つーかむり、吐きそう」
「あんだけ暴れて酒飲むからだよ。自業自得。ほら、もうちょっとで家だから我慢して。」
呆れた顔で彼に言いつつ、足を動かす。
彼女の顔を見ていない銀時は、なんだかんだ心配してくれて、こうして肩を貸してくれる彼女の優しさを噛み締めた。
「……なぁ、刹那。覚えてっか?」
「なにを?」
「最初にオメェの誕生日を決めた日のことだよ。」
「……覚えてる。っていうか思い出したよさっき。」
「そうか。じゃあ俺が決まってやるプレゼントの話も覚えてるか。」
「……覚えてるよ。」
刹那はそう言って、穏やかな笑みを浮かべた。
俺はお前に何もやれる物はねぇ。
でも、オメェにはとびきり笑える場所を、ずっと用意してやる。だからテメェはいつまでも、そうやって笑ってろ。それが唯一、俺がテメェにできる事だ。
そう胸を張って言った銀時の幼い姿を思い出しては、懐かしさと優しさを感じた。
「ガキの頃の俺にしちゃァ、上出来なプレゼントだ。でも、俺だってもう大人だからなァ。それだけじゃいけねぇのはわかってんだ。」
「何言ってんの。このうえないくらい、十分な誕生日プレゼントだよ。今年もこうして、笑える場所を用意してくれた。本当に今日は楽しかった、ありがとう銀時。」
「…なぁ。その簪、アイツからもらったのか。」
ぐったり身を預けていた銀時が、すっと背筋を伸ばし立ち上がったかと思えば、頭につけていた簪にそっと手を触れる。
刹那は彼のいう〝アイツ〟が誰をさせいているのか悟り、小さく頷いた。
「そうか。あぶねぇあぶねぇ、被るとこだったわ。」
「…え?」
「ったく、普段気が合わねぇくせにこういう時だけキャラ被るのがムカつくんだよな…。」
「ねぇ、さっきから何一人でぶつぶつ言ってんの?」
小声でぼそぼそと話す銀時に、刹那は不思議そうに首を傾げる。
「…おい、目ぇ瞑れ刹那。」
「…え、ここで?」
「いいから、早く目ぇ瞑れって言ってんだ。」
「う、うん。」
半ば強引に彼女の視界を閉ざし、銀時は目の前にいる刹那の顔をじっと見つめた。
長い綺麗なまつ毛、月明かりに照らされる白い肌。いつの間にか、あの日天人達から逃げている時に再会した刹那よりも、ずっと女の顔をしている。
彼女をこうしたのは、その後に会った周りの連中だ。
今日みたいな刹那を好いている奴らを集めれば、彼女がどれだけ周りに好意を寄せられているのか、どれ程この目の前の女に魅力があるのかを知っている奴らがいるのかを痛感させられた。
銀時とて、一人の男だ。
もうとっくに一人の女として見てしまっている刹那を、他の誰にも渡したくない。
できる事ならば、自分だけの目の届く場所にいて欲しいくらいだ。
それでも複雑な事に、彼女が周りの奴らと接して微笑んでいる顔を見るのがまた好きで、閉じ込めておくには勿体ないほど輝いたその笑顔を、大切にしたいとも思う。
「…ね、ねぇ銀時。もう目ぇ開けていい?」
「…うるせぇまだだ。」
ぼんやりと彼女の顔を見てそう考えていた銀時に、不安ながらも声を漏らす刹那。
そして未だ自分のいう事をしっかり守っている刹那を見て、フッと力を抜いて笑った。
ばーか。隙だらけだっつーの。
そう呟いては、刹那の両頬に手を当てて、そっと触れるだけの優しい口づけを彼女にした。
「んんッーー!」
突然の行為に、刹那は声を上げ、後ろに下がろうとした。
だが銀時はやめる事無く、逃げられないように片手は後頭部へ素早く回し、更には逃げ場を失わせるため刹那の背中を近くの塀に押し当て、次第に激しく彼女の口元を自分の口で覆った。
刹那は呼吸する間もなく、徐々に全身の力が抜けていく。
頭の中が真っ白になりそうなのも何とか必死に耐え、弱々しい力でぎゅっと彼の胸元の服を握った。
それが彼を理性を掻き立てたのか、銀時の勇ましくて優しい手は刹那の耳に絡み初め、刹那を襲う快楽は勢いを増した。口内に舌を絡めるように動かし、まるで味わうかのように何度も口を閉じては再び開き、同じ行為を繰り返す。
「はぁッ、や、やだ待っ……んぅッッ!」
そんな銀時の攻めに自分でも驚くほどの甘い声が零れ、銀時の手や舌によって与えられる快楽に溺れていく。
そんな刹那の心境もよそに、左耳の次は右耳も同じように触れていく。
もう何も考えられず、呼吸する余裕すらない刹那に気づき、銀時はようやく彼女から口を離した。
「……耳、弱ぇんだな。」
「~~ッッ!」
勝ち誇ったような顔を浮かべて、銀時がそう言うのを見て、刹那は言葉を失う。
彼に触られた耳が熱くて思わずそこに手を添えると、ふと金属のようなものが両耳についていた事に気がついた。
「えっ、これ……」
驚いてなんとか目線を耳まで持っていくが、どう頑張っても見えるわけはなく、銀時の顔に視線を戻すと、長細い針のようなものを手のひらで転がし、ニヤリと笑った。
「穴開ける時痛てぇって月詠に聞いたから、気ぃ紛らわしてやろーと思ったんだが…思いの外効果は抜群だったみてぇだな。」
してやったという顔をする銀時を見て、もはや刹那の言葉は声にならない。
「……よく似合ってる、刹那。」
刹那の耳についたキラキラと輝くピアスは、月の光と刹那に備えられたことにより、銀時にとってはどの宝石よりも綺麗にさえ見えた。
「……わ、私も見たいっ!!」
頬を赤らめてそう言った刹那は、もう目と鼻の先にある自宅へと掛けていく。
銀時はやれやれと頭を掻きながら、刹那の後を付いて行った。
そうして彼女は明かりもつけず、薄暗い洗面所の大きな鏡に写る自分を見ては固まっていた。
「どうでぃ、俺からのプレゼントは。ちったぁ気に入ったか?」
「……どうしよう、銀時。」
「…あ?」
「私、女に見える……。」
「何いってんだ、テメェは。もう列記とした女だろーが。」
当たり前かのようにそう言う銀時を見て、はにかんで笑う。
男と偽ってそばにい続けていた人達なのに、今度は女としてそばにいてくれようとする。影で見守ってくれている。
子供から大人になっても、男だったのが女だと知っても、彼らの暖かさも優しさも変わらぬまま。
「銀時……ーーありがとうッッ!」
「……!」
満面の笑みを浮かべる刹那に、銀時はみとれて言葉を失う。
その輝いたピアスと簪に負けぬほど、キラキラとした笑みを見て、適わねぇと静かに笑った。
自分のものだと見せつけるかのように、与えたものなのに。
独占欲からきた代物なのに。
彼女はただただ、喜んで微笑む。
「……さぁて、ここからは大人の時間だ、刹那。覚悟しろよ。酒の入った銀さんは容赦しねぇからな。」
「……え?なにを?ひゃっ、ひゃぁッ!!」
突然自分の体がふわりと浮いたかと思えば、先程まで自分の肩を借りてしか歩けなかったはずの銀時が、ニヤニヤした顔つきで横抱きにし、寝室へと向かう。
「さっきの返事……子作りする相手はもちろん、俺だよなァ?刹那。」
弱いと知った耳元で敢えてそう呟くと、刹那は顔を真っ赤にして口をパクパクさせ、銀時を睨みつけた。
「もう一つの誕生日プレゼントは、俺の息子って事でどー…」
「調子に乗んなバカァッ!!」
「ぐはぁっ!いってぇッ!!」
刹那の鉄拳が銀時にストレートかまし、結局いつもの二人の仲のまま、刹那は一つ歳をとったのだった。
神楽は既に爆睡状態で、妙が気を利かせて自分も泊まっていかないなと言ってくれたが、そう大人数の布団が用意してあるわけもないと、刹那は遠慮して帰ってきた。
「あーもう飲めねぇ。つーかむり、吐きそう」
「あんだけ暴れて酒飲むからだよ。自業自得。ほら、もうちょっとで家だから我慢して。」
呆れた顔で彼に言いつつ、足を動かす。
彼女の顔を見ていない銀時は、なんだかんだ心配してくれて、こうして肩を貸してくれる彼女の優しさを噛み締めた。
「……なぁ、刹那。覚えてっか?」
「なにを?」
「最初にオメェの誕生日を決めた日のことだよ。」
「……覚えてる。っていうか思い出したよさっき。」
「そうか。じゃあ俺が決まってやるプレゼントの話も覚えてるか。」
「……覚えてるよ。」
刹那はそう言って、穏やかな笑みを浮かべた。
俺はお前に何もやれる物はねぇ。
でも、オメェにはとびきり笑える場所を、ずっと用意してやる。だからテメェはいつまでも、そうやって笑ってろ。それが唯一、俺がテメェにできる事だ。
そう胸を張って言った銀時の幼い姿を思い出しては、懐かしさと優しさを感じた。
「ガキの頃の俺にしちゃァ、上出来なプレゼントだ。でも、俺だってもう大人だからなァ。それだけじゃいけねぇのはわかってんだ。」
「何言ってんの。このうえないくらい、十分な誕生日プレゼントだよ。今年もこうして、笑える場所を用意してくれた。本当に今日は楽しかった、ありがとう銀時。」
「…なぁ。その簪、アイツからもらったのか。」
ぐったり身を預けていた銀時が、すっと背筋を伸ばし立ち上がったかと思えば、頭につけていた簪にそっと手を触れる。
刹那は彼のいう〝アイツ〟が誰をさせいているのか悟り、小さく頷いた。
「そうか。あぶねぇあぶねぇ、被るとこだったわ。」
「…え?」
「ったく、普段気が合わねぇくせにこういう時だけキャラ被るのがムカつくんだよな…。」
「ねぇ、さっきから何一人でぶつぶつ言ってんの?」
小声でぼそぼそと話す銀時に、刹那は不思議そうに首を傾げる。
「…おい、目ぇ瞑れ刹那。」
「…え、ここで?」
「いいから、早く目ぇ瞑れって言ってんだ。」
「う、うん。」
半ば強引に彼女の視界を閉ざし、銀時は目の前にいる刹那の顔をじっと見つめた。
長い綺麗なまつ毛、月明かりに照らされる白い肌。いつの間にか、あの日天人達から逃げている時に再会した刹那よりも、ずっと女の顔をしている。
彼女をこうしたのは、その後に会った周りの連中だ。
今日みたいな刹那を好いている奴らを集めれば、彼女がどれだけ周りに好意を寄せられているのか、どれ程この目の前の女に魅力があるのかを知っている奴らがいるのかを痛感させられた。
銀時とて、一人の男だ。
もうとっくに一人の女として見てしまっている刹那を、他の誰にも渡したくない。
できる事ならば、自分だけの目の届く場所にいて欲しいくらいだ。
それでも複雑な事に、彼女が周りの奴らと接して微笑んでいる顔を見るのがまた好きで、閉じ込めておくには勿体ないほど輝いたその笑顔を、大切にしたいとも思う。
「…ね、ねぇ銀時。もう目ぇ開けていい?」
「…うるせぇまだだ。」
ぼんやりと彼女の顔を見てそう考えていた銀時に、不安ながらも声を漏らす刹那。
そして未だ自分のいう事をしっかり守っている刹那を見て、フッと力を抜いて笑った。
ばーか。隙だらけだっつーの。
そう呟いては、刹那の両頬に手を当てて、そっと触れるだけの優しい口づけを彼女にした。
「んんッーー!」
突然の行為に、刹那は声を上げ、後ろに下がろうとした。
だが銀時はやめる事無く、逃げられないように片手は後頭部へ素早く回し、更には逃げ場を失わせるため刹那の背中を近くの塀に押し当て、次第に激しく彼女の口元を自分の口で覆った。
