1.序奏
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数メートル先を、女同士楽しそうに神楽と刹那が横を並んで歩く。
少し後ろに、銀時が彼女の背中を優しく見守るように歩き、その隣を新八が歩く。
新八は銀時のその優しい眼差しを横目で見ては、小さく笑った。
「刹那さんって、実は結構明るい人なんですね。ちょっと意外でした」
その言葉に、銀時は〝あー〟とうなだれるような声を零し、頭を掻きながら返した。
「あいつは基本、何があっても笑い飛ばすような奴だよ。まぁ、昔に比べると随分変わったみてぇだけどな。」
「そうなんですか?」
「そりゃオメェ、仮にも男のフリしてたんだぞ。今みたいに女っぽくしてたらおかしいだろーよ。」
「…確かにそれもそうですね。」
「誰もあいつを女だと疑わなかったくらいだからな。まぁ体つきは随分華奢な方だが、身長は俺より少し低いくらいだから別に違和感ねぇし。口調もそれなりに荒かったよ昔は。」
「へぇー。なんだか今の刹那さんを見てると想像もつかないや。気品で大人の女性って感じのオーラがあふれ出てるし。」
新八も、少し先を歩いて楽しそうに微笑んでいる刹那の方を見た。
「おいおい新八ィ、何、もしかして刹那をそーんな厭らしい目で見ちゃってるわけ?」
絶えず刹那を見つめていた銀時が、猫目のようにニヤニヤと目を細めながら新八を見ては、ニシシと笑う。
新八は慌ててそれを否定した。
「ちょっ、違いますよっ!僕はそんなんじゃないですって!第一、仮にそうだとしても、刹那さんのような素敵な人は僕みたいなお子様は相手にしてもらえないですよ、きっと。」
「一応言っとくが、あいつ俺より年下だぞ。昔から老けて見えるが。」
「えええぇぇっ!?」
銀時のその一言に新八が大きな声を上げると、前方にいる二人は振り返り首を傾げた。
「どうしたネ新八」
「何かあった?」
「え、い、いや何でもないです」
当の本人に実年齢より上に見えてました。銀さんより年上かと思ってました、なんて大人の女性にハッキリ言えたもんじゃない。
新八は慌てて両手を振って何もないと否定し、再び前を見て歩き始める二人を見てはホッと胸を撫でおろした。
「なに、ちょっとは脈ありだと思った?」
再び銀時はにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。
「やめて下さい!僕は常にお通ちゃん一筋です!そういう銀さんはどうなんですか?!刹那さんに接する時だけ、今まで見た銀さんの中で誰よりも優しく接してるような気が僕にはしますけど。銀さんこそ恋ですか?!」
「バッカ、ちげぇよ。あんな強くておっかねぇ奴好きになったら大変だろうが!第一あいつ、怒るとすんげぇ怖ぇんだよ、地球崩壊レベルだよ!ヅラなんて一回あいつを怒らせてちびりそうになってたぜ」
「えぇっ!?桂さんが?!」
「それに、俺はあいつをずっと男だと思って接してきたんだ。いきなり女になって現れたとしても、俺の中ではまだあいつが男のままに見えてしかたねぇ。」
「ま、それもそうですよね…」
「だいたい銀さん、付き合うと束縛しちゃうタイプじゃん? あいつみたいなモテそうな奴彼女なんかにしちまったら大変だろ。なんか鈍そうだし下心ある奴とか分からずについていきそうだし…」
「…あんた仮の話でどこまで想像してんだよ…」
新八の話に乗ったつもりが、銀時はいつの間にか軽蔑の眼差しを向けられていた。
そして隣で新八がまた別の話をする中、銀時は彼女の背中を見て複雑な心境を抱いた。
表面上だけでも否定しておかねぇと、本当にあいつを女として見ちまう。
俺があいつを女として見ているのがもし本人にバレちまったら、あいつはきっと俺と接することは無くなるだろう。
対等に、守りあっていきたいというのが刹那の意思だ。
でも完全に女として見ちまったら、俺は刹那を危険な目には合わせたくなくなる。護りたくて仕方なくなる。
きっとそれをあいつは、心底嫌うんだろうな。
それならば、いつまでも隣を歩いて行ける関係でいよう。
自分の気持ちは押し殺せばいい。
銀時は、そんな儚い思いを心の中へしまい込み、ようやく見えてきた焼肉屋にがっついて走り出すのであった。