二.真選組×万事屋編
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嫌な予感というのは、的中するものだ。
銀時はまさしく今、そう思っていた。
刹那に攻めという攻めを尽く潰された次に訪れた災難は、万事屋にあったーーー
朝食を取ったあと、不貞腐れた銀時は二度寝してやると心に誓っていた。
ちょうど新八が出勤し、刹那はキッチンで後片付けに営んでいた頃。
珍しく万事屋のインターホンが音を鳴らした。
「なんだぁ?客か?おい新八、神楽。話聞いといてくれ。俺ァ二度寝するってさっき心に誓ったんだ。」
「創業者のあんたが何言ってんすか!ただでさえお客さんが少ないんですから、たまにはシャンとしてくださいよ、銀さん!」
「いーだろ、俺よりしっかり者の刹那がいるんだから。っつーか、早く応対してこいよ。」
「なんなんですか朝からもうっ!」
フン、と鼻をならし新八が玄関へと足を運ぶ。
ガラリと扉を開けて依頼人を中に通そうとしたその時。
玄関の先にいたのは複数で、それも全員男。
新八は驚いて思わず体をそらした。
「わわわわわっ!!なんなんですか、ちょっと!!」
玄関か空いた瞬間、そ奴らは一斉に中へ入ろうと押し込んできた。
「ここに緑毛の姉ちゃんがいるって聞いたんだ!」
「依頼を頼みたいんだが、中に入らせてくれ!」
「金!金なら払うから!早く会わせてくれ!!」
男共は各々にそう主張し、なんとか力任せに中へ入ろうと試みる。
どうやら刹那の存在が江戸に知れ渡り、大方一目見たいやら接点を作りたいやら、あわよくばと考えているのだろう。
そんな下心のある連中を通すわけには行かまい、と新八は追い払おうと試みだが、既にその波に飲まれかれ、押されては体勢を崩した。
「わわわっ、ちょっ、ああっ!!!」
あまりにもの多くの人数に玄関扉が外れ、入口は更に広まり押し寄せてくる。
「ぎ、銀さん助けてぇぇぇ!!」
新八は思わず情けない言葉を漏らし、彼の助けを求めた。
が、そこに姿を現したのは。
まさしく火に油というか、男たちを更に熱くさせてしまう存在だったのだ。
「新八、どうし……え?」
刹那が現れた瞬間、そこにいた全員の動きが止まり、彼女に釘付けになる。
「おぉっ!これが噂の別嬪娘か!」
「噂以上に綺麗だ!来たかいがあったぜ」
「あ、あの!俺あんたに頼みてぇことが…!」
「馬鹿いえ、俺が先だろうが!」
「なんだと?!てめぇは俺の次だ!最初にこの玄関を通ったのは俺だ!」
「いや、俺だ!なんせ早朝からこの近くで機会を待ってたんだからな!」
「えーっと…あの、」
男たちは誰が一番最初に彼女に依頼を頼むかという口論を初め、終いには手が出る始末。
刹那は状況もいまいち理解出来ず、ぽかんと口を開けたまま、どうしていいか分からず立ち往生していた。
そんな時、様子がおかしいと思った銀時と神楽も玄関へとやって来ては、突然の状況に思わず驚きの声をあげた。
「なっ、なんだこりゃっっ!」
「すごい人アル!一体どうなってんだ新八ィ!」
そう聞かれた新八は、なんとかその場から距離をとり、ズレたメガネを直しては苛立った声でこう答えた。
「みんな、刹那さん目当てで来たんですよ!」
「なんだと?!私が追っ払ってやるネ!そんな下心ありありの依頼、誰が引き受けるか!」
神楽が指の骨をボキボキと慣らし、血走った顔をすると、困っていた刹那がそれを止める。
「ちょ、ちょっと神楽それはなんでも死人が出るから…」
「おいテメェらァ」
そして話は冒頭に遡る。
この場の空気を一瞬に変えた一言を放ったのは、寝不足と二日酔いと、刹那に朝あしらわれた不機嫌MAXの、銀時の殺気立った声だった。
「よこしまな考えで依頼しようって考えてるんなら、さっさと帰れや。俺がまだ大人しくしてるうちになァ」
「え、ぎ、銀さん…?」
あまりにもの迫力に、刹那は思わず顔が引き攣る。
当然刹那がその反応をするということは、その場にいる男たちも、さーっと顔から血の気が引いていた。
「お、鬼だ…あいつは鬼だァァァ!」
「おい姉ちゃん、騙されてるぞ!あんな奴についてっちゃァいかん!」
「そうか、監禁だ!脅されてここにいるんだな?!」
「俺たちで助けねぇと……!さぁ、手を!」
「え、なに?!ちょっ、は、離して!!」
勝手に勘違いした男たちは、刹那の手を取り勢いだけで連行しようと動き始めた。
人数の多さと刀を持っていない刹那は、いとも簡単に身体を持ってかれて家から連れ出されそうになる。
それを見た銀時の怒りが爆発し、ぶっ潰してやろうと袖を肩に担いで拳を握りしめたその時。
玄関先で酷く怒りを押し殺した声が、彼らの耳に届いた。
「テメェら、姉御になんてことしやがんでぃ。いますぐその汚ぇ手ェ離せや。さもないと適当に理由つけて全員しょっぴくぜ」
「あ、沖田さん!」
「く、クソガキ?!」
「……」
出遅れた銀時は、言葉を失う。
既に男たちに抜刀し、刃先を向けて威圧感のある血走った目で立っている沖田に、さすがの男たちも恐れをなしてその場を早急に立ち去って行った。
終始状況についていけなかった刹那はぽかんと口を開けたまま、がらりと広くなった玄関にしりを着いたまま固まっていた。
「ったく、最近姉御が万事屋にいるって噂が広まってるって言うから来てみれば、なんてザマですかぃ旦那ァ。」
「…うるせーよ。テメェが出てこなきゃ俺が力づくで追い返してたっつーの!つかなんでここにいんだよっ!」
「ひっでぇ!俺もちょっと頼みたいことがあって来たんですぜぃ。で、姉御大丈夫ですか?」
尻もちをついている刹那にそっと優しく手を伸ばす総悟に、刹那は未だ放心状態で無心にその手を取ろうとした。
総悟はまたよからぬ事を考えたのか、口元がニヤける。
その瞬間を、銀時は逃がさなかった。
「テメェもあいつらと大して変わんねぇだろぉーがーっ!!」
「ぐはぁっ!!」
見事な飛び蹴りが沖田に決まり、玄関を超えて数メートルまで吹っ飛んだ。