初月の少女
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よく晴れた正午前。
銀時、高杉、桂、名前の4人は松陽におつかいを頼まれており町の方へ来ていた。
ゆっくり町を歩くのは何年ぶりだろうか。
少し前まで逃げ回っていた道。またこんなゆっくり歩ける日がきたことに自然と笑顔が溢れる。
その笑顔を銀時は横目で見ていた。
「名前、見てくれ」
桂に呼ばれ向かうとそこは髪飾りの店だった。
このような店を始めてみる名前は少し心を躍らせながら置いてある沢山の髪飾りを視界に入れる。
「綺麗だね。ヅラ髪綺麗だから似合いそう。」
とその中の一つを取って桂の髪に近づける名前。
「ヅラじゃない桂だ。侍はこういうのは着けん。名前は綺麗だから似合うんじゃないか」
と一つ髪飾りをとって名前の髪にあてる。
「…私はこういうのはあまり得意じゃないの。」
と柔らかく、でも少し寂しそうにつぶやいた。
「なんでだよ。似合うのに」
と、横をみると高杉だった。先ほどまで道端で銀時と口喧嘩をしていたのにいつの間にこちらに来たのか。視線は名前には向いておらず、ただ置いてある髪飾りたちをみていた。
「ふふ、ありがとう」
と名前が笑うと高杉は視線を反対側へ向けた。
「ヅラくーん、しんちゃーん、なーにしてんのー?」
と名前と高杉の間に無理やり割って入ってくる銀時。髪飾りには興味なさそうに鼻をほじってる。
「ごめんごめん。ほら、ヅラ!置いてくよー。」
再び4人歩き出した。
⸻
先ほどより強い日差しが照りつける帰り道。
松陽に頼まれたものを購入し、前に桂と名前。後ろに高杉。そのちょっと後ろに銀時。とバラバラに歩いていた。
名前と桂は何やら近所の野良猫の話で盛り上がってるようだった。
楽しそうに笑う名前の顔を後ろから、こっそり見てる2つの視線。
「それで猫殿がな……」
と桂が言いかけたとき、桂は名前の異変に気づいた。
「おい名前、顔が赤いぞ」
と桂が名前の頬に手を伸ばしかけたとき
銀時と高杉が動いた。
ドサッ
銀時と高杉は手を伸ばしたが
名前は地面に倒れた。
「名前!」
銀時は名前を背負う。高杉が羽織を名前の頭にかけ
3人は急いで塾へと戻っていった。
⸻
名前が目を覚ますとそこはいつもの寝ている部屋だった。
横をみると桂が座って眠っている。枕元には歩狩汗が置いてあった。
優しく微笑む名前。
「目は覚めましたか?」
襖が開くと松陽が立っていた。
「先生。…すみません。」
「なぜ謝るのですか?」
「迷惑かけちゃった」
「銀時と晋助と小太郎がここまで運んでくれたのですよ。お礼を言ってください。謝ってはいけない」
そういうと微笑む松陽。その微笑みに安心する。名前が思い切り返事をすると松陽は何かを持っている手を名前へ差し出した。
「先生、やっぱ気づいてたんですね…」
「貴方が隠しているようだったので渡すのが遅くなってしまいました。」
松陽が差し出したものは番傘だった。
「でもコレは貴方のお母さんが使っていたようなものではありません。普通の日除の傘です」
名前は笑うと傘を受け取る。
「ありがとうございます。」
名前は番傘をみつめる。
襖の外で微かに音が聞こえる。気づいたのは松陽だけ。
「私、母が夜兎で父が地球人なんです。天人排除の動きがあるのに、ずっと地球で暮らしていました。住んでた村の人たちも皆んな優しくて、でも、」
名前は傘を握った。
「…村は焼かれちゃいました。
私も連れて行ってくれたらよかったのに」
