三.侍 時々 姫
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気づけば無意識に新八の前へ立ち、避ける間もなくあの液体を浴びていた。
それがよりによって、目にかかるとは思いもしなかった。
一瞬にして目が焼けてしまうほどの熱さを灯し、悲鳴すら、痛いと言うことすら敵わぬほど激痛に襲われた。
新八は、どんな顔をしていたのだろうか。
自分のせいだと、思っているのだろうか。
大丈夫だと言ってやりたかったのに、あまりにもの痛みに声すら出なかった自分に、苛立ちを覚えながら意識を手放した。
そうしてようやく意識を取り戻した時、
私の目に光が差し込むことはなかったーーーー
「全治二週間ってところですね。そのあと、運が良ければ視力は回復しますが…運が悪ければ、このまま見えなくなる可能性もあります。」
医者の堂々たる態度の物言いに、刹那はかえって気が晴れた。
遠回しに症状を言われるのは嫌いだ。
刹那は横たわっていた身体をゆっくり起こし、自身の顔にそっと触れた。
目の周辺をぐるぐると何十も布が巻かれている。
よほどの重傷らしい。
そんな自分の様子を、じっと心配な眼差しを向けて見つめている人の気配を感じ、その方向に顔を向けた。
「姉御…」
総悟が消えそうに呟く。
刹那はフッと方の力を抜いて口を開いた。
「総悟、か。この畳の匂い…もしかして、真選組の屯所?」
「はい。姉御を病院に連れていったら、パニック起こすの知ってますから。ここぐらいしか…」
「いや、充分だよ。ありがとう。心配かけたね。」
刹那は意外と冷静だった。
沖田は、刹那の姿を見るだけで胸を傷める。
膝の上に置いた拳をぎゅっと握りしめ、自分の不甲斐なさに腹を立てた。
「……すいやせん。俺達がモタモタしずに、あいつらをとっ捕まえてりゃこんなことには…」
「やめてよそんなの。誰も悪くないよ。自分でとった行動なんだから。」
「でも、姉御…目が……」
「ちょっと、まだ見えなくなったって決まってないんだから、そんな声出さないでよ。それより、あの連中は一体……」
「ありゃ攘夷志士の一派です。ここ最近、病院から特定の薬品ばかり盗まれる事件が相次いでまさァ。その薬品のひとつを持ち逃げしてたところを、偶然見つけて追いかけてた次第です。」
「そのある薬品って…」
「アルカリ性の薬品です。何を企んでそれを持ち逃げしているかまでは掴めていませんが…」
「そう……。そういえば、新八は?」
「彼はとりあえず今の状況を旦那に知らせるために万事屋へ向かわせやした。」
刹那はほっと胸をなでおろした。銀時の元へ行けたということは、新八が薬品を浴びたということはまずないという証拠になる。
それよりも、彼が自分を酷く責めているのではないかという心配が生まれ、しばらく考えた刹那はある決断を自身に下した。
「…総悟。ちょっと頼まれてくれないかな。」
「……仰せのままに。」
沖田は深々と頭を下げ、刹那の頼みを聞き入れたのだった。