苺大福
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ったく山崎のやつ、マヨネーズが足んねェんだよ、30本ってなんだ30本て
俺はそんなことを考えながらカゴの中にマヨネーズを放り投げる。
いつものようにカゴいっぱいのマヨネーズ。
そしていつものように2番レジに並ぶ。
2番レジにはいつものようにあいつがいる。
桜さん。
名前しか知らない。
まあ、当たりめェか。俺と桜はただの客と店員だもんな。
『いらっしゃいませ』
深々と頭を下げ笑顔を作る桜。
他の店員よりも丁寧な接客。
『ふふ、今日も大量のマヨネーズですね』
「ま、まァな」
桜はたまにこんな感じで話をしてくれる。
俺のことを覚えてくれていることに喜びを感じる。
こんだけマヨネーズを買ってりゃ覚えるのも無理ねェか。
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『あっ土方さん!』
数日経ってマヨネーズを買いにまたいつものスーパーに寄った。聞き覚えのある声に俺はすかさず振り向いた。
『こんにちは、今日もこんなに買うんですね!』
そう言うと微笑む桜の姿があった。
「あれ、俺の名前知ってんだな」
ふと思った。
『そりゃ知ってますよ』
少し頬を染めて言う桜。
真選組の副長だもんな。知らねェこたねェか。
淡い期待を浮かべていた自分が恥ずかしくなった。
「今日はレジじゃないんだな」
『今から休憩なんです。ちょっと付き合ってはくれませんか?』
「あぁ、悪ィが今から屯s……」
え?今なんて言った?
『そうですか、それは残念。お仕事頑張ってくださいね!』
少し悲しそうな笑顔を見せる桜。
「ちょ、ちょっと待て!時間はある、付き合うぜ」
俺がそう言うと頬を赤く染めて明るく笑う。
その笑顔が可愛くて俺も顔を赤に染まる。
『実は私、土方さんとずっとお話したいなって思ってたんです。だからすごく嬉しいです!』
「いつもレジで話しかけてくれるじゃねーか」
『そう言うんじゃなくて、2人でお話しがしたかったんです』
と照れた顔で言う桜。
なんで照れてんだ?
俺の中でまた淡い期待が膨らんじまう。
『もう、こんな機会ないかもしれないから一言いいですか?』
身長的に上目遣いになる桜。
心臓がとてつもない速さで動き出す。
「あんだ?」
『私、土方さんのこと好きです。』
「っっえ」
心臓はさっきよりも速く動く。
『マヨネーズ見るたびに土方さんのこと思い出しちゃって、いつの間にかマヨネーズがなくても考えちゃうんです、土方さんのこと。もっと知りたいです、だから……』
桜が言い終える前に俺は桜にキスをしていた。
目の前には顔を真っ赤にして目を丸くする桜。
「俺も好きだ。俺のこともっとちゃんと知ろよ?』
自分がどんな顔をしてるのか知らねェが
桜はとびっきりの笑顔で頷いた。