1.序奏
name change
name changeお好きなお名前をどうぞ!
※下の名前は男女共用できる名前を付けるとストーリーがしっくりきます💦
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝方、そっと静かに家を出た。
昨日は夜家を出て焼肉を食べに行き、銀時は飲み潰れ、新八や神楽も体力の限界まで騒いだせいか、三人とも深い眠りについていた。
刹那は久しぶりに日差しにあたるのを嬉しく思いながら、ゆっくりとかぶき町を歩き始めた。
腹に空いた傷穴をそっと撫でてみると、かなり回復に向かっていた。
昨日銀時たちと話している時に、自分は人より治りが早いと咄嗟に出てしまいなんとか誤魔化したが、どうやら自分が考えていた事は間違っていなかったようだ。
天人たちが常に治療と研究を自分に重ねてきていたせいで、私の体は免疫力がかなり高まっている。
それもあって、恐らくあの深手でもこうして生きていられるのだろう。
とうとう、身体までもが人間離れしてきてしまった。
「そのうち、バケモンにでもなっちゃうかな、私。」
ふぅ、と呆れてため息を零す。
情けない笑みが自然と浮かび、行先不安になる気持ちが出てきた。
私に、長い未来はきっとない。
あれだけ身体に負担をかけてきて、天人達の力で無理やり治してきたんだ。
急にその治療が途絶えれば、その影響は少なくとも免れないだろう。
長年付き合ってきた自分の体のことは、何となくだが蝕まれていることを理解出来ていた。
昨日焼肉屋で銀時達と飲んでいた時、ひょんな話から新八に今後どうしていくのかという質問が投げかけられた。
新八と神楽は、何も予定がないのであれば、一緒に万事屋の仕事をやらないか、と。
その言葉が、ただたた嬉しかった。
でも即答はできなかった。
なぜなら、彼らと一緒にいてまたいつこの体に限界が来て、目の前で命を絶つ時がくるか分からないからだ。
銀時に、もう自分のせいで辛い思いをさせたくはない。
そう思うと、この先彼らと一緒にいる選択肢を取っていいのかも分からない。
その場で銀時が何も言わなかったのは、私が薄々何か躊躇っていることに気づいていたからだ。
銀時の口から一言、一緒にやろう。なんて言ってくれたら答えはすぐ出てしまうのにーー
そこまで考え、刹那はハッと我に返った。
何をそこまで銀時に期待しているのだろうか。
彼は人に執着しない。
ましてや、晴れて自由の身になった私を縛るようなことはしないだろう。
それでも、彼に一緒にいて欲しいと言われたいと密かに願う自分に、違和感を覚えた。
「ちょっと待て、何急に女心みたいなもんが芽生えてんだ。勘弁してよ、全く。」
刹那は額に手を当てて大きくため息をついた。
「なんか、さっきからため息多いですぜぃ、姉御」
「え……っ!?」
どこかで聞いた声を耳にし、刹那は急いで顔を上げて辺りを見渡した。
まだ早朝で一通りも少ないというその場に、見覚えのある男が無表情のまま立っていた。
特徴的な制服を身にまとっているのを見て、刹那はすぐに彼が真選組の者だと理解する。
そして彼に見覚えがあるのは、あの天人達から逃げ出して力尽きた時、薄れる意識の中で何度も声をかけてくれたからだ。
「きみ、は…。見ず知らずの私を、2回も助けてくれた真選組の人だね。本当に、なんとお礼を言ったらいいか…」
「あぁいや、お礼とかそういうの面倒なんでいいでさァ。ていうか、あんな一瞬でも俺の事覚えてるんスね。沖田総悟でさァ、総悟とでも呼んでくださせェ。もう動いて大丈夫なんですかぃ?姉御。」
「あぁ、傷はもうすっかり良くなって……って。待って、私なんで姉御……」
「旦那の元相棒とあっちゃ、姉御以外になんて呼べばいいんですかぃ。ていうか、旦那は一緒じゃないんスか?」
旦那=銀時だということをすぐ理解した刹那は、自分のペースを貫く沖田に苦笑いを浮かべながらも、言葉を返した。
「銀時なら昨日飲みすぎてまだ寝てるよ。ありゃ今日は起きたら二日酔いで使い物にならんだろーな」
「そうっスか。それなら、あんたは今暇ってことだな。」
「え、まぁ、散歩にでてきただけだから暇だけど。」
「ちょっと俺の巡回に付き合ってくだせェ」
ニッコリと爽やかな笑みを浮かべる沖田に、刹那はどこか腹黒さを感じて首を縦に降る以外の選択肢をとらざるを得なかった。