部屋の中が先程よりも静かに感じる。
松陽はすぐには答えなかった。
ただ、名前の手の中の傘を一度見てから、ゆっくり口を開く。
「……そう思ってしまうのも、無理はありません」
名前の肩がわずかに揺れる。
「大切なものを失ったとき、人は“どうして自分だけ残ったのか”と考えてしまうものです」
松陽は名前の隣に座った。
「ですが」
少しだけ、声が柔らかくなる。
「貴方がここに来てくれたことを、私はとても嬉しく思っています」
名前が顔を上げる。
「もしあの日、貴方があの村で命を落としていたら」
松陽は静かに笑った。
「銀時も、晋助も、小太郎も……
きっと今のようには笑っていないでしょう」
襖の向こうで、小さく何かが動く音がした。
「人が生き残る理由は、あとからできていくものです」
そう言って、名前の手の上からそっと傘を支えた。
「この傘は、貴方を守るためのものです。まあ、コレは貴方のお母さんが使っていた物とはだいぶかけ離れていますけどね。」
と笑い、そしていつもの穏やかな声で続ける。
少しだけ、優しく目を細める。
「貴方はもう、一人ではありませんよ」
名前はしばらく何も言わなかった。
ただ、傘をぎゅっと握りしめる。
襖の外から、どこか不機嫌そうな声が聞こえた。
「…ヅラ、あいついつまであそこにいんだ。」
目を見開く名前。
すると急に隣で座って眠っていたはずの桂が声を発する。
「ヅラじゃない桂だ」
名前は驚きながらも思わず小さく笑った。
松陽も微笑む。
「どうやら、3人ほど心配性がいるようですね」
松陽は立ち上がると襖を開ける。
「ヅラくーん、女の子の部屋に入り浸るなんてやっぱ変態だねお前」
「変態じゃない桂だ。」
松陽は立ち上がる。
「心配なのはわかりますが、盗み聞きはよくありませんよ」
と微笑むと3人にゲンコツをくらわせ、
名前は楽しそうに笑った。
銀時、高杉、桂、名前の4人は松陽におつかいを頼まれており町の方へ来ていた。
ゆっくり町を歩くのは何年ぶりだろうか。
少し前まで逃げ回っていた道。またこんなゆっくり歩ける日がきたことに自然と笑顔が溢れる。
その笑顔を銀時は横目で見ていた。
「名前、見てくれ」
桂に呼ばれ向かうとそこは髪飾りの店だった。
このような店を始めてみる名前は少し心を躍らせながら置いてある沢山の髪飾りを視界に入れる。
「綺麗だね。ヅラ髪綺麗だから似合いそう。」
とその中の一つを取って桂の髪に近づける名前。
「ヅラじゃない桂だ。侍はこういうのは着けん。名前は綺麗だから似合うんじゃないか」
と一つ髪飾りをとって名前の髪にあてる。
「…私はこういうのはあまり得意じゃないの。」
と柔らかく、でも少し寂しそうにつぶやいた。
「なんでだよ。似合うのに」
と、横をみると高杉だった。先ほどまで道端で銀時と口喧嘩をしていたのにいつの間にこちらに来たのか。視線は名前には向いておらず、ただ置いてある髪飾りたちをみていた。
「ふふ、ありがとう」
と名前が笑うと高杉は視線を反対側へ向けた。
「ヅラくーん、しんちゃーん、なーにしてんのー?」
と名前と高杉の間に無理やり割って入ってくる銀時。髪飾りには興味なさそうに鼻をほじってる。
「ごめんごめん。ほら、ヅラ!置いてくよー。」
再び4人歩き出した。
⸻
先ほどより強い日差しが照りつける帰り道。
松陽に頼まれたものを購入し、前に桂と名前。後ろに高杉。そのちょっと後ろに銀時。とバラバラに歩いていた。
名前と桂は何やら近所の野良猫の話で盛り上がってるようだった。
楽しそうに笑う名前の顔を後ろから、こっそり見てる2つの視線。
