二.真選組×万事屋編
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「と、いうわけで今日からここでみんなと一緒に働く事になりました。よろしくお願いします、先輩方お二人さん」
『万事屋銀ちゃん』のリビングにて、刹那は向かいで朝食をとっている神楽と、今しがた出勤した新八に凛とした声でそう告げた。
新八と神楽はパッと表情を明るくし、刹那に飛びつき喜びの声をあげた。
「やったネ新八!これで万事屋も安泰ネ!」
「そうだね神楽ちゃん!刹那さんがいてくれれば少しは銀さんもしっかり働くと思うし!」
「いやそれは、私の力ではなんとも…あいつの性分だし」
しれっとそう答える刹那に、新八は一度は落胆しそうになったが、彼女がここにいてくれる事で得た安心感はそれだけではなかった。
「でも心強いですよ!仮にも銀さんに信頼されてる人ですし…危険な仕事がきても、なんとかなりそうな気がします!」
「へぇ、そういう危ない仕事も引き受けてんのね」
刹那は自分に無邪気に寄り添う二人を見て、小さく息を零した。
まだこれから楽しい事にいっぱい巡り合えるだろう年ごろの二人がを守らなければいけない。そして、こうして命の危険に関わる仕事も銀時と一緒に乗り越えることが、どれ程その人間の心を強くするのか。少しばかりその成長を見るのを楽しみに感じた。
神楽が夜兎族だという事は、先日の焼き肉を食べに行った時に聞いていた。
同じ天人でも、自分が関わってきた奴らとは天と地の差だ。
神楽は神楽で、刹那の包容力ある対応にすぐさま〝姉ちゃん〟と呼ぶようになっていた。
もはやたった数日で銀時以上に懐いているのではないか、というレベルだ。
「そういえば、刹那さん。もう部屋は見つかったんですか?」
先日別れる前に、自分の住む家を探すと言っていたのを思い出した新八は、ソファに座りなおして刹那にそう質問した。
当の本人は、新八が入れてくれた温かいお茶をゆっくりとすすりながら、危機感のない声でこう返した。
「うーん、それがまだ。ここでしばらく働こうと思うと、この辺で探したほうがいいんじゃないかなーとか、いろいろ考えてたらなかなか決まらなくて…」
「刹那姉ちゃん、私とここに一緒に住めばいいアル!」
「いや神楽ちゃん、ここ一応俺ん家だから、俺ん家。そのセリフは普通銀さんからでしょ?」
「でも逆に刹那さんがここに住んだらちょっと危なくないですか?だってあの銀さんと一つ屋根の下どころか、ほぼ同棲になっちゃうじゃないですかっ!」
「ど、同棲って…」
銀時がその響きに、あからさまに頬を上げた。
新八が素早く彼に白い眼を向けるが、一人妄想の世界。もう突っ込む気も失せる。
「大丈夫!銀ちゃんが刹那姉ちゃんに手ぇ出そうとしたら、私がやっつけるアル!心配するな!」
「あーいや、問題はそこじゃないんだけど。」
「え?」
ハッキリとそう答える刹那に、新八は違和感を抱いて首を傾げた。
「そもそも銀時はそんな異性らしい扱いを私にする事なんてないし、そこは気にしてないよ。っていうか、刀あれば別になんとでもなるし。」
「え、ちょ、ちょっと刹那さん?!ていうか、最後のとこなんかおかしくね?!刀って何?!俺手ぇ出したら斬られんの?!」
「っていうか刹那さん、今さらっと銀さんを勘違いしてる発言なかったですか?!銀さんは刹那さんの事めっさやらしい目で見てますよ!危ないですよ!いつか襲われますよ!」
「オーイこのクソメガネ!何意味わかんねぇ事言ってんだオイッ!俺がいつ刹那をやらしい目で見たんだよ!」
「毎日見てるアル。私には分かるアル。」
「え、どうしよう。私気づかなかったんだけど。っていうか、元々そういう目つきじゃなくて?」
「おい刹那てめぇ、どさくさに紛れて何俺の目の悪口言ってんの?!えー何もう、俺への地味な嫌がらせ?!」
