1.序奏
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刹那は素早く間合いを縮め、銀時の懐に入り込む。だがそれを紙一重で受け止め、斬られるのを防ぐ。
しかし、銀時の読みは少しばかり甘かった。そのままの勢いで、刹那はさらに力を込めてそのままの体勢の銀時を再び力任せにぶっ飛ばしたのだ。
「なっ……!!」
驚きを隠せぬまま、銀時は数メートル飛ばされ、なんとか着地に成功して再び刹那の姿を見た。
「お前が知ってる刹那とやらは、もうどこにもいねぇよ。なんせ、この女はあの日から、俺が長年実験を積み重ね続け、唯一それに耐え凌いだ殺人人形なんだからな。」
「……実験?」
「記憶だけ消す実験をずっと行ってたとでも思ったか?それと平行に、人間がどれほどの痛みまで死なずに耐えられるのか、どれほどの苦しみに耐えられるのか。身体能力の限界を越えられるどうか、幾度の実験を繰り返し、それでも生き残った実験台だ。それを生きて全て乗り越えたのは、その女しかいねぇ。」
平然と説明するエドの言葉に、銀時達の様子を伺っていた土方たちも怒りのあまりに血が滲むほど強く拳を握りしめた。
「刹那さんは、どんな気持ちでそれを……」
「ひ、酷すぎるネ!何もしてないのに!どうしてそんな事ができる!!」
「なるほど。その実験を散々繰り返されたせいで、あいつは病院というより薬品類の匂いや環境、全てにおいて体が恐怖を覚えちまってるってわけか……」
「そりゃ意識が朦朧としてる中でもあれだけ嫌がってたわけでぃ。普通なら耐えられるようなもんじゃねぇさ」
「全ての実験に成功し、全ての試練に耐えてきた彼女は、我々が新しく〝レイ〟という名を授けた。実験台……No.0だったからな。」
口元に薄気味悪い笑みを浮かべるエドを見た銀時は、怒りを必死に押し殺した。今は奴に怒りを向けている場合ではない。とりあえず目の前の刹那をなんとかして助けなければ、奴をぶん殴るのはまず不可能だろう。
「くそっ、しゃーねぇな……。おい刹那!」
「……」
名を呼んでも、返事はない。ただただ、目の前の自分に殺意を向けているだけだ。
「待ってろ、俺が今助けてやっからよ。オメェはもう充分苦しんだんだ。これ以上背負うことはねぇ。」
体に受けた衝撃は重い。立ち上がるだけで体が軋んで痛みを訴えてくる。それでも。
「昔お前が俺の背中を守り続けてくれたように、今度は俺がお前を守る。」
こんな状況でも、銀時はニヤリと含みのある笑みを浮かべて刹那へと突っ走り始めた。
二人が再戦している中、土方は込み上げた怒りを一旦クールダウンさせるため、ポケットにあるタバコを取り出し火をつけた。
「ありゃやべぇな。」
「やべぇって、何がですか?!」
「いくら向こうが殺す気で挑んできたって、旦那は本気では戦えませんぜ。むしろ傷をつける気すらないような気もしまさァ。旦那の方が、正直分が悪いと思いますぜぇ。」
「そ、そんなこと言ったって……!」
「銀ちゃんなら大丈夫ネ!きっと何とかするアル!」
「銀さん……」
新八たちは、ただ銀時の闘う背中を見つめて祈ることしか、今できることは他に無かった。