「それで猫殿がな……」
と桂が言いかけたとき、桂は名前の異変に気づいた。
「おい名前、顔が赤いぞ」
と桂が名前の頬に手を伸ばしかけたとき
銀時と高杉が動いた。
ドサッ
銀時と高杉は手を伸ばしたが
名前は地面に倒れた。
「名前!」
銀時は名前を背負う。高杉が羽織を名前の頭にかけ
3人は急いで塾へと戻っていった。
⸻
名前が目を覚ますとそこはいつもの寝ている部屋だった。
横をみると桂が座って眠っている。枕元には歩狩汗が置いてあった。
優しく微笑む名前。
「目は覚めましたか?」
襖が開くと松陽が立っていた。
「先生。…すみません。」
「なぜ謝るのですか?」
「迷惑かけちゃった」
「銀時と晋助と小太郎がここまで運んでくれたのですよ。お礼を言ってください。謝ってはいけない」
そういうと微笑む松陽。その微笑みに安心する。名前が思い切り返事をすると松陽は何かを持っている手を名前へ差し出した。
「先生、やっぱ気づいてたんですね…」
「貴方が隠しているようだったので渡すのが遅くなってしまいました。」
松陽が差し出したものは番傘だった。
「でもコレは貴方のお母さんが使っていたようなものではありません。普通の日除の傘です」
名前は笑うと傘を受け取る。
「ありがとうございます。」
名前は番傘をみつめる。
襖の外で微かに音が聞こえる。気づいたのは松陽だけ。
「私、母が夜兎で父が地球人なんです。天人排除の動きがあるのに、ずっと地球で暮らしていました。住んでた村の人たちも皆んな優しくて、でも、」
名前は傘を握った。
「…村は焼かれちゃいました。
私も連れて行ってくれたらよかったのに」
部屋の中が先程よりも静かに感じる。
松陽はすぐには答えなかった。
ただ、名前の手の中の傘を一度見てから、ゆっくり口を開く。
「……そう思ってしまうのも、無理はありません」
名前の肩がわずかに揺れる。
「大切なものを失ったとき、人は“どうして自分だけ残ったのか”と考えてしまうものです」
松陽は名前の隣に座った。
「ですが」
少しだけ、声が柔らかくなる。
「貴方がここに来てくれたことを、私はとても嬉しく思っています」
名前が顔を上げる。
「もしあの日、貴方があの村で命を落としていたら」
松陽は静かに笑った。
「銀時も、晋助も、小太郎も……
きっと今のようには笑っていないでしょう」
襖の向こうで、小さく何かが動く音がした。
「人が生き残る理由は、あとからできていくものです」
そう言って、名前の手の上からそっと傘を支えた。
「この傘は、貴方を守るためのものです。まあ、コレは貴方のお母さんが使っていた物とはだいぶかけ離れていますけどね。」
と笑い、そしていつもの穏やかな声で続ける。
少しだけ、優しく目を細める。
「貴方はもう、一人ではありませんよ」
名前はしばらく何も言わなかった。
ただ、傘をぎゅっと握りしめる。
襖の外から、どこか不機嫌そうな声が聞こえた。
「…ヅラ、あいついつまであそこにいんだ。」
目を見開く名前。
すると急に隣で座って眠っていたはずの桂が声を発する。
「ヅラじゃない桂だ」
名前は驚きながらも思わず小さく笑った。
松陽も微笑む。
「どうやら、3人ほど心配性がいるようですね」
松陽は立ち上がると襖を開ける。
「ヅラくーん、女の子の部屋に入り浸るなんてやっぱ変態だねお前」
「変態じゃない桂だ。」
松陽は立ち上がる。
「心配なのはわかりますが、盗み聞きはよくありませんよ」
と微笑むと3人にゲンコツをくらわせ、
名前は楽しそうに笑った。