「まあなんでもいいや。とにかくここに住む事に対してその心配はしてないよ。神楽ちゃんもいるし、そこは銀さんも大人の対応をしないと、ね?っていうかさっきも言ったけど女と見られてないから。」
さぞ当たり前かのように言い、心底銀時の事を善意ある大人だと誤解している刹那に、新八は返す言葉もなかった。
そして当の本人である銀時は、いささか自分の刹那に抱いている感情を本人に理解してもらえていない事に、酷く落胆していた。
「じゃあ、何をそんなに懸念してるアル?」
「いや、何かこう職場の家に住むって、なんかオンとオフわけれないじゃん。」
「何ですかその今どきあんまりいない、バリバリに仕事出来るキャリアウーマンみたいな考え方!」
「刹那姉ちゃん、もしかして元OLって言うヤツあるか?!」
「んなわけねぇだろ!この人攘夷戦争出たとかどーとかこの前聞いたばっかでしょ、神楽ちゃん!!」
「お前いい歳してそんな若い仕事できますオーラ全開にしてんじゃねぇよ!その時期すぎたっつーの!つかなんだよその理由!んなこたァどうだっていーだろぉが!」
「人を年増みたいな言い方すんじゃねーよ!銀時よりまだ若いっつーの!ていうか、仕事とプライベートのめりはりは大事だ!」
よくわからない刹那のこだわりに、さすがの新八と神楽も呆れながらも、渇いた笑みを浮かべた。
「じゃあ別に銀さんと一つ屋根の下で生活するのは問題ねぇわけだな?」
「何を今更。そもそもずっと一緒に生活してたじゃん。」
「…お前さんそれ、もう何年前の話だと思ってんの」
「なんか、何となくわかりました。とにかく刹那さんが銀さんのことを一人の男として意識してないのはよく分かりました。」
「おい新八ぃ。それをサラッと言うな。銀さんめっさ傷つくんですけど。」
銀時の睨む目線を無視し、新八は再び刹那と向き合った。
「まぁでも、刹那さんが今後天人達に狙われないとも限らないですし、ここいるのがいろいろ安全だと思いますよ。僕らからしても。」
「うん、まぁね……そうだなぁ。じゃあま、いっかここで。」
「えっなにその妥協満載の言い方!そのしょーがねぇなここで我慢してやるか、みたいな感じ!」
「わかったわかった、悪かった」
「あーもーなんだよコンチクショウ!銀さんだってちったぁ女にモテるんだからな!家の見つからないおめぇを仕方なく置いてやらぁ!」
「へぇ、昔は天パをモテない理由にしてたけどモテるようになったんだ!まぁそれなら、やる時は言ってよ。席外すか、外泊するし。」
「やる時ってなにをですか!そんな美人なのにサラッと言うなぁぁぁ!!」
冷静に銀時の言葉を間に受けて返す刹那に、新八は突っ込むところが絶えずあり、酷く疲弊した気分になった。
「まぁ、そういう訳でよろしく頼む。」
「…んとに、分かってんのかねぇ事の重要さを。まぁいいけど。じゃあ、今日は買い出しにでも行くか?」
「買い出し?」
「おぉ、服やら家具やら欲しいもんとかねぇの?お前」
「あー。確かに服は欲しいな。女の着物って結構動きにくいんだよなぁ。」
「刹那姉ちゃん、お買い物行くアルか?!私も行きたいネ!」
「いいよ、じゃあみんなで行く?」
刹那はキラキラと目を輝かせて自分を見る神楽の頭を撫でながら、そう提案すると新八も同じように刹那を見た。
「げ、お前らも行くの?!じゃあ銀さんお留守番しようかな。」
柄にもなく、刹那を二人に取られて嫉妬してる雰囲気をわざと出す銀時に、刹那は容赦なく立ち上がって玄関へと向かった。
「じゃあ、銀さんはお留守番。神楽ちゃんと新八くんは私と買い物。駅前のデパートに行って、買い物終わったら甘いデザートでも食べに行こう。私の奢りね。」
「わーいっ!」
「えっ、えっ?!今なんつった?!今デザートとか言わなかった?!あ、ねぇ、ちょっと!!刹那さーーーーんっっ!!」
1人家に取り残されそうになる銀時は、先に行く刹那達に置いていかれないように急いで準備して、追いかけたのであった。