刹那は呼吸する間もなく、徐々に全身の力が抜けていく。
頭の中が真っ白になりそうなのも何とか必死に耐え、弱々しい力でぎゅっと彼の胸元の服を握った。
それが彼を理性を掻き立てたのか、銀時の勇ましくて優しい手は刹那の耳に絡み初め、刹那を襲う快楽は勢いを増した。口内に舌を絡めるように動かし、まるで味わうかのように何度も口を閉じては再び開き、同じ行為を繰り返す。
「はぁッ、や、やだ待っ……んぅッッ!」
そんな銀時の攻めに自分でも驚くほどの甘い声が零れ、銀時の手や舌によって与えられる快楽に溺れていく。
そんな刹那の心境もよそに、左耳の次は右耳も同じように触れていく。
もう何も考えられず、呼吸する余裕すらない刹那に気づき、銀時はようやく彼女から口を離した。
「……耳、弱ぇんだな。」
「~~ッッ!」
勝ち誇ったような顔を浮かべて、銀時がそう言うのを見て、刹那は言葉を失う。
彼に触られた耳が熱くて思わずそこに手を添えると、ふと金属のようなものが両耳についていた事に気がついた。
「えっ、これ……」
驚いてなんとか目線を耳まで持っていくが、どう頑張っても見えるわけはなく、銀時の顔に視線を戻すと、長細い針のようなものを手のひらで転がし、ニヤリと笑った。
「穴開ける時痛てぇって月詠に聞いたから、気ぃ紛らわしてやろーと思ったんだが…思いの外効果は抜群だったみてぇだな。」
してやったという顔をする銀時を見て、もはや刹那の言葉は声にならない。
「……よく似合ってる、刹那。」
刹那の耳についたキラキラと輝くピアスは、月の光と刹那に備えられたことにより、銀時にとってはどの宝石よりも綺麗にさえ見えた。
「……わ、私も見たいっ!!」
頬を赤らめてそう言った刹那は、もう目と鼻の先にある自宅へと掛けていく。
銀時はやれやれと頭を掻きながら、刹那の後を付いて行った。
そうして彼女は明かりもつけず、薄暗い洗面所の大きな鏡に写る自分を見ては固まっていた。
「どうでぃ、俺からのプレゼントは。ちったぁ気に入ったか?」
「……どうしよう、銀時。」
「…あ?」
「私、女に見える……。」
「何いってんだ、テメェは。もう列記とした女だろーが。」
当たり前かのようにそう言う銀時を見て、はにかんで笑う。
男と偽ってそばにい続けていた人達なのに、今度は女としてそばにいてくれようとする。影で見守ってくれている。
子供から大人になっても、男だったのが女だと知っても、彼らの暖かさも優しさも変わらぬまま。
「銀時……ーーありがとうッッ!」
「……!」
満面の笑みを浮かべる刹那に、銀時はみとれて言葉を失う。
その輝いたピアスと簪に負けぬほど、キラキラとした笑みを見て、適わねぇと静かに笑った。
自分のものだと見せつけるかのように、与えたものなのに。
独占欲からきた代物なのに。
彼女はただただ、喜んで微笑む。
「……さぁて、ここからは大人の時間だ、刹那。覚悟しろよ。酒の入った銀さんは容赦しねぇからな。」
「……え?なにを?ひゃっ、ひゃぁッ!!」
突然自分の体がふわりと浮いたかと思えば、先程まで自分の肩を借りてしか歩けなかったはずの銀時が、ニヤニヤした顔つきで横抱きにし、寝室へと向かう。
「さっきの返事……子作りする相手はもちろん、俺だよなァ?刹那。」
弱いと知った耳元で敢えてそう呟くと、刹那は顔を真っ赤にして口をパクパクさせ、銀時を睨みつけた。
「もう一つの誕生日プレゼントは、俺の息子って事でどー…」
「調子に乗んなバカァッ!!」
「ぐはぁっ!いってぇッ!!」
刹那の鉄拳が銀時にストレートかまし、結局いつもの二人の仲のまま、刹那は一つ歳をとったのだった。