二.真選組×万事屋編
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今日は渡航してきた上層部の連中の警護に当るべく、終日港で過ごす羽目になった。
一か月にあった奇襲で負傷した隊員たちも、今ではすっかり元気になって任務についていた。
全ての立ち会いが終わり、真選組達が一息ついた頃は、すっかり日付が変わってしまっていた。
沖田は缶コーヒーを片手に腰を下ろし、夜空を見上げた。
「あー、疲れた。こういう日には、癒されてぇなぁ。」
「なんだ総悟、珍しいこと言うじゃねぇか。彼女でもできたか?」
近藤がそう茶化すと、沖田はフッと笑みを浮かべた。
「違いますよ近藤さん。でも、なんか会うと癒されるんでさァ。あの、屈託のない笑顔に。」
「そりゃおめぇ、アイツのことだろ」
「…うるせえ土方死ねコノヤロー」
「え、え?!なに?!また俺だけ知らない感じ?!なんなの最近、二人とも反抗期?!なんで俺だけ仲間外れにすんだよぉ!誰だよそいつはー!」
沖田の思い浮かべる人を瞬時に刹那だと悟った土方に比べ、近藤はヒステリックを起こして喚いている。
二人はそんな局長を見ては、深くため息を零した。
「そういえば、最近例のストーカーの人、もうなくなったんですか?沖田さんから話でなくなりましたけど。」
同じくその輪に入ってきた山崎が、沖田にそう問うと、彼はチッと舌打ちをして正直に話した。
「刹那が恋人役を買って出てくれたおかげで、どうも諦めてくれたっぽいでさァ。」
「刹那さんって確か、あの旦那の万事屋銀ちゃんに新しく入った緑の長い髪の女の人でよね?なんでも絶世の美女とかって、街で噂になってますよ。」
山崎はまだ一度も会ったことはないが、潜入捜査やら情報収集で街に出ると、最近はその話題をよく耳にすることが多かった。
「それって、以前総悟を助けてくれたあの超絶美女?!なに、お前いつの間にまたそんなお近付きになったわけ?!」
「近藤さんうるせぇ」
「ハッ!どーりで最近任務中でも浮き足立ってたのかテメェは。恋人役なだけでそんだけ浮かれてちゃ、訳ねぇな」
土方にそう言われ、沖田の表情がムッとする。
「でもそりゃ、逆にあいつが危ねぇんじゃねぇのか?ほら、よくあんだろ。女は逆恨みして寝とった女に手を出すみてぇな事。」
「寝取った?!総悟、ままままさか大人の階段を……?!」
「寝取ってねぇ。っていうか悪魔でも役であって、そこまでしねぇ。」
「いいのかよ。アイツに言いよるいいチャンスだっただろーが。」
「土方うるせぇ。……でも、もし俺が本気になったところで、超えなきゃいけない壁がでかすぎる。俺には無理だ」
沖田は再び夜空を見上げる。
この時土方は、それがどんな意味を示しているのか理解していた。
刹那には、絶対的な存在である銀時がいる。
やつを越えられる存在にならなければ、まず男として刹那の視界に入ることすら不可能であろう。
そんなことを考えては、タバコの煙をふっと吐いた。
「なぁトシ、総悟!お前ら何勝手に悟ってんの?!ねぇ!!」
「あーもう、っるせぇな…」
近藤を適当にあしらおうとしたその時、近くで凄まじく大きな音が聞こえ、港からすぐ近くで上空に砂埃が待っているのを微かに確認した。
「なんでぃ、ありゃ」
「なんだ?喧嘩か?」
「ったく、仕事終わったってーのによ、トラブルだけは勘弁してくれよな」
各々にそう呟いて、疲弊して重くなった腰をゆっくりあげると、次は指のならす音を耳にした。
「あぁ?今度はなんでぃ」
「指の鳴らした音?に聞こえましたね。」
「いやいや、どんだけでけえ音出せるんでさァ。指、絶対いっちまってますよ。」
「よぉわからんが、とりあえず見て見ぬふりはできんだろ、いくぞ。」
近藤のその一言に全員が動こうとしたが、彼らの道を同胞達が阻んでいた。
「ちょ、お前らなにしてんの?そこどけよ。進めねぇだろー」
「おい待て、なにか様子がおかしい」
「おいテメェら、一体どうし……?!」
先程まで任務に営んでいた部下たちが、正気を失って目の前に立ちはだかっている。
各々で辺りを見渡すと、その場に自らの意思で立っているのは山崎、土方、沖田、近藤の四人のみということを理解した。
そしてそれとほぼ同時に、次々と刀を抜いて部下たちが攻撃を始めたのだ。
「ちょ、どうなってるんでぃ!こいつらイっちまってんのか?!」
「馬鹿言え!さっきまで一緒に働いてたじゃねーか!」
「でも、明らかにおかしいですよ!もしかして、さっきの指の音が何か関係あるんじゃ……!!」
「どーすんだこの状況!あいつら叩き切るしか方法はねーのかっ?!」
沖田、近藤、山崎、土方の順に文句を言いつつも、なんとか紙一重で攻撃を避け、相手の出方を伺った。
突然訪れたこの状況に、土方は必死になって思考を凝らした。
その時、なぜ自分たちが無事で彼らに突然変異が起きたのか瞬時に理解したのだ。
「おい、あいつら全員、1か月前の事件で負傷したヤツらばっかだぞ。」
「え?!じゃ、じゃあ何?その負傷したのが原因で、今頭おかしくなっちゃってるって事か?!」
「いや、まだはっきりとは分からねぇが、正気を保ってる俺らと、あいつらの違いはそれくらいしか思いつかねぇっ!!」
なんとか仲間に傷をつけぬよう、四人は気を配りながら闘う。
だが、いくら自分たちの部下だとはいえ、あれだけの数で斬ることもできないとなると、さすがの彼らも分が悪い。
どうしたらいいものかと、各々で必死に策を練っていると、再び爆発音と共に一人の影が凄まじい早さで飛んできたのであった。