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二.真選組×万事屋編

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お好きなお名前をどうぞ!

※下の名前は男女共用できる名前を付けるとストーリーがしっくりきます💦
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刹那と銀時は、町のハズレにある港付近へと到着した。

ここまで来れば、関係ない人たちを被害に巻き込むことはそうないだろう。

刹那と銀時は後方からやってくる女豹の方に体ごと向き合い、銀時は洞爺湖を構え、刹那は居合の体勢をとった。

「なるほど。人気のない場所なら全力で闘える、つまりこの私に勝つ気なのね。」

女豹の正体をお目にかかる。
銀時達は緊迫した空気の中、ごくりと息を飲んだ。

シルエットだけだったやつの姿も、物陰もない場所へ来れば月明かりに照らされる。
ようやく姿かたちがはっきりとその目で見えたところで、銀時は酷く衝撃を受け、硬直した。

「……おい、銀時。なんつー顔してんだよ。」

「おま、おまっ……だって見ろよ、あ、あれが女豹?」

「そうだけど?」

「なんだよあれ、何が女豹だよ!ただのゴリラオンナじゃねーかッッ!!」

「…こんな話を聞いたことがある。女豹一族は、暗殺を生業とする種族。力も肉体も全て極限まで極めた一族で、実は全員元男だとか。」

「いやいや、お前何冷静に恐ろしい話してんのよ。じゃああれか?!沖田くんは、あんなやべぇ奴に好かれてたってことか?!」

「ま、そういう事になるな。」

「なんでだよ、何で女豹って名前付けたんだよ!付けたの誰だよッッ!ふざけやがってコノヤロー!男のロマン返せッッ!」

「……銀時。話が見えねぇんだけど。男のロマンって、なんだ。」

呆れた刹那は銀時にそう問うと、腕に腰を当てて堂々たる態度でこう返した。

「女豹っていったらそりゃお前、猫耳に尻尾がついてるもんだろーよ!あとは露出度高いとかさッ!」

「……見てみろ、露出は高いぞ。」

「ちげーよッッ!あんな筋肉でできたくそ気持ち悪い芋みてぇな身体じゃねーよ!もっとスリムで細いラインで、こうエロい身体みてーなやつだ!」

「…よくわからんけど、残念だったな。」

「やだよもー俺やる気出ねぇぜ刹那さん……」

「アホかっ!そんなくだらない理由で戦意喪失してんじゃねー!」

「えー、無理ぃ。だって女豹じゃないんだもん。」

とうとう刹那の隣で鼻をほじり始める始末。そして気づけば洞爺湖すらも腰に刺し戻していた。

「テメェッッ!やる気ねぇんなら帰れ!」

「それはやだ。あ、じゃあ刹那が猫耳と尻尾つけて男のロマン叶えてくれるならやる。」

「なんだそれ!意味わかんねぇよ!」

「いーんだよー?刹那がやってくれないって言うなら、俺ァ女豹の恋を応援するね。」

」あーーっっもうめんどくせーな!何だっていいよ!早くさっさと刀抜けバカヤロー!」

刹那の怒鳴り声とほぼ同時に、2人目掛けて女豹は接近し、攻撃を仕掛けてきた。

間一髪で刹那は横へと飛び、銀時はそれを木刀で受け止める。

力較べで刹那に勝ち目はない。
そう思った銀時は、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ、鍔迫り合いをしながら刹那にこう言った。

「おい刹那、今の約束忘れるんじゃねーぞ。」

「しまっ……!!」

気付いた時にはもう既に銀時の策略にハマっていた。
白い目で彼を見ながらも、頭を抱えて大きくため息をこぼした。

今ここで彼の戦力を無くしては自分に勝ち目がないと判断したのだ。

「あんたたち、さっきから一体どれだけ失礼な話すれば気が済むのよっ!」

女豹は銀時から一旦引き、今度は刹那目掛けて光の如く走り出した。

「くっ……!」

さすが女豹と呼ばれるだけのことはあり、瞬きをする間もなく刹那の懐へと入り込む。
なんとかその一撃を水無月で交わしたが、刹那の身体からはぽたぽたと血が流れていた。

刹那!!」

銀時が思わず叫ぶ。
目を凝らしてみれば、女豹は隠し刀を所持していて、一本は水無月で交わしたが、もう一本は刹那の手のひらに深く刺さっていた。

「へぇ、あんたやるじゃない。」

「あっぶねぇ……手ェ出さなかったら腹真っ二つだったな」

刹那は苦笑いを浮かべながら、隙あらば押してさらに一打撃を与えようとしている女豹にどう太刀打ちするかを考えていた。

「そんな汚い傷だらけの身体じゃ、あの人の隣を歩けないわねぇ。ましてや手のひらに穴空いちゃったんじゃ、手料理すらできない。最初から、あんたにあの人は釣り合わないのよ。総悟様はもっと気高くて、気品がある…この私のような女じゃないとね。」

「……」

刹那は女豹のその言葉に返すことはなかった。
それを言い事に女豹は続けた。

「でも、あの人は私のこと眼中にない上に、あんたみたいな薄汚い血で汚れた女を選んだ。手に入らないなら、あんたも殺して……総悟様も殺すッッ!!」

女豹の力が更に強まる。
とうとう押し負けるかと、銀時は腹を括って横から攻撃を加えようと思ったその時。

「……笑わせるねぇ。」

刹那を取り巻く空気が変わった。
口元は弧を描き、青色の瞳に光が灯す。

不覚にも女豹はその視線に怯え、彼女から後退した。

「あながち間違ってねぇよ。私の手は血で汚れているし、気高くも気品もねぇ。私が総悟のような男の隣にいるのは不釣り合いだ。でもな……」

刹那は手に刺さった刀を抜き、その場にカランと投げ捨てた。
そして水無月の切っ先を女豹へと向け、再び口を開いた。

「てめぇみたいなひん曲がった考えしか出来ねぇ女となんぞ、もっと釣り合わねぇんだよ、クソ野郎がッッ!」

言葉と共に、刹那は勢いよく地を蹴り、一直線に女豹の元へと駆ける。
そして強い力が互いに衝突し、辺りは砂埃で二人の姿を消し去った。
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