二.真選組×万事屋編
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※下の名前は男女共用できる名前を付けるとストーリーがしっくりきます💦
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もう一度言う。
【早起は三文の徳】ということわざは、俺はゼッテェ信じねぇ。
銀時は数メートル先でたのしそうに話す刹那と沖田の二人を見ては、双眼鏡を持つ手に無意識に力が入り、パリンと音を鳴らした。
「あぁっ、もう銀さん!それで何個目なんですか、双眼鏡壊すのっ!」
「っるせぇ!こんなもん壊さずにいられるかっつーの!なんか俺恋のキューピットみたいじゃん、いい歳こいてさぁっ!俺はあれですか、高校生で言うと友達と好きな子が被ったけど、実はその好きな子は俺の幼馴染でなかなか恋愛対象に見られず、自然とキューピットに回らせられる、可哀想な奴ですかコノヤロー!!」
「銀ちゃん、それもう例えになってないアル。あながち現実と同じアル」
「ウルセーよっ!だいたい刹那も刹那だよ、畜生。なんだよあいつ、いざとなったら銀さんが助けてくれるんでしょとか、いつの間にあんな可愛い台詞どこぞで覚えやがったんだ…よりにもよって変な甘え方覚えやがってコンチクショーッッ!!」
「確かに、以前の刹那さんならあまり考えられないですよね。どちらかというと、自分でなんとかするタイプでしたし。」
「そうだろ?!なんなんだよあいつ、まさか本当に女になりきっちまったのか?!誰だよあいつを女にした奴!」
「刹那姉ちゃんは前々かられっきとした女だヨ。確かに人より鈍感ではあるが、あの包容力、あの優しさ、あの飯の美味さ。動かぬ証ネ」
「いや、最後のはちょっとよく分からないけど…っていうかそれ女って言うより母性本能だよ!!女を通り越して母親心芽生えてるよっっ!!」
「アイツが母ちゃんだなんて俺ァ死んでも御免こうむるっっ!!」
「ま、まぁ銀さんからすれば先に恋愛心抱いて欲しいですよね。正直見ててあまりにもの報われなさに、少し同情します。」
「あぁ?!同情するなら金よこせっっ!俺なんて最近何やってもあいつ動じねぇんだぞ!まるで子供をあやすような顔しやがってよぉっ!」
「いや、そりゃ銀さんが子供っぽいことばっかするからじゃ…」
「銀ちゃんはやり方が下手くそネ。もっと刹那姉ちゃんの心をえぐるようなことしないと響かないネ。」
「えぐっちゃダメでしょ!えぐっちゃ!!神楽ちゃん言葉間違ってるから!!」
「それがなんでぇ。あのクソサディストの横じゃあんな女みてぇな顔しやがって……だから嫌だったんだよ。この仕事引き受けるの。」
銀時はそう言って、彼女の微笑んでいる姿を見ては酷く落胆した。
物陰に隠れた新八と神楽はそんな新八を心配し、もう一度刹那の方に目を向けた。
確かに銀時の言うように、やんわりとほころんでいる彼女の表情は愛らしい。
一体どんな話をしているのかは知らないが、もしあれが本当に自然体でできているのなら、沖田の接し方が上手いのであろう。
それに引替え銀時の接し方を思い出す。
刹那にいつも世話を妬かせるように仕向けるとか、ヤキモチ妬いて不貞腐れるとか、構ってもらって不機嫌になる、とか……
「なんか、圧倒的にフリじゃありませんか。普段の接し方じゃとても沖田さんには勝てませんよ、銀さん。」
新八の声は、もはや絶望のように顔を歪ませている銀時には届いていなかった。
「…ねぇ神楽ちゃん。マズイよ。僕達で刹那と銀さん、何とかできないかな。」
「任せるアル!ちょうどいい機会ネ!普段あのムカつくクソガキを餌にして、私が刹那と銀ちゃんをいい感じにするアル!」
燃えてきたぜぇぇ、と気合を入れる神楽を見て、新八はもう一度刹那の姿に目線を戻す。
やはりどこからどう見ても、恋人同士が他愛話で楽しく笑っているようにしか見えない。
「刹那さん、僕は嫌ですよ。銀さん以外の人に好意を持って、万事屋から離れちゃうなんて…。」
銀時たちはいつの間にか、沖田の依頼内容をすっかり忘れて、各々の目的のために闘志を燃やし始めたのであった。