1.序奏
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※下の名前は男女共用できる名前を付けるとストーリーがしっくりきます💦
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「全員一緒に行動してったって意味ねぇ!手分けして探すぞ!」
銀時達は一旦別々に行動する事を決意し、各々で道を走り始めた。
先ほどまでの強い日差しとはうって変わり、今度は黒い大きな雲がかぶき町全体を包み込み、激しく雨が降り始めていた。
「くそったれ、こんな時に雨降りやがって!足元取られるだろーがっ!」
誰にも届かない独り言を吐き捨てながら、銀時はただ必死に走り続けた。そして頭の中では、どこか冷静にアイツとの過ごした日々を思い浮かべていたのだ。
ーーーー
俺はこのくせ毛の天パが嫌いだ。それはなぜか。
いつも一緒にいるこの隣の奴が、ストレートでさらさらヘアでモテるからだ。
それに加えて誰に対しても紳士的な対応、憎めない爽やかな笑顔。おまけにすらっとした侍っぽくない少し細見の体系が、なぜか女に絶妙な効果がもたらせているのだ。
どっかの街をふらりと歩いても、視線が集まるのはこの隣の相棒。あいつのように、ストレートヘアなら俺もモテるんじゃないかと思う。
そんな事を考えながら不貞腐れた表情を浮かべていると、当の本人はクスリと小さく微笑んだ。
「何変なツラしてんだよ、銀時。そんな不貞腐れた顔してさ」
「あぁ?別に、おめーが無条件にモテてるからって拗ねてねぇよ」
「くだらない事に拗ねんなよ。モテるモテないなんてどうでもいいだろ」
ははっと無邪気に笑う。
こいつを見ていると、時折女に見えて鼓動が大きくなる事がある。
密かに頬を赤らめる銀時をよそに、歩く足を止めぬまま刹那は空を見上げた。
「なぁ、銀時」
「あ?」
「俺さ、もっと強くなってやりたい事があるんだ」
「…なんでぇ急に。」
俺の名を優しく呼ぶ奴に、視線を向ける。何か思い詰めた表情を浮かべながら、少し言葉を選びながら再び口を開いた。
「この刀で…この剣で俺は大事な人を守りたい」
「何言ってんだ?おめぇは十分強ぇだろ?なんてったって、俺が背中預けられるくれぇなんだからな。」
自分で言って、改めて実感する。どんな危ない戦いでも、どんな状況でもこいつの力を信頼できると言い切れる程、こいつは強いし逞しい。だからこそ、こいつを時折うらやましいと思う。
それでもなぜか、時々切ない表情を浮かべてはどこか遠くを見ている。この男は一体何を抱えているのだろうか。どんな古傷を背負っているのだろうか。
幼い頃からついていたというその左肩のくっきり残った傷跡。人一倍優しさを振舞えるほどの温かい心の持ち主。
剣術を覚えて強くなっても、その力で人を殺める事を好んでしないという強い信念。
俺はこいつが抱えている問題を、いつか知る事ができるのだろうか。そしてこの男を、ずっとそばで支える事ができるのだろうか。
そんな事を考えていると、空を見上げて考えていた刹那が視線を自分に向けて、なぜか切なそうに笑った。
「俺はできれば、おまえと一緒にずっと、剣を振るっていたいよ。そしたら俺はきっと、間違った道を進むことはなくなると思うから。」
「…刹那?」
まただ。酷く切なく笑う相棒を見て、胸がチクリと痛んだ。一体、何を。どういう辛い過去を抱えているんだ。
奴の横顔を見て、力になりたい。そう強く思った。