二.真選組×万事屋編
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「おい総悟!大丈夫か!!」
沖田が彼女の敵陣へむかって小さくなっていく背中に見とれていると、気づけば土方と局長である近藤がその場にやってきた。
「俺ァ大丈夫でさァ。それより、あの人の援護を…」
「あの人って…え、何あの美女!!総悟、あんな人と一体どこで知り合ったの?!」
近藤は刹那とは初対面だ。
土方はその反応にめんどくささを抱きつつも、彼女の方に目をやった。
「…あいつ、さっき刀なんてもってなかったろ…ってまさかあれ…!」
「俺のでさァ。さっき、貸したんすよ。俺の魂を連れて、一緒に闘うって言って、いっちまいやした」
「…そうか」
土方はそう呟いて、立ち上がり彼女の後姿を見た。
何と凛々しい姿だろう。
先ほどまで束ねていた長い髪はほどかれており、歩く度に深緑色が左右に揺れ、夕日を浴びて光り輝く。
ピンと真っすぐ伸びた背筋と、背が高いせいかその背中は、勇ましく思える。
「って、おいおい大丈夫なのか?!あんな美女を戦場に送り出して!まずいんじゃないのか?!」
「刹那なら大丈夫だ。たぶん」
「姉御なら大丈夫でさァ。たぶん」
近藤の言葉に、土方と沖田が同じ言葉で返す。
「よくわからんが、今は人手が足りん。おいトシ、俺たちも行くぞ!」
「あぁ、近藤さん。すまねぇが、そこに気絶してるガキを安全なところまで連れてってやってくだせぇ」
立ち上がる近藤の裾をひっぱり、沖田はすぐ近くで眠っている少年の方に目を向けた。
「子供…?!逃げ遅れたのか!」
「そのガキになんかあっちゃ、俺ァ姉御に合わせる顔がねぇ。」
「分かった。安全な場所まで送り届けよう。おい、トシ!」
「あぁ?」
「彼女の援護を頼む。」
「言われなくてもわかってらぁ!」
近藤の指示を受けなくとも、土方は彼女の後を追うつもりだった。
だが走って彼女の背中を追おうとした瞬間、目の前に見覚えのある男が木刀で道を遮り、道をはばかれた。
「おいてめぇ!何すん」
「やめろ、今あいつの近くに寄ったら、死にに行くようなもんだぜ。」
銀時を睨むように見れば、刹那から目を逸らさずじっと見つめている。
が、その顔はやけに引きつっていた。
「お、おいテメェ…」
「この感覚、久しぶりすぎてちょっと冷や汗かいちまった。総一郎の奴、本気で刹那を怒らせるきっかけ作りやがったな……」
「総一郎じゃねぇ、総悟だって言ってんだろ。つか、どういう意味だよ坂田」
ひとまず奴の話を聞いてから動いた方がいいと判断した土方は、ポケットからタバコを取り出して火をつけた。
「あいつは自分の事じゃ怒らねぇ。普段はおおらかな性格してやがるし、無駄な殺生は好まねぇタイプだ。」
「…」
「だが、自分の周りの奴に危害を加えると、あいつも平穏じゃいられねぇタチなんだよ。見えるか、あいつの顔」
銀時に言われ、土方は彼女の方にもう一度視線を戻した。
その瞬間、背筋がぞくり、と凍るような感覚になった。
「なっ…なんだありゃ……」
「わかったか。あいつは昔、侍の中で『麒麟』という通り名を付けられたんだ。普段大人しいくせに、周囲の大切なもんに危害を加えると途端に人格が変わる……。今あいつの傍に寄れば、間違いなく巻き添い食らうぜ。死にたくなけりゃ、ちょっと黙って見とけ」
土方はその言葉に、返さなかった。いや、返せなかった。
大勢の敵の前で立ち止まり、髪が風でなびいた際に見えた表情が、あまりにも恐ろしかったからだ。
「おい神楽、新八ぃ!テメェらも下手に助太刀すんじゃねーぞ!」
「わ、わかったアル」
「行きませんよ!ていうか、行きたかったとしても、無理ですよ。あれじゃあ、僕らが足でまといになる…」
新八と神楽は、ぎゅっと手を握りしめ、無数に広がる天人たちと刹那をただ、見守った。