二.真選組×万事屋編
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呆れた表情を浮かべていたかと思えば、急に遠くを見て険しい顔をする刹那が目に付き、銀時は土方に絡むのを止めた。
「…おいどうした、そんな顔して」
「何か来る」
「何って、何が?」
「---っ!!まずい、みんな逃げろぉぉぉ!!!」
急に刹那はそう大声で叫び、駅前にいる人たちにそう告げた。
その瞬間、銀時はようやく自分たちのすぐ近くに殺気を放った何者かがいる事に気が付いたのだ。
だが彼女が叫んだ時にはすでに遅く、突然どこからか分からぬ砲撃がその場を襲い始めたのだ。
爆発音が次々と鳴り始め、建物が崩れる音、民間人の悲鳴が次々と聞こえてきた。
「な、なにが起きてるんですか?!」
「おいおいおいどうなってんだよ!」
状況についていけず、ひとまず頭を抱えて砲撃が当たらないようしゃがみ込む銀時達。
この状況にいち早く動き、周りにいる人々に避難を呼びかけ誘導しはじめたのは、真選組の二人だった。
避難指示を出しつつも、動ける真選組の応援を要請している姿を見て、刹那はもう一度目を凝らした。
「おいおい刹那さん?!さっきからどこ見てんの?!何か見ちゃいけねぇものが見えてるってか?もしかして、この襲撃もそいつらの仕業か?!」
「いや、間違いなくあそこにいる。安心しろ、ありゃ幽霊でも何でもない。」
「刹那姉ちゃん、何が見えてるアルか?!私には何も見えないアル!」
「見えてるわけじゃない!でも、あそこから確かに気配と呼吸の音が聞こえる」
「…なるほど。オメェが言うんだ。間違いねえな。っつっても、見えねぇんじゃ斬りようがねぇ。どうすんだこの状況!」
「くそったれが!何が目的かしんねーけど、こんな人盛りが多いところで奇襲なんかかけてきたら何人の人が犠牲になるっつーんだ!」
「あ、おい刹那!」
引き留める間もなく、刹那は物陰に隠れた銀時達の元を離れるべく走り出した。
混乱真っただ中の方に駆けていく彼女の後姿を見て銀時は彼女の姿を見て、ハッと青ざめた。
「銀さん、刹那さん行っちゃいましたよ?!ってなんて顔してんだあんたぁ!」
「おいやべぇ、新八おめぇ今日木刀もってねぇか?!」
「何言ってんですか銀さん。買い物行くのに木刀刺してくるのは銀さんくらいですよ」
「やべぇ、刹那がやべぇ!」
「ちょっと、さっきから何言ってるんですか?全然話読めないんですけど」
「いやあれを見ればわかる!」
銀時がそう言って刹那の方を指さした瞬間。
数メートル先で刹那はベタに転んでいた。
「…刹那さん!大変だ!奇襲があたったんじゃ…!」
「刹那姉ちゃん!攻撃を受けたアルか?!今私には何も見えなかったね!敵は目に見えない攻撃をしかけてくるのか?!」
「いやちげぇ!全然ちげぇ!あいつはそんなんに当たらねぇよ!っつーかどう見てもあれは転んでんだろーがよっ!」
顔面を地面に打ち付け、両手を上にあげた状態で倒れている刹那を見て、銀時は頭を抱えた。
「あいつ、昔から刀を身に着けてないと極度の運動音痴なんだよ!大して走る事もできねぇ。」
「ええええっ!?何ですかその短所!意味わかんないんですけどッ!」
「んな事今俺に言うな!とにかくなんでもいいからあいつに刀っぽいもの持たせねぇと、あいつこそ奇襲に巻き込まれてしんじまう!」
「銀さんの木刀渡せばいいじゃないですか!」
「ばっかお前、今この場で敵現れたらどーすんだよ!俺以外に対処できねーじゃねぇかよ!」
「刹那姉ちゃん、今助けるネ!!」
刹那の後を追うように神楽も走り出すが、さらに増す攻撃のせいで結局引き返してきた。
「あたた、もーなんで何も無いところで転ぶかな……」
そんなこんなしている間に、刹那はゆっくりと起き上がり始めた。
銀時と新八は、呑気にしている刹那になぜ銃弾が当たらないか不思議で仕方ない。
こんな状況下にいながらも緊張感のない彼らだったが、一人の泣き声を耳にして空気が変わった。
刹那の数メートル先に、まだ小さな子供が母を呼び、泣いている。
この混乱した状況で外れたんだ。
「早く行かなきゃ…」
刹那は立ち上がり、その子の元へ何とか辿り着き、目線を合わせるようにしゃがんで肩に手を乗せた。
「大丈夫?ママとはぐれたの?」
なんとか刹那の声が届く位置にいた新八は、それを聞いてあたふためいた。
「ちょ、ちょっと刹那さん、そんな悠長なことしてる場合じゃ……!」
「ちげぇよ。あいつがあたふたしちまったら、あの子供の恐怖心を余計煽るだけだ。あいつだって内心ヒヤヒヤしてるさ」
銀時は刹那をじっと見て、そうはっきりと断言した。
「ここは危ない。ちょっと離れたところにママも居るはずだから、近くのお巡りさんにママのとこ連れてってもらおうか。」
優しい口調で話しかける刹那だが、少年は泣き止まない。
それを見守る銀時たちは内心ハラハラしながらも、じっと耳を済ませた。
「…ねぇ君、名前なんて言うの?」
「ま、ま、まさよし……」
泣きじゃくりながらも、なんとか刹那に答える。
彼女はそれを聞いてにっこりと笑みを浮かべては、瞬時に真剣な眼差しを少年に向けた。
「…まさよし。怖いのはわかるけど、今は泣いてる場合じゃない。お前の母さんだって不安がってる。男のお前が助けてやんなきゃ、ダメだろ」
「……うん!!」
刹那の言葉は、確かに少年に届いた。
よし!と言って刹那はその小さな肩をポン、と叩き、立ち上がる。
早くこの子を安全なところへ移さねば…。
刹那は近くに真選組がいないかと辺りを見渡すと、どうやらこちらに気づいて総悟が走り始めていた。
「総悟!ごめん、この子をお願…」
「刹那、危ねぇ!!」
「姉御っ!!」
「刹那姉ちゃん!」
「刹那さん!!」
突如、刹那の頭上にあった建物の一部が崩れ、二人を襲う。
銀時はなりふり構ってれず走り出したが、どうにもこうにも間に合わない。
神楽も持っていた傘で銃撃し、それを破損しようと試みたが、その砕いたものが二人に当たる可能性もあり、引き金が引けない。
まずいっっーーー!!
気づいた時には地面が揺れるほどの衝撃と、地面に突きつけられたコンクリートの破片が砕ける音が鳴り響いたのだった。