二.真選組×万事屋編
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「それで旦那ときたら、姉上にタバスコ一本かけられたそのパフェを一気に平らげたんですぜ。おっかしいだろ」
「ふふっ、あー可笑しっっ!!ほんっと馬鹿だなぁあいつ。」
不安な気持ちを抱いてる銀時たちとをよそに、刹那は沖田から今まであった出来事を聞いて、涙が出るほど笑っていた。
街中を散歩するデートを決行した二人は、いつの間にかそれとらしくなってきた雰囲気を出していた。
「えぇ。でもなんだかんだ、お人好しな人ですぜ。俺の姉上の事で、最後まで一緒に付き合ってくれたんでさァ。」
「…そう。でもお姉さんの事、辛かったね。」
表情が少し曇る沖田に、刹那は情けなく笑った。
「私は一人っ子だったから、そういう辛い感情があまりわからなくて。ごめん、大したこと言えなくて。」
「いや、もう俺の中では吹っ切れた話です。気にしねぇでくれよ。」
「でも、これで少し総悟のこと理解出来た気がするな。」
「…え?」
「今の話聞いてると、似てるところなんてひとつも無かった気がするけど、でも君は、時々私をお姉さんと重ねて見てる。だからこんなにも私に優しく接してくれてるんだなぁってさ。」
「いや、俺ァ別に……」
刹那の言うことを、総悟は真っ向から否定できなかった。
彼女の言うとおり、時折刹那と自身の中で永遠に消えることの無い姉の面影が重なる時はある。
人のことばかり考えて、自分を支えてくれるようなあの優しい眼差し、笑顔。そんな所がどうしても同じに見えてしまっていた。
「あ、別にそれが嫌だとか、そういんじゃなくてね。もしそうなら、私を姉のように思ってくれて構わないし。なんかそれはそれで、私も弟ができたみたいで嬉しいもん」
「弟って…昔ずっと一緒にいた旦那なんて、そんな感じじゃあねぇですか?いつも面倒見て、姉御を困らせてるみたいですし。」
「総悟、姉御じゃなくて、刹那。恋人なのに変でしょ?」
「あ、すいません、つい。」
「…銀時はね、そんなんじゃないよ。」
「え?」
思わぬ返しに、沖田は首を傾げる。
刹那は少し上を見上げては、まるで口にする人物の事を愛おしいと思っているといわんばかりの優しい表情で、話を続けた。
「あいつね、一見私に面倒みさせるようにしてるけど、本当はわざとなんだ。そういう風に接すれば、私が必要なんだなって思ってそばに居るでしょう?でも、その行動に助けて貰ってるのは、実は私なの。」
「ど、どういう…」
「私はずっと孤独だった。幼い頃両親に殺されかけて家を出たあの日から。ううん、きっと産まれた頃から迎え入れてくれないあの家庭で育って、孤独だった。でも銀時といる時は、いつだってそんな寂しさを埋めてくれたし、戦争がなくなった今なんて、そばに居る理由がないと一緒にいれない不器用な私に、面倒を見るっていう名目で居場所を与えてくれているんだ。」
「……」
沖田は刹那が言う銀時の見解に、どう考えても刹那をそばに置いときたくてただを捏ねている子供にしか見えないと、突っぱねてやりたくなった。
が、刹那の表情は真実味を増した。
「本当は、放っておけば一人でなんでもできる奴だよ。だから、私のことを考えて、周りに悟られないように居場所を与えてくれる銀時は、私からしたら、弟じゃなくてお兄ちゃんみたいなものかな。」
「……姉御」
銀時の名を口にする時、彼女は自分が愛おしさを表した声で話している事を自覚しているのだろうか。
否、今しがたお兄ちゃんと言った時点で気づいてはいないだろう。
それでも彼女が銀時の前から去ろうとしたあの一件の頃に比べれば、二人の距離は紛れもなく縮まっていると沖田は確信した。
「あ、これ内緒ね。私が気づいてないと思ってやらしとかないと、あいつ急にシャイになってギクシャクするから」
「俺ァあの人がちょっと羨ましく思えてくらァ」
「え?」
「刹那にそんなに想われているなんて、なんだか悔しいじゃねぇか。俺の入る隙なんてどこにも…」
「…総悟?」
気づけば思い詰めた表情を浮かべる沖田に、今度は刹那が首を傾げる。
そもそも、言えるわけあるか。旦那の話をしているだけで、こんなにも表情豊かになる事を。こんなにも愛しく彼の話をする事を。
沖田はそう考えると、無性にもどかしい気持ちになり、無意識に大胆な行動に出た。
顔との距離を縮め、沖田が刹那の耳元まで口を近づけ、そっと唇を当てたのだ。
「そっ、そうっ……!!」
突然の行動に刹那はあたふたし、沖田の唇に触れられた耳は一瞬で熱を帯びた。
そして更には沖田の意地の悪い笑みを浮かべた顔を見てさらに心臓が飛び跳ねる。
刹那は口付けをされた耳を手で多い、言葉を詰まらせた。
「ははっ、刹那も人が悪ぃな。そんな反応されたんじゃ、俺が照れちまうや」
「な、な、なんてことすんの……!」
彼女のその声と共に、後方から三人分の攻撃が沖田目掛けて投げられてきたということは、これからほんの数秒後の話だ。