二.真選組×万事屋編
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真選組を狙う輩に奇襲を受けた日から一夜あけた朝。
かぶき町ではそのニュースでもちきりになり、駅前は復旧の作業に追われているような状況だった。
坂田家は刹那が早起きして作った朝食を食しながら、朝から家族団らんな様子で会話をしていた。
「それにしても、昨日の刹那姉ちゃんの戦いはすごかったアル」
「そうかな?なんかもう途中からあんま覚えてないんだけどね」
「なんかさぁー、随分タチ悪い奴になってね?お前。昔は闘ってる時の記憶がなくなるなんてこたぁあんまなかったし、俺に傷をつけるような真似はしない可愛らしさが残ってたと思うんですけど。」
「いや、そりゃあれだろ。私じゃなくて銀ちゃんの動きが鈍くなったんでしょう」
「なんだとテメーコノヤロー!」
「仕方ないじゃん。私だって別に好きで記憶無くしてるわけじゃないんだし」
刹那はふん、と不貞腐れて頭を摺り寄せてきた定春の頭を撫でた。
その記憶が曖昧な点については、刹那の解説がしっかりとあった。
長い間好きでもない戦争に狩りだされ、逃げる事もできず無心になって闘っていたせいで、その癖が抜けないという。
ちなみに無意識に口調が男らしくなるのは、侍として闘うから。という理屈で成り立っているらしい。
もっとも、刀を所持していないと運動神経が尋常ならぬ音痴だという事については、昔からなので言い訳はないが。
「っていうか、刹那さんは朝食とらないんですか?」
後からやってきた新八は、既に自宅で食事を済ませてきているため食べる事はない。
が、食卓の見るからに美味そうな朝食を、刹那が食べようとする姿勢がないことに疑問を抱いた。
「あぁうん。私はこれ作ってる時に食べたからもうお腹いっぱいなの。」
刹那はそう笑顔で答えた。
「そうなんですか。それにしても、料理上手なんですね!こんな食べ物を銀さん達が食べれるなんて、なんだか新鮮です」
「まー、話に聞くと今まで卵駆けご飯とかばっかだったって言うし…。神楽も育ちざかりだからしっかり栄養とらなきゃダメでしょ。だから、できる時は私が食事担当をしようと思ってね」
「それは助かる。これが毎日出てきたら俺だってさすがに仕事のやる気もでらァ」
「私もどんどん成長して、きっと刹那姉ちゃんみたいなボンキュ・ボンの体系になるネ!」
「そらぁ無理だ神楽。あいつとお前じゃ造りがまずチゲェよ。いろんな意味で」
「なんだと?!銀ちゃん今に見てろよ!刹那姉ちゃんの美味い飯くって私は魅力的な女になるネ!」
「いや待って。なんか基準がおかしいんだけど。っていうか私別にスタイルそんなよくないし。」
「いんや、オメェスタイルはいーよ?スタイルは。どっちかっていうと中身に問題があ」
銀時の言葉を最後まで聞くことなく、刹那は手にしていたおぼんを銀時の顔面に押しぶつけた。
「もーいいから黙って食ってろ」
「…はい」
刹那の恐ろしい圧により、銀時は大人しくなり、再び箸を動かした。
ふぅ、とため息を零した後、刹那は何か少し複雑そうな表情を浮かべ目を閉じた。
「…刹那さん、どうかしたんですか?もしかして、まだ体の具合が悪いとか?」
「え?」
突然新八にそう聞かれた刹那は、驚いてぴくりと肩を震わせた。
「いや、全然そんな事ないよ。ちょっと久しぶりの料理に腕をかけすぎて疲れえちゃっただけ。って、こんな時間じゃん!私ちょっと出かけてくるわ!」
「え?!どこへですか?!っていうか、一人で?!」
「十時から近くのスーパーで特売セールやってるから、数日分の食材の調達しようと思って」
「それなら僕も行きますよ。荷物とかあるし、大変でしょう?」
「大丈夫だよ新八。私結構力持ちだから。」
「そりゃ真剣をあんなに軽々と振り回せるくらいの腕力あんだから、買い物の荷物くらい平気だろーな。ふべっ!」
銀時の顔面に、今度は食べ終えた空の皿が飛んでいき命中する。
刹那はフン、と鼻をならしそのまま玄関へと歩み始めた。
「っていうわけで、ちょっと行ってくるから。」
「へーい、いってらっしゃい」
「刹那姉ちゃん、気をつけるアルよ!変なおじさんについてっちゃだめアルよ!」
「…気を付けていってきてくださいね」
各々が言う言葉に、はいはい。と母のような包容力の感じる声で答え、刹那は家を出て行った。
「…銀さん。なんか刹那さん、変じゃなかったですか?」
「変?あいつが変なのはいつもだろ」
「いや、そうじゃなくて。なんかちょっと顔色も悪かったような…」
「そうか?刹那姉ちゃんは私ら夜兎族みたいに肌白いからそう見えるんじゃないアルか?」
「うーん、それもちょっと違うけど…やっぱり僕、ついていこうかな」
「やめとけ新八。たかが買い物だし、危ねぇ目に合うこたぁねぇだろ。あいつだって一応大人なんだからよ。少しくらい一人でいてぇ時だってあんだろ」
言葉は全うだが、白飯を口にかきこみながら言うせいでいまいち心に響かない。
でも確かに、しっかり者の刹那からしてみれば、銀時と神楽と四六時中一緒にいては、多少なりとも息抜きできるところが必要なのではないかという考えも浮かんできた。
新八はそう考えては諦め、ソファへ腰を下ろした。
この時銀時が、新八と同じように彼女の僅かな変化に気づいていた事は、まだ誰も知らない。