1.序奏
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※下の名前は男女共用できる名前を付けるとストーリーがしっくりきます💦
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抜け道を曲がったところで、人影が見えて銀時は足を止めた。
相手もこちらに気づき、目があった。雨が視界を遮る中、なぜかその姿だけははっきりと見えた。
新緑の長い髪、真っすぐな青色の瞳。乱れた着物から微かに見える肩の古傷。間違いない、刹那だ。
「やっぱり、生きて…生きてたんだな、刹那」
時が止まった気がした。刹那がどこかで生きてればいいと思った。
遺体がないとは言え、息を引き取ったところまでは紛れもなく確認した。
その現実から目を背けたこともあった。それでもやっぱり、こうして目の前に生きた姿で現れたことだけで、それだけでいい。
ゆっくりと歩み寄り、自分の姿を見て唖然としている彼女の目の前で止まり、目線を合わせるためにしゃがみ込む。
「よぉ、生きてっか。刹那」
自分でも驚くほどの優しい声色と、無意識に浮かぶ微笑みだった。
刹那は未だに自分の顔を見て、驚きのあまり声を失う。やがてじっと見た先にゆっくりと手を伸ばし、銀時の頬にそっと触れた。
「ぎ…ぎん…とき…?」
弱々しく零れるその声に、銀時の中で何かがプツンと音をたてて切れた気がした。気づけばやせ細った刹那の背中に手をまわし、強く抱きしめていた。
「んだよチクショウ、会って一発ぶん殴ってやろうとしたのに、そんな女っぽい声出したら殴るもんも殴れねぇだろうが!!」
「銀…銀時なの?本当に…?」
消えかかっていた刹那の記憶が少しずつ蘇る。名前すら思い出せなくなっていたのに、なぜだろう。
本人を目の前にすると、自然と目の前の銀髪の男の名を口に出す事ができた。きっと自分の中では、よほど強く残っている記憶だったのだろう。そんな刹那の心境とは他所に、銀時は勢いよく自分から彼女を引き離し、両肩に手を置いた。
「あぁそうだよ!おめーの元相棒の銀時だ!オメェに背中を預けてた、あのクセッ毛天パの白夜叉の銀時様だっ!」
途中で少々投げやりになりつつも、銀時がそう刹那の顔を見て怒鳴るように言うと、刹那の目から自然と大粒の涙がこぼれ始めた。
「よかった…会えた…もう一度…会えた…」
何年振りかに合った刹那は、随分女らしさを露にしていた。こんな風に泣いたところを見たことがない。こんな風に、頬を赤らめて自分の名を呼ぶ姿を見たことない。全く別の人物ではないかと疑うくらいだ。
「ったく、心配かけやがって。ほら行くぞ」
「行くってどこへ…」
「俺ん家に決まってんだろ。オメェそんな体で何しよってんだよ。まずは治療が先だろ。なんか医者が苦手になっちまったって聞いたからな」
「あ…ちょ、ちょっと待っ…」
まだ状況にいまいちついていけない刹那の腕をしっかりと握りしめ歩き始めた。
「銀時待って、ねぇちょっと…!」
「あぁん!?なんだよ、こっちはいろいろ状況についていけなくて無性にイラついてんだよ、何か文句ある!?」
「あぁ、大有りだねぇ。」
「?!」
刹那に向けて言ったつもりの言葉を、突如別の声で返事が返ってきた。その声の先に視線を素早く向けると、エドという男の護衛についていた二人組の男たちが姿を現した。