初月の少女
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少し欠けた月の下
1人の少女は月を見上げていた
寂しそうな瞳で
「…」
銀時はその少女を遠くから見つめていた。見つめていたと言うか無意識に見ていた。
「銀時、帰りますよ」
少し先でこちらを見ている松陽。銀時は少女を振り返りながら松陽のところへ駆けていった。
⸻
「天人なんて死ね!!!この国から出てけ!!」
数名の青年たちに蹴り飛ばされ殴られている1人の少女がいた。少女は抵抗することもせず。ただただ攻撃を受けている。その瞳には感情はない。
刀を振り上げる青年。少女の表情は変わらず、刃に目を向けていた。
そのとき
「うわんっっ」
刀を振り上げていた青年から変な声が漏れた。少女は驚き青年の顔を見上げる。青年は顔に汗を浮かべながら手をお尻につけていた。気づけば自分を囲っていた他の青年たちは地面に倒れている。
少女は青年の後ろに動く人影を覗く。そこには白いふわふわの髪をした少年が青年のお尻にカンチョーしているのが見えた。
「あなた…」
とつぶやくと少年は少女の手を取りその場を駆け抜けた。
暫く走ってそのままスピードを落とし歩いていく。手は握られたままだった。白いふわふわの髪が風に揺れて、まるで綿菓子みたいだと少女は思った。
さっきまでの出来事がどこか遠くに感じる。ただ、少年の手の温もりが少女の冷えた心には暖かかった。
「あの…ありがとう」
少女は少年の背中にお礼を伝えると足を止める。手の温もりは離れ少年は振り返った。
「綺麗な月だこと」
「…え?」
「いつも月見てんじゃん」
少女は口を開けて少し驚いた表情をし、ふふっと笑いだした。
「よく知ってるね」
少年は笑う少女と一瞬だけ目を合わせる。
「お前何してたの。ヒーローが現れなかった危なかったぜ?」
少女は何も言わずに俯いた。少年は片手を自分の頭を支えるように、もう片方の手で鼻をほじり斜め上を見ていた。
「坂田銀時。」
「え?」
少年…銀時は少女に視線をうつすとぶっきらぼうに、そう名乗った。
少女は銀時を見つめると悲しそうに微笑む。
「銀時。
……あまり私に近づかない方がいいよ。私はみんなが嫌いな天人の血が半分入ってるから。」
「天人の血だァ?おめーはおめーじゃん」
少女は目を丸くして銀時を見つめた。銀時は少し気怠げながらその目は真剣だった。
「お前あの村の子だろ?あー、なんか松陽が言ってたな」
銀時は髪をガシガシ掻きながら言うと少女の手を引き再び歩き出した。
「ぼーっとしてんな。行くぞ」
「……お前名前は?」
「名前」
「名前ね」
名前は何も言わずただ再び歩き出した銀時の背中を見つめていた。どこに向かっているのかもわからないが
名前の頭の中には銀時に言われた言葉しかなかった。
(私は私…か…)
そよ風が生い茂る草と白いふわふわの髪をなびかせた。
暫く歩いていくと少し古びた家のような建物に着く。そこには松下村塾と書かれてあった。
銀時は中に入ると長髪の男の方へと歩いていく。
「銀時、どこへ行っていたのかと思えば…。おや、どうやら兎さんも一緒の様ですね。」
「兎ィ??」
銀時は鼻に指を突っ込みながら不思議そうに松陽と呼ばれるその男に返した。
名前は“兎”と言われ少しドキッとしながらも状況を掴めずにいた。
すると松陽は名前の前まで近づいてきてしゃがむ。
「こんにちは。私は吉田松陽です。」
優しい微笑みにどこか懐かしさを感じながらも名前は自己紹介をする。
松陽はニコッと笑んで名前の頭に手を置いた。
「よく今まで血に飲まれず耐えてきましたね。貴方はよく護れています。」
松陽の言葉に、いつの間にか名前の瞳からは大粒の涙が溢れていた。
「私……、私…。」
泣いて言葉が紡げない。
松陽は微笑みながら続ける。
「ここにいなさい。ここは色々な者たちが集まって共に学ぶ場です。君は君のままでいい。」
松陽の言葉に顔を上げる名前。先ほど銀時に言われた言葉を思い出す。
松陽は優しく微笑んでいて、後ろには木に寄りかかりながら鼻をほじっている銀時がみえた。
「ようこそ、松下村塾へ」
名前は未だ止まらない涙を手で拭いながら笑んだ
1人の少女は月を見上げていた
寂しそうな瞳で
「…」
銀時はその少女を遠くから見つめていた。見つめていたと言うか無意識に見ていた。
「銀時、帰りますよ」
少し先でこちらを見ている松陽。銀時は少女を振り返りながら松陽のところへ駆けていった。
⸻
「天人なんて死ね!!!この国から出てけ!!」
数名の青年たちに蹴り飛ばされ殴られている1人の少女がいた。少女は抵抗することもせず。ただただ攻撃を受けている。その瞳には感情はない。
刀を振り上げる青年。少女の表情は変わらず、刃に目を向けていた。
そのとき
「うわんっっ」
刀を振り上げていた青年から変な声が漏れた。少女は驚き青年の顔を見上げる。青年は顔に汗を浮かべながら手をお尻につけていた。気づけば自分を囲っていた他の青年たちは地面に倒れている。
少女は青年の後ろに動く人影を覗く。そこには白いふわふわの髪をした少年が青年のお尻にカンチョーしているのが見えた。
「あなた…」
とつぶやくと少年は少女の手を取りその場を駆け抜けた。
暫く走ってそのままスピードを落とし歩いていく。手は握られたままだった。白いふわふわの髪が風に揺れて、まるで綿菓子みたいだと少女は思った。
さっきまでの出来事がどこか遠くに感じる。ただ、少年の手の温もりが少女の冷えた心には暖かかった。
「あの…ありがとう」
少女は少年の背中にお礼を伝えると足を止める。手の温もりは離れ少年は振り返った。
「綺麗な月だこと」
「…え?」
「いつも月見てんじゃん」
少女は口を開けて少し驚いた表情をし、ふふっと笑いだした。
「よく知ってるね」
少年は笑う少女と一瞬だけ目を合わせる。
「お前何してたの。ヒーローが現れなかった危なかったぜ?」
少女は何も言わずに俯いた。少年は片手を自分の頭を支えるように、もう片方の手で鼻をほじり斜め上を見ていた。
「坂田銀時。」
「え?」
少年…銀時は少女に視線をうつすとぶっきらぼうに、そう名乗った。
少女は銀時を見つめると悲しそうに微笑む。
「銀時。
……あまり私に近づかない方がいいよ。私はみんなが嫌いな天人の血が半分入ってるから。」
「天人の血だァ?おめーはおめーじゃん」
少女は目を丸くして銀時を見つめた。銀時は少し気怠げながらその目は真剣だった。
「お前あの村の子だろ?あー、なんか松陽が言ってたな」
銀時は髪をガシガシ掻きながら言うと少女の手を引き再び歩き出した。
「ぼーっとしてんな。行くぞ」
「……お前名前は?」
「名前」
「名前ね」
名前は何も言わずただ再び歩き出した銀時の背中を見つめていた。どこに向かっているのかもわからないが
名前の頭の中には銀時に言われた言葉しかなかった。
(私は私…か…)
そよ風が生い茂る草と白いふわふわの髪をなびかせた。
暫く歩いていくと少し古びた家のような建物に着く。そこには松下村塾と書かれてあった。
銀時は中に入ると長髪の男の方へと歩いていく。
「銀時、どこへ行っていたのかと思えば…。おや、どうやら兎さんも一緒の様ですね。」
「兎ィ??」
銀時は鼻に指を突っ込みながら不思議そうに松陽と呼ばれるその男に返した。
名前は“兎”と言われ少しドキッとしながらも状況を掴めずにいた。
すると松陽は名前の前まで近づいてきてしゃがむ。
「こんにちは。私は吉田松陽です。」
優しい微笑みにどこか懐かしさを感じながらも名前は自己紹介をする。
松陽はニコッと笑んで名前の頭に手を置いた。
「よく今まで血に飲まれず耐えてきましたね。貴方はよく護れています。」
松陽の言葉に、いつの間にか名前の瞳からは大粒の涙が溢れていた。
「私……、私…。」
泣いて言葉が紡げない。
松陽は微笑みながら続ける。
「ここにいなさい。ここは色々な者たちが集まって共に学ぶ場です。君は君のままでいい。」
松陽の言葉に顔を上げる名前。先ほど銀時に言われた言葉を思い出す。
松陽は優しく微笑んでいて、後ろには木に寄りかかりながら鼻をほじっている銀時がみえた。
「ようこそ、松下村塾へ」
名前は未だ止まらない涙を手で拭いながら笑んだ
