Happy birthday
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神楽に手を引かれ、刹那が部屋の中へとはいると、そこには自分を待っていた一人の女性の姿があった。
対面するのは初めてだが、万事屋の彼らから何度か話を聞いていたせいか、それが誰だかすぐ分かる。
「刹那さん、お誕生日おめでとうございます。」
「新八のお姉さんの、お妙さん!」
「ふふ、ご存じ頂けて光栄です。どうぞ、そんな畏まらずに〝妙〟と呼んでくださいな。」
口元を抑えて上品に微笑む彼女は華やかだった。
刹那は彼女に言われるがまま、酒を手渡されその場で酌をしてもらう。
手慣れた妙の手つきには、感心すら抱いた。
「ずっと、お会いしたかったんです。以前、新ちゃんのためにその身を呈して護って下さったっていう話を聞いた時から、お礼が言いたくて…」
「あぁいや、好きでやったことなんで気なしないで。それより、ここ妙と新八の家なんだよね?ごめん、なんか凄いことになって。」
「いいえ。刹那さんのお誕生日会をやりたいって話を聞いた時に、この場所を使うように言ったのは私なんです。せめてそれくらいはしたかったので……」
「ありがとう。すごく嬉しかった。忘れられない日になりそうだよ。お礼はそれだけで充分だ。」
刹那が優しく微笑む顔を見て、不覚にも妙が頬をあからめる。
なんと穏やかに笑う人なんだろう、と。
銀時が大事に想う気持ちを、なるほどと納得した。
「あー、お妙ちゃんそいつにゃ気をつけた方がええでぇ。」
「……辰馬!」
既に何本か焼酎をあけて出来上がっている様子の坂本が二人に千鳥足で歩み寄り、口を開く。
「こいつぁ元々男として過ごしてきたァせいで、女も悩殺させるテクもっとるきぃ。」
「持ってねぇよ。っつーか、なんでお前既にそんな出来上がってんの。」
「コイツはここに到着してるからもう飲んでるネ。」
「…あ、そう。」
「刹那。誕生日とは知らんきに、あまりえぇもんは用意できんかったが、これはワシからおまんにプレゼントじゃ。」
辰馬をあしらい、次に刹那の前に現れたのは陸奥だった。
大きめの小包を手渡し、はにかむ陸奥を見て、刹那は優しく微笑んだ。
「陸奥、ありがとう。これ、あけていい?」
その言葉に、陸奥は小さく頷く。
刹那は丁寧にその紙袋を開き、中身を取りだした。
「……これ」
「刹那に似合うと思ってのぅ。使ってくれ。」
「……お、おう……いや、いつ使うんだこれ。」
陸奥からもらったプレゼントの中身は、心の底から感謝できるものとは程遠い……花魁並のはだけた着物だ。
「ワシと陸奥で考えたんじゃ。ほれ、この前吉原で働いとったの見たきにぃ、好きなんかと思って。」
「……偵察と囮で働いてたんだよバカタレがッ!」
坂本の頭に刹那の拳がめり込む。
再び周囲の連中がどっと笑い、今度は刹那の前に真選組の近藤が現れた。
「じゃあ、これは真選組一同から刹那さんに。」
「えっ……真選組まで?!なんかすみません、気を遣わせてしまって。」
「いやぁいいのいいの。」
「刹那姉ちゃん、開けてみるアル!」
同じように渡された小包を開けると、今度は首輪やら枷やら、厭らしい大人のおもちゃグッズがその場に転がり落ちる。
「沖田隊長と愛を育むために使ってください!」
「使うかッッ!!!」
一番隊の数人が目を輝かせてそう刹那に言われ、思わず突っ込む。しかしいつの間にか背後に姿を現した沖田が、ニヤリと笑みを浮かべた。
「そ、総悟……」
「へぇ、テメェら案外気が利くじゃねぇか。じゃ、有難く受け取って……」
「なっ、何考えてんだこのクソど変態共がぁッ!刹那姉ちゃんに何てものプレゼントするアルかッ!」
真選組と神楽の乱闘が始まる。
刹那は苦笑いを浮かべつつも、現実から目を背くようにその場から離れる。
今度は刹那の前に桂が立ち塞がり、手のひらサイズの小包を渡してきた。
「受け取れ、俺からのプレゼントだ。」
「え、マジでか。ありがとう……」
同じように受け取り中を開けると、桂をキャラクター化したマスコットが出てきた。
「…………」
「攘夷活動温厚派のこの俺が、最近妙に人気が出ておってな。とうとう俺のマスコットまで世に出回ったんだ!凄いだろう!だからお前も俺が常にそばにいると思って……」
「定春、飲み込んでいいぞ。」
「ああああああっっ!!」
近くにいた定春の口の中に放り込む。
そして気づけば銀時と海坊主と神威が庭で喧嘩している光景を目にして、どっと疲れが押し寄せてきた。
少し夜風にあたろうと、皆に気づかれぬようこっそり屋根へと向かったのだった。
対面するのは初めてだが、万事屋の彼らから何度か話を聞いていたせいか、それが誰だかすぐ分かる。
「刹那さん、お誕生日おめでとうございます。」
「新八のお姉さんの、お妙さん!」
「ふふ、ご存じ頂けて光栄です。どうぞ、そんな畏まらずに〝妙〟と呼んでくださいな。」
口元を抑えて上品に微笑む彼女は華やかだった。
刹那は彼女に言われるがまま、酒を手渡されその場で酌をしてもらう。
手慣れた妙の手つきには、感心すら抱いた。
「ずっと、お会いしたかったんです。以前、新ちゃんのためにその身を呈して護って下さったっていう話を聞いた時から、お礼が言いたくて…」
「あぁいや、好きでやったことなんで気なしないで。それより、ここ妙と新八の家なんだよね?ごめん、なんか凄いことになって。」
「いいえ。刹那さんのお誕生日会をやりたいって話を聞いた時に、この場所を使うように言ったのは私なんです。せめてそれくらいはしたかったので……」
「ありがとう。すごく嬉しかった。忘れられない日になりそうだよ。お礼はそれだけで充分だ。」
刹那が優しく微笑む顔を見て、不覚にも妙が頬をあからめる。
なんと穏やかに笑う人なんだろう、と。
銀時が大事に想う気持ちを、なるほどと納得した。
「あー、お妙ちゃんそいつにゃ気をつけた方がええでぇ。」
「……辰馬!」
既に何本か焼酎をあけて出来上がっている様子の坂本が二人に千鳥足で歩み寄り、口を開く。
「こいつぁ元々男として過ごしてきたァせいで、女も悩殺させるテクもっとるきぃ。」
「持ってねぇよ。っつーか、なんでお前既にそんな出来上がってんの。」
「コイツはここに到着してるからもう飲んでるネ。」
「…あ、そう。」
「刹那。誕生日とは知らんきに、あまりえぇもんは用意できんかったが、これはワシからおまんにプレゼントじゃ。」
辰馬をあしらい、次に刹那の前に現れたのは陸奥だった。
大きめの小包を手渡し、はにかむ陸奥を見て、刹那は優しく微笑んだ。
「陸奥、ありがとう。これ、あけていい?」
その言葉に、陸奥は小さく頷く。
刹那は丁寧にその紙袋を開き、中身を取りだした。
「……これ」
「刹那に似合うと思ってのぅ。使ってくれ。」
「……お、おう……いや、いつ使うんだこれ。」
陸奥からもらったプレゼントの中身は、心の底から感謝できるものとは程遠い……花魁並のはだけた着物だ。
「ワシと陸奥で考えたんじゃ。ほれ、この前吉原で働いとったの見たきにぃ、好きなんかと思って。」
「……偵察と囮で働いてたんだよバカタレがッ!」
坂本の頭に刹那の拳がめり込む。
再び周囲の連中がどっと笑い、今度は刹那の前に真選組の近藤が現れた。
「じゃあ、これは真選組一同から刹那さんに。」
「えっ……真選組まで?!なんかすみません、気を遣わせてしまって。」
「いやぁいいのいいの。」
「刹那姉ちゃん、開けてみるアル!」
同じように渡された小包を開けると、今度は首輪やら枷やら、厭らしい大人のおもちゃグッズがその場に転がり落ちる。
「沖田隊長と愛を育むために使ってください!」
「使うかッッ!!!」
一番隊の数人が目を輝かせてそう刹那に言われ、思わず突っ込む。しかしいつの間にか背後に姿を現した沖田が、ニヤリと笑みを浮かべた。
「そ、総悟……」
「へぇ、テメェら案外気が利くじゃねぇか。じゃ、有難く受け取って……」
「なっ、何考えてんだこのクソど変態共がぁッ!刹那姉ちゃんに何てものプレゼントするアルかッ!」
真選組と神楽の乱闘が始まる。
刹那は苦笑いを浮かべつつも、現実から目を背くようにその場から離れる。
今度は刹那の前に桂が立ち塞がり、手のひらサイズの小包を渡してきた。
「受け取れ、俺からのプレゼントだ。」
「え、マジでか。ありがとう……」
同じように受け取り中を開けると、桂をキャラクター化したマスコットが出てきた。
「…………」
「攘夷活動温厚派のこの俺が、最近妙に人気が出ておってな。とうとう俺のマスコットまで世に出回ったんだ!凄いだろう!だからお前も俺が常にそばにいると思って……」
「定春、飲み込んでいいぞ。」
「ああああああっっ!!」
近くにいた定春の口の中に放り込む。
そして気づけば銀時と海坊主と神威が庭で喧嘩している光景を目にして、どっと疲れが押し寄せてきた。
少し夜風にあたろうと、皆に気づかれぬようこっそり屋根へと向かったのだった。