二.真選組×万事屋編
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ひとまず首謀者の方へと突き進んだ銀時は、もはや斬った人間の顔すら見てはいなかった。
後方で援護してくれている神楽と新八を頼りにしがならも、男の元へと全速力でかけていった。
あれだけいきがっていても、あまり長く闘わせるわけにはいかない。
刹那の体の事を想えば思う程、また自分が彼女に対して何もしてやれなかったことに酷く苛立ちを覚え、足は更に速く動いた。
「てりゃぁぁぁぁっっ!!」
真選組の群れを駆け抜けた後、その男の姿がある。
銀時はそう思い、ただ一直線に走っていったが現実はそう甘くはなかった。
男の姿は見えたのものの、先日の奇襲をかけてきた透明化する天人達が前に立ちふさがっている。
「おいおい何なのよコレ。まーだ雑魚がいっぱいいるわけ」
銀時は立ち止まり。拍子抜けの声を漏らしてはため息を零した。
「念には念を。あなたが私にたどり着くまでそう簡単にはいきませんよ。それまで持つでしょうか」
「チッ…!」
男の言葉が何を意味するのか、銀時は理解していた。
男は楽しんでいる。刹那が闘い続け、朽ち果てるのを見る事を。
そしてそれが仲間がつけた傷となれば、その悲劇は奴の好物となる。
洞爺湖を握る指に力が入る。
切羽詰まったこの状況に、どう動くべきか考えていた。
しかしその険しい状況を、一人の声の主ががらりと変えたのだ。
「持つさ。まだテメェをぶん殴ってねぇし、銀時にちゃんと自分の事を言ってないからな。」
突然現れたのは、後方で真選組の相手をしているはずの、刹那の姿だった。
先ほど見た時よりも傷は増え、呼吸も荒く辛そうなのが目に見えて伝わってくる。
「何こんなとこで立ち止まってんだよ、銀時。もう終いか?体力ねーの?歳なんじゃねーの?」
いつものように陽気に話かけてくる刹那に、銀時は呆気にとられながらもフッと笑みを零した。
「誰に口きいてんだテメェは。俺がいつへばったんだよ!まだ全然どーってことねぇっての!テメェこそへばりそうなんだからさっさとどっか行ってろ!」
「バカ言うなよ。おいしいとこ一人で持ってこうとしてんじゃねぇッ!」
襲い掛かる天人達に、片腕しか動かない刹那は全力で立ち向かった。
そんな姿を見て、銀時も負けずと敵を蹴散らしていく。
どうやら真選組の方も片付いたようで、気づいた時には視界は随分と広がっていた。
「な、なぜそんなに闘っていられるんだ…!あなた達の戦力はもう既に…」
「はっ!笑わせんなっ!!」
ようやく始末した天人達の倒れた群体の中に、二人は立ち上がり最後の一人である男に切っ先を向け、張りのある声でこう言った。
「テメェの限界はテメェで決めるッ!」
「知った風な口きいてんじゃねぇッ!」
「ぐっ…!」
二人の圧倒的な自信のある笑みに、男は思わず身を反らす。
ゆっくりとこちらに近づこうとしてくる傷だらけの侍に、恐れをなしたのだ。
男はシルクハットを脱ぎ捨て、下唇を噛みしめながら胸ポケットから特殊な形をした拳銃を取り出した。
「死ねぇっ!!!」
「刹那っ!!」
男は刹那に的を定めて引き金を何度か引いた。
銀時は咄嗟に庇おうとしたが、刹那はそれを足で蹴り、銀時を自分から引き離した。
「なっ…!!」
一瞬の出来事に、誰もが驚く。
あれだけの血を流し、体力もとうに限界を超えているはずのその華奢な体に、一体どれだけの力が秘められているのだろう、と。
さすがの銀時も、刹那のその姿を見て言葉を失った。
何発もの銃弾を、一振りの風圧により全て散り落としたのだ。
「…私に弾は当たらん。こういう訓練は、死ぬほど受けてきたからな」
「なっ…化け物か、貴様っ!!!」
「あぁそうだ。てめぇら天人のクソみたいな野郎に作られた、戦闘マシーンだ。」
刹那の投げやりの言葉を聞いて、新八や神楽たちは胸を傷める。
「…でも、こんなにも一緒に闘ってくれる人がいる。こんなにも自分を大事に想ってくれる人がいる。私はその人たちを死なせたくないし、生きてる限り一緒に笑っていたい。私の体力が尽きないのは、大切なみんながいるからだ」
もう一度男を見た刹那の目は、青く澄んだ綺麗な瞳だった。
銀時は蹴飛ばされて横たわった体を素早く起こし、刹那の隣に立った。
「終わりだクソ野郎。テメェの負けだ。」
「ふ、ふざけるなァ!!」
「ふざけてんのはテメェだろーがーっ!!!」
銀時と刹那は同時に叫んでは飛び、左右から男に攻撃を与えた。
咄嗟に動きがとれなかった男は見事にその攻撃を受け止め、その場で血を流し、力尽きた。
沖田、土方、山崎、新八、神楽は二人のその背中を見て、ほんの一瞬だが二人の強い絆が実像で見えたような気